まもって守護月天
〜22Century〜
〜34話(I JUST FEEL SO LOVE AGAIN、そばにいるだけで…)〜
アンマン、肉マン、カレーマ〜ン♪ ピータンハブぅ酒北京だーっく♪(『アンパンマンの歌』調で)
太助「何やってんだ俺ら」
神奈「…言いだしっぺが何言っておる」
そうだった。
俺達は今、既にこの時代ではやる事ないから、どうせもう来れないんだし中国食べ歩き極楽ツアーを体験してみようと言い出したのが確か二時間前。
太助「うん、芸能人が食って遊んでる気持ちがちょこっとわかったかも」
神奈「3000年程早過ぎだったがの」
エステとかブランド品の安い店とかがないのは残念である。
南極寿星「おぬしら……慶幸日天の主の事は先の道士様に一任して一件落着とはいえ…こんな事していてよいのか!?」
太助「良いんだって。どーせあと帰るだけだし」
神奈「…そういえば、キリュウ殿はどうしたかな」
太助「……っ!」
途端、太助の顔色が変わる。神奈はわからないがキリュウは実際目の前で消えかかっていたのだ。
…彼女が無事という確信は、無い。
太助「しゃーねぇ、帰るぞ」
南極寿星「うむ」
太助「あ、あとな――」
南極寿星「? 何かあるのか?」
太助「お土産。買わねーとな!」
神奈「うむ、旅行の基本だしのぅ」
南極寿星「……おぬし等…」
もう影薄すぎだよ南極ちゃん。
………。
……。
…。
ルーアン「立ち上げっ、たーならっ、邪魔でもっ広げてっ♪」
シャオ「そーぉしっ、なーいとっ、家燃ーえーるぅよ〜っ♪」
翔子「…完全にへべれけだな」
出雲「ルーアンさんの場合まさに『反面教師』ですね…」
花織「ああいう精霊にはなりたくないですぅ」
翔子「心配するな。いくら頑張ってもお前は精霊にはなれんから。ところで、キリュウは?」
出雲「ああ。先程部屋に運びましたよ――…かなり熱がありましたが、完全に透明にはなってませんけどね」
花織「いわゆる、今流行りのスケルトンって奴ですね」
翔子「なんか生々しいな…それ」
明かに違うと思うが。
翔子「――あと、ついでに野村は?」
出雲「一応、気付けにウォッカを飲ませておきましたが」
翔子「…それは意味あるのか?」
“カラカラカラッ”
リビングと庭のガラス扉が開いた。入ってきたのは、何やら手荷物を持った太助と、知らない人一人と、二頭身ジジィである。
翔子「誰っ!? そのヒゲジィ!」
太助「南極ちゃんだ」
南極寿星「違うと言うとるに…」
花織「それと…その女の子は誰ですか? また七梨先輩にホの字のニューフェイスですか?」
トゲのある言い方だなぁ。
翔子「服は違うけど、見た事あるだろ? 海で」
花織「あ…そういえば」
思い出した花織は、「でも羽根なんか生えてませんでしたよぉ?」と首を傾げた。
神奈「うむ。あの時は太助自身に融合してたからの。本来、儂の姿はこうじゃ」
太助「ンな事はどーでも良い…キリュウはどこだ?」
翔子「ああ、部屋に寝かせといた」
ふと、出雲が恭しく神奈に頭を下げているのに気が付いた。
神奈「な、なんじゃ?」
出雲「まさか、生きている内に翼人様に逢えるとは思いもしませんでした」
彼の目は本気にマジだ。ギャグじゃ無い。
太助「そういやお前ん家って神社だっけ…翼人って神なのか?」
神奈「いや、わらわ自身『神など居ない』という意味で名付けられたから…違うのだと思うが…」
翔子「…そういやぁ――以前宮内神社に行った時…」
彼の神社の境内には、遠めで見ると普通だが、目を凝らすと縁結びの神どころか七福神に八尾比丘尼の神々から天照…なのは序の口。マリア像からシヴァ像、ブッタ像が飾られているのだ。
無論、それに関する商品を破魔矢やおみくじと共に配置するのも忘れていない。
…しかし、一神教と多神教を一緒に置くというのはどうかと思う。
出雲「我が神社では、全ての宗教を肯定しているのです」
太助「…お前ン所本当は神様崇拝してねーだろ」
神奈「その中にわらわも含まれているのか…光栄ぞ」
…そうか?
