まもって守護月天
〜22Century〜
〜32話(前回からの続きです。…マンネリやね)〜
???「――そこまでですじゃ!」
太助&キリュウ「「…っ! 誰だっ!?」」
――と、ここまでが前回まで。
キリュウ「二行しか振り返って無いが…」
太助「うるさいよ。――…んで? なんの用だ、南極ちゃん」
???「ば、馬鹿者! ちゃん付けをするでない!」
違う意味になってしまう。
キリュウ「? 違う意味とわ?」
太助「フッ…ノーマルタイプには判らんネタ、か…」
…逸般人だもんね、たー様。
南極寿星「ハナシをはぐらかしおって…第一何故ワシの存在を知っている!?」
太助「かっかっか! 主人公たる者、常に原作の先読みを欠かす事は無い!」
キリュウ(物語ぶち壊し…)
南極寿星の空咳に、太助はようやく話を本筋に戻す。
太助「んで、真面目に何のようだ。シャオ連れて帰るんだったらここにゃいねーぞ」
連れて帰るんだったら別に引き止めないしな、と内心呟きながら言うと、
南極寿星「…うむ…実は、お主の力を借りたいのだ」
太助「…ハァ?(゚Д゜)」
全然話が見えてこない。キリュウも怪訝な顔をしているし、更に詳しく話を聞いてみる。
南極寿星「――…何か勘違いしているようじゃな。儂は、現代のシャオリン様の星神だぞ?」
太助&キリュウ「「え…!?」」
南極寿星「お主らが以前見たように、シャオリン様は未来のシャオリン様に封じられてしもうた」
太助「そっか、Nシャオのか…」
キリュウ「なるほど、合点が合うな。Nシャオ殿本体が封じられた後も、支天輪は教室に置きっぱなしになってたからな――?…あの後支天輪はどうなったのだ?」
太助「確か…出雲が神社の魔除けにするとか言って持って帰ってた記憶が…」
南極寿星「あの若造の事か。――あやつ、支天輪を宝物を鑑定し価格査定するテレビ番組に応募しおった」
太助「あれか。「オープンザプライス!」の奴か」
南極寿星「しかもその鑑定士…国宝クラスである支天輪を『正体不明』と見おった」
太助「出たのかっ!?」
南極寿星「そして、たった1200円と評価しおった」
キリュウ「安っ!!――た、確かに我々の霊具は夢物語の中の物だからな…しかも日本。知名度は低いからな――金属的価値か…」
南極寿星「あやつらの目は節穴かーっ!特に中●●之●」
太助「落ち付け!」
伏字が多いのはかなりマズいと思ったから。――その後、あまりの安価に出雲は支天輪をそのまま東京駅のゴミ箱にシュートして――ここに至るらしい。
…まぁ、話が脱線しているが、ともあれ――
南極寿星「つまる所、お主等に現代のシャオリン様を助け出して欲しいのだ」
太助「断る」
南極寿星「褒美は出すぞ」
太助「どんな褒美だ」
南極寿星「シャオリン様の主にさせてやろう」
太助「お断りだ」
間に合ってるっちゅーねん精霊は。
キリュウ「まぁまぁ主殿――…それと、今気付いたのだが…もしこのままNシャオ殿が封印されたままだと、少々厄介な事になるかもしれん」
太助「…あぁ?どういう事だよ」
キリュウ「うむ。――現代のNシャオ殿が、未来の…変質したとは言え、シャオ姉ぇになってる、というのは主殿も存知てるだろう?」
太助「ああ、ちょっと信じられないがな…」
キリュウ「だから、言い返れば現代のシャオ殿がいなければ、未来のシャオ姉ぇの存在は成立しない。つまり――」
太助「……このままほっといたら、未来の…破壊魔のシャオはいなくなる、って事か?」
何故そこで笑顔になる太助。一方キリュウは悲しそうな表情で首を振った。
キリュウ「確かにそうだろう…――だが、シャオ姉ぇがいなければ、私も、ルーアン殿もここには存在しない事になる…」
太助「…そうか!――? ちょっと待て。今まで封印されてたけど、問題無かったじゃんか」
――だが、改めてキリュウを見ると、彼女の身体は薄っすらと透けていた。…いや、服が透けてるんじゃなくて、身体が。
キリュウ「…クッ…どうやら…――これは私の仮定だが…今まで何事も無かったのは…主殿がたった今、この時、Nシャオ殿を救出するからだと、思う…」
太助「キリュウ…」
キリュウ「…『シュリンガーの猫』というやつか…――だが、決定された事ではない…選ぶのは主殿だ…刻の流れに反るのも…良いのかも…」
ここでNシャオが存在しなくなり、シャオ、キリュウ、ルーアンがここに存在しなくなったとしても、太助の存在は揺らぎはしない。
――だが――
太助「面白くねぇ……『型破り』が『壊月天』モットー、だが…――ここで見過ごす程、俺は外道でもヘタれでも無いんでね」
南極寿星「おお、それでは!」
太助「良いかジジィ、俺はNシャオや、ましてや手前ぇの為にこんな事するんじゃねぇぞ――ただ、ここでキリュウ…とルーアンが消えちまうのが、俺的に気分悪ィからだ。キリュウもそこん所忘れんじゃねーぞ」
照れくさそうに言う彼。気のせいか「ルーアン」の部分が妙についでっぽい。
キリュウ「主殿……それでも、私はその言葉を嬉しく思う」
太助「……。キリュウはそこで待ってろ、俺が帰ってくる前に消えてたら、毎日キムチラーメンだぞ」
キリュウ「な…!? こ、殺す気か私を」
軽く笑って、太助は南極寿星と共に出発した。
………。
……。
…。
太助「と啖呵切って出発したは良いが…どうすりゃ良いんだ? やっぱシャオを…いや、未来シャオを探さにゃあかんのか?」
南極寿星「うむ、それが一番手っ取り早いな」
太助「しかし…」
昼間泣きながらどっかへ行ってしまったきり、彼女は消息を絶ったままである。
秘密道具を使ってしまえば、彼女の行動範囲は異世界にまで達する――そんな奴を探し出すのは不可能に近い…というか不可能だ。
太助「あんな風に言って来た以上、今更キリュウから『こっち矢』借りてくるのも体裁悪いし…」
南極寿星「仕方ないのう」
言うと南極寿星は懐からNシャオの支天輪を取り出した。
南極寿星「時代は違えど、同一の物なら四次元空間にて繋がっているはずじゃ」
太助「無理だろ、四次元空間は不規則な世界なんだから…」
以前行った事のある彼は疑わしい視線を向けるが、
南極寿星「心配無い。別次元のゲート同士というのは一定の流れが生じておる。その流れに乗れば…」
太助「なんつーご都合主義な…――まぁ良いか。じゃ、早速行こうか」
南極寿星「うむ」
そして、彼は世界を飛び越えた。
〜つづく〜
(今回はシリアス原作見習ってシリアス調でしたな。つまんなーい)
ハルカの勝手コメント
レイさん作「まもって守護月天〜22Century〜」32話をお届けしました。
とりあえず恒例で言っておくこと。紀柳さん可愛いですねぇ。
なんつーかシャオは何処へ? という状況ですが恐らくいえきっとノープログレムなのです。
…少なくともハルカの脳内では(笑
さて、それはともかくとして太助君の運命やいかに???