まもって守護月天

〜22Century〜

 

 

〜14話(キリュウさんは風邪を引かない。本当か嘘か)〜

 

 

 ――前回までのあらすじ――

 

 ダイヤの密売組織から抜け、追われる身となったトニー。彼に迫る銀星会の魔の手を

 

翔「いやそれ前にやったろ。真面目にあらすじ出来んのか」

 

 

 

 ――前回までのあらすじ・その2――

 

「いやぁぁっセクハラぁぁぁぁぁっ!!!!」

「がっ、ふぅっ!?ごふっ!!? はにゃがっ、にゃーの自慢のはにゃがっ!?」

「――その…お邪魔だったようだ、な」

 言われて気付いたが――男女二人が布団の上で、しかもお互い妙に浴衣が乱れていて、なおかつ布団の周りには丸めたティッシュが――そして、二人とも緊張気味に息切らしてて――

 

ル「あんたら…そーゆー事してたの…」(引き)

出「私が旅館のロビーでナンパしてる間に、アナタという人は…」

太「余計誤解を招いてるじゃねぇか――それ以前にナンパかぃ出雲

 

 

 その一方、外――ひと気の無い道を歩くキリュウは、先程の光景が頭から離れず――

キ「寒ぅぅぅぅっっっっっ

 ――とか感傷に浸る以前に寒さで死にそうだった。

キ「うぅ…思い切って飛び出してきたはいいものの、めっちゃ寒いし…かといって戻るというのも――凄く格好悪いしな…」

 同時に空腹感――そういや、晩御飯も食べてない気が…――あ、確か晩御飯は懐石料理だったな…。

キ「はぁぁぁ――…ダメだっ、こんな所で朽ちるワケにはぁぁっ!!」

 何時の間に降ったのか、雪積もってるし。

 またしばらく歩き、数分経った頃、ふと立ち止まり、キリュウは考え直した――…うむ、『聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥』(←使い所違う)という諺もあるしな。「はぁ…やっぱし戻ろ――…」と、振り返った瞬間――

キ「――ここは…どこだ?」

 

 

太「やっぱ誤解解かないとな…」

翔「ああ、なにかと不都合だしな」

シャ「ところで太助様、ご飯食べないんですか」(目の前の湯豆腐をがっついてる)

太「お前ホントに守護月天か?

シャ「失礼な。私のどこに疑う余地が?」(刺身にワサビ醤油を漬けてはぐはぐ)

太「今のお前の頭からつま先までだんぎゃっ!?

 言葉終える前にシャオの触覚がしなやかな動きで鞭のように太助の顔面を切り裂いた。

太「ぐがーっ! 怪光線出たりその触覚はどーなってんだぁーっ!!」(両手で顔押え転がる)

シャ「失礼な。この程度のスキル、精霊なら誰だって使えますよ」

ル「アンタだけよこの精霊の規格外

 

翔「ともかく、アタシ達は探して来るよ」

太「飯は残しといてくれよ無かったら殺ス

出「うむ、美味い」(もぐもぐ)

ル「ホント、この鹿肉美味いわねぇ」(はぐはぐ)

太「手前ぇら…」

 

 

 美味そうな料理に後ろ髪を引かれながらも、二人は旅館を出た。

翔「ところで七梨、何でそんなモノ持ってるんだ?」

 彼女の指差した太助の腰には、いつの間に失敬したのか、武器――らしきモノが携えてあった。

太「いや、こーいう雪国の夜道は危ないと思ってな――怪物の通り魔とか、魔物が襲って来るやもしれんし」

翔「しかし…それは役に立たんと思うけど」

 ――彼はその腰の道路工事のおじさんがよく夜振ってる赤く点灯するアレを翳し、点灯し弧を描くように振って見せた。闇夜に赤き輝きが残像を起こす。

太「その名も太助ちんブレードだ」

翔「…はぁ」

 もー言葉も出なかった。

 ――と、気が付けば目の前には不気味に構える建物が、目の前に立ち塞がっていた。

太「うぉっ!? 突発な展開!」

翔「まるでワイドショーのような進め方だな…ここ、高校?」

太「フッ…闇夜の学校が俺を呼んでいる」

翔「あぁっ!?お前何言ってんだ!?」

太「っしゃぁ突撃ぃっ!」

 その掛け声高らかに、太助はその校舎内の塀をよじ登った。

 

 