太助「支天輪鑑定団に出したくせになぁ」
出雲「中国神話には疎いのですよ(笑顔)」
キリュウ「…主殿か?」
太助「ああ、俺だ。…いや起きんでいい、寝てろ」
布団に臥せていたキリュウの姿に、太助は心中で安堵のため息をついた。だがその素振りは見せず、平静を装ってキリュウの枕下に腰を下ろす。
太助「消えちゃ無かったな」
それどころか、キリュウの身体は透ける事無くしっかりと実体が見えている。
キリュウ「ああ。大分楽になった…熱も下がったみたいだし」
太助「精霊っつーのは、風邪ひくと透明人間になるのか?」
そんなワケ無い。首を振る彼女に、「ま、ともあれ良くなったんだから良いかー」と太助は軽く笑う。
太助「結局、推測はハズレ。全部空回りになったけどな」
キリュウ「すまない…私が変な事を言ったから…」
太助「そうだなー」
キリュウ「Σ(T△T」
太助「治ったら、デートでもしてもらうか」
キリュウ「な…っ!? そ…そんなバカな事を――…」
太助「バカでも構わねーよ」
少し頬が朱になるのを誤魔化すように空咳をして立ち上がる。
太助「…んじゃ、下のドンチャン騒ぎ鎮めねーといけねぇから…俺、行くわ」
キリュウ「主殿」
太助「あン?」
キリュウ「いや…なんでもない。――でぇとは…考えておく」
部屋を出ると、南極寿星がこちらを見据えて立っていた。
無論、小さいのでジジィが見上げるカタチになる。
南極寿星「小僧…お主、あの南極寿星を好いとるのだな」
太助「ああ」
それはもう、キッパリと断言。
南極寿星「じゃが、あ奴は悠久の刻を生きる精霊、おぬしは…幾ら強いとはいえ人間――何時かは死に朽ちる存在」
太助「何が言いたい」
南極寿星「おぬし、先の時代で見てきたであろう――シャオリン様の事を。守護月天の…主に仕える精霊の定めを」
…永遠に繰り返される別れ。
…キリュウにとって太助の存在が大きくなればなるほど、その別れは辛くなる――
南極寿星「おぬしが万難地天を想うのは判る…だがぶぎゅ」
太助「……ぶち殺すぞ、クソジジィ」
南極寿星の頭を踏み潰し、カカトで更に床にねじり込む。
太助「アイツがどう思ってようが知った事か。俺はキリュウが好きだ、それの何が悪い」
南極寿星「じゃ、じゃが…にぐぎ」
太助「人だろうと精霊だろうとンなもん知らん。好きだから別れるなんてのは、バカのする事だ」
更に足に力を入れる。その彼の表情は、いつも以上に怒りに満ちていた。
太助「もし、アイツが定めとかに縛られてるんだったら、ンなくだらねー運命は俺がぶち壊してやる」
南極寿星「…運命はそんな簡単にはぎゃぎぃ」
もはや完全に頭は潰れている。
太助「運命ってなぁ、やろうと思えば幾らだって変えられるんだよ。人のだろうと精霊のだろうとな」
南極寿星「……おぬし、いつか後悔しぃぎぎぃ」
太助「…これ以上ブツクサ言うと本当に首と胴体引きちぎるぞ」
………。
…守護月天の行動を制限出来る存在である南極寿星を完全に言い負かし(多少暴力あり)、1階への階段に足を向けた時には、南極寿星の頭は程よく平面にのされていた。
で、降りたところで翔子と鉢合わせ。
太助「……まさかとは思うがな」
翔子「ああ、全部聞こえてた」
太助「……( ̄□ ̄*;;」
翔子「ドラマでもあそこまで口悪ィ告白も無いと思うぞ」
言葉が出ない太助。…こう言われると、グゥの音も出ない。
翔子「それに――あれだけイカした告白も、ドラマにはなかなか無いと思うぜ」
太助「…俺は、役者に向いてるか?」
翔子「さぁね、ラブコメの主役には向いてるんじゃない?」
太助「……。」
翔子「あそこまで言い切ったんだ。運命なんか変えて見せろよ。――アタシは、応援するぞ」
思いもよらない言葉。翔子は軽くウィンクして太助の胸を小突いた。
言葉にしなかったが、太助は翔子に聞こえないように微かに、
太助「サンキュー、な」
と呟いてリビングに入った。
シャオ「はぁ〜っい、それじゃー1番シャオリン! 支天輪からハト出しまーす」
…あぁもう、この人達は。
彼女達の足元には真新しい酒瓶が数本転がっていた。ついでに一人…既に出来あがった出雲と愛原が酒宴に加わっている。
愛原「……。」(←注:未成年)
神奈「花織殿…さっきから黙ってると思ったら…」(←注:年齢的には全然OKだが、ジュース派)
一升瓶片手に、花織は清酒をぐびぐびと一人で飲んでいた。
いるよね、こういう“うわばみ”。
出雲「だからね、私の前世は竜なんですよ、南海紅竜王敖紹」
出雲さん、アンタそれは絶対思い違い。というか思い上がりもいい加減にせい。
ルーアン「偶然ねー、アタシも前世は鎌鼬だったにょよぉ。だから気が合うのかしらねぇ」
てか、アンタ前世もへったくれも無ぇだろ。
出雲「ほほぉ! アナタが鎌鼬殿ですきゃぁ〜どうりで以前から髪の毛が鎌っぽいなぁと…なるほどー」
話が噛み合ってないが、酔いどれの会話なんてこんなもんだ意気投合しているらしく、バシバシと肩を叩き合って泣いている。
一方シャオだが、さっきから支天輪から次々いろんな物を出している。
シャオ「この、何の変哲も無いこの支天輪、ですが…掛け声と共に!」
…共に、落ちてくるのはアジ、ハゼ、カワハギ、メバル、シロギス――…
太助「……駄目だ、こいつら」
頭を抱えて脱力する太助――もうこのポンコツ達に呆れてつっ込む気力ナッシング。
シャオ「あははー、今度は大丈夫じょぶ。鮮やかにハトが」
“がちゃがちゃがちゃがちゃっ”
…炊飯器、映写機、跳び箱の三段目、鍋のフタ、フロッピーディスク、バーコードバトラーなど、など、など。
太助「お前は慌てた時の青くて丸い奴かぃっ!」
足元にあった1枚のフロッピーディスクを手に取り、懐かしい眼差しでそれを見る。
太助「最近じゃーメールやらCD−Rやらでめっきり使わなくなったもんなぁ。MOってのもあったが、あんまし使ってるトコお目にかからんかったが……まてよ?」
もしやと思い、彼はだらーっとした思考回路を精一杯働かせ過去のあの出来事を思い出した。
「ドップラー効果!」
「…以前、言いませんでしたか?」
「最強は一人で十分と!」
『デリートォッ!!!』
太助「まさか…これか?」
とすれば……これで万事解決のハズ。
しかし、その考えもすぐに頓挫した。
太助「ウチ無ぇ!!(PCが)」
このIT革命の時代に、いまだ20世紀な七梨家。
太助「ヤベぇ、ウチって時代遅れなんじゃ…」
今更衝撃を受ける。ってンな事言ってる場合じゃない。
神奈「ぬ、どうした太助。そんなガラクタの山をひっくり返して」
シャオが次々と支天輪から様々な物を出して、リビングの一部はちょっとした小山となっている。そこで必至で何かを探している太助。
太助「お前も探すの手伝え」
神奈「探す…って何をだ?」
太助「コンピュータだ」
神奈「こ…こんぴゅ???」
まぁコイツが知ってる方がおかしいんのだが。説明しようとしても、太助自身パソコンは無知だ。
太助「コンピュータってのはだなぁ――えっと、テレビに機械がついてるヤツだ!」
曖昧過ぎ。しかし納得したのか、神奈はガラクタ山から一つ持ち上げた。
神奈「というと…これか?」
太助「そりゃテレビデオだ」
神奈「ならば…これか?」
神奈「そりゃスーファミ内臓テレビ(21型・シャ●プ製)だ」
なんつー懐かひい物が…。神奈は二台を乱雑に置き、ふむぅと再び掘り返す。
神奈「む。太助、これこそおぬしの言う『こんぴゅうた』では無いか!?」
と、掲げるのは大き目の箱。…なるほど、パッケージには青文字で『ぴゅ●太』――
太助「って、これ違う!! まぁ確かにコンピュータだが…」
当時16ビットの脅威のマシンも太古の昔(1982年・ト●ー