 

 

キ「…と、いう訳で私は現在見知らぬ山の中を彷徨ってるのだが」

 別名、遭難とも言う。

 どこをどう歩いたのだろうか――気が付いたら周りは閑静な街並みから木々生い茂る山中に変わっていた。

キ「うぅむ…」

 参った。このままじゃ凍え死ぬというのも冗談ではすまなくなりそうだ――

キ「そうだ、私は万難地天だったな」(←忘れてた)

 大地の精霊なんだから、こーいう時は偉大なる大自然に聞いてみるのが万難地天の遣り方。キリュウは登場して一度も使ってない短天扇を取り出した。ちょっと汚れていたが、気にしないでおこう。

 それを虚空に掲げ、そして唱えた。

キ「風よーっ! 光よーっ! たぁーっ!

 

 ………。

 しかし、何も起こらなかった。

キ「しまったぁぁぁーっ! しばらく使わなかったから使い方忘れてしまったぁぁぁっ!!?」(←大馬鹿)

 落胆し短天扇をしまうと、彼女は途方に暮れつつ傾斜に従い足を進める事にした。

 すると、急に目の前が開けた。

 その個所だけ林が開けており、月明かりが差し込んでいるのだ。月明かりのスポットライトの中心の切り株に座り、キリュウは一息ついた。

キ「ふぅ、む――どーするか…――…誰だ?」

 カサ、と草むらから気配――キリュウは身構えた、が、その姿が見えた瞬間にその緊張は解けた。

少女「…キミ、誰?」

 年の頃13、4歳だろうか。危険な気配も感じない、と判断したキリュウは、ふ、と顔を緩めて、「私は万難地天だ…ワケあって、ここにいるのだが…」

少女「迷ったの?」

キ「う――…うむ、何時の間にやらこのような所に来てしまったのだ…」

 緊張を解いたせいか、途端にキリュウの腹の虫が鳴いた。とっさに顔を赤らめて腹部を両手で覆うと、少女は手に持っていた紙袋からソレをひとつ取り出し、

少女「お腹空いてるんだね――…これ、食べる?」

 …受け取ったソレは少し冷めていたが、身体の心から冷えていたキリュウの手には、凄く暖かいものだった。

キ(……たい焼き、か――…前にも同じような事があったような…?)

 

 

 一方、旅館では、

シャ「なにが出るかなっなにが出るかなっ」

 ゆっくりと転がる立方体の行方を3人が見守る中、全面に文字の書かれたサイコロはある面で止まった。

シャ「はーいっ、思い出したくない話―っ、略してーっ“おもバナ”っー♪」

 一人が遭難中、二人が不法侵入という中、三人は暖房の効いた大部屋内で『ごきげ●ようごっこ』をしていた。ちなみに、シャオが司会者役でルーアンがライ●ン君らしい。

 ちなみに三人とも“デキ上がって”いる。

出「フッ…思い出したくない話ですか――…あれは昔、私がコケシだった頃――」

ル「…コケシ?」

出「前世にね」

シャ「CMネタはボッシュート

 言うなり、シャオは何故か天井から下りていた紐を引っ張った。

“ごっちょん”「のぅわっ!?」“ざっぱーん”

 ………。

 

ル「なにこの穴」

シャ「こーゆートークには付き物でしょうっ」(ハイテンション)

ル「いやいきなり畳が外れるってのはぁっ!しかも水の音したし!ついでに穴覗いても底見えないし!」

シャ「うー、ルーアン姉様知能指数悪いー」

ル「言ってる事意味不明よ」

シャ「あははー♪ 相変わらず日天日天ですねーっ」(がばっとルーアンに飛びつき、顔を近づける)

ル「わ、臭っ…完全笑い上戸ねアンタ」

シャ「うにゅー…――っ! 一番っ、守護月天シャオリン! 歌いまーっす!」

ル「だぁぁっ! 止め止めぇっ!」

シャ「つぅよぃ、やつほろ、えらおはひゃらりぃ〜♪」(←呂律回ってない)

ル「ってマイナーなエンディング!?しかもちゃんと歌えてないし!」

シャ「らぁ〜って、つよらわ、愛らも〜にょぉ〜♪――はぐぃっ!?

 途端、シャオはどさっと音を立て、前に倒れ伏した。ぐったりとした彼女の後頭部には巨大なコブが腫れ上がっていた。

ル「はぁ…はぁ…っ、えー加減にしなさぃ」

 そういうルーアンの手には、たった今振り下ろしたばかりの黒天筒――の先から放たれているレーザー剣『陽天心ブレード』があった。

シャ「く……くっくっくっ……ま…まさかカカロットの奴が…お…おのれの命を…捨ててまで…」

ル「うっさい」(ドムッ)

 ――と、トドメとばかりにシャオの背中にルーアンの右掌からの衝撃波を叩きつけられ、彼女は気絶――というより、眠りについた。

 

 

 

太「はぁ…はぁ…」

 苦しい。身体が――肺が、脳が、全身が酸素を欲している。意識しなくとも口が開き、大量の酸素を自身の体内に取り込んでいく。

 ――なぜに、こうなったのだろう。ここ一時間、30分くらいの事を思い出してみる。

太(――…そうだ。学校に乗り込んで、その後…変な男女二人に“襲われたんだ”)

 

 

?『うっす。今日はこういうモン買って来たぞ』(2つの丼の入ったスーパーの袋を見せる)

?『……(中身を確かめ)――…牛丼じゃ無い』

?『ああ、すまない――だが、カルビ丼もなかなか美味いぞ。最近の流行りだし』

?『…蜂蜜熊さん(←漢字変換すると全く別物気分)』

“どたたたたたたたたっ”

?『なっ何だぁ!?――魔物…か!?――…って、こんな間抜けな足音立ててたっけか…?』(とりあえず刀を構える)

 

太『うーりゃぁぁぁーっ!! 太助ちんブレードっ!中華三昧〜っ!!』(振り回す赤い光の残像がアホっぽい)

?『わ、めっちゃ格好悪ぅ!? つか舞無視してカルビ丼食ってんじゃねぇ!』

?『――…?』

太『とぁりゃぁぁぁっ!!』

 

 “ずがぉぅうううっ!!”

太「へぐにょおっ!!?」

 ――振り向き様の斬撃で真っ二つにされ、そのまま疾走の勢いで“2つになった”太助は刃を持った少女の後方まで飛んで、闇のように黒い血を散らし、床に沈んだ。

 少女は、刃に付いた血を特に気にせず、妖艶に輝くソレを柄に収めた――そして忘れていた事を、思い出した――先程の反転の横薙ぎによって宙に舞った、カルビ丼ご飯と紅しょうがが丼の隅から更に舞う――美味そうなカルビ(4枚入り)も、同様に飛び、タレを巻く――その時間、2秒…いや1秒あったのだろうか。陶器の器が冷たいリノリウムの床に沈み、そして――

 …響き良い破砕音を立て、霧散した。

 

?『――…………………………………………………………………………………………………………ぐすっ』

?『いやその場で崩れ落ちて涙する程じゃねぇだろ!?――それより……咄嗟とは言え、殺さなくても…』

太『あー痛…どうしてそういう事するかなぁ』

?(生きてる!? しかもちゃんと上半身&下半身が繋がってる!?)

太『しかし、あんた凄ぇ抜刀術だったなぁ。かなりの剣客と見たけど――…あれ? どしたの? 下? なんか俺を見る目つきが…恐いん…です、けど』

 

?『………ほんぽこたぬきさん――』

 

 

 

 

 翔

  龍

   閃

    !

 

 

 

 

 

 

 

 

翔『あの、えーっと、今さっきこの世の者とは思えないよな爆発があった気がするんですけど――…それはともかく、変な赤い棒振り回す、アンポンタンっぽい男、来なかった?』

?『………ハッ(呆然としていた)――あ、ああ。…多分生きてたら、あっちの方に飛んでったが…(窓の外を指差す)』

翔『ありがと――…ところで、アンタこの深夜の学校に日本刀なんか持って何してんの。それにもう一方(少女の方)はカルビ丼食ってるし』

?『いや、ちょっとな。――しかし…舞!! それは俺の分だっ!! 構わんが、無断で食うなっ!』

 

 

 

 

 

 ………。

 ……。

 …。

 

 

太「………確か、俺ってキリュウ探してたんだよなぁ?」

 さすが飛天御剣流というか、気が付いたら山ん中まで吹っ飛ばされてるし。

 

 ――そんなこんなで、次回へっ。

 

〜つづく〜

(うむ。これが壊月天の基本形。 上の答:『さぁ?』)

 


 

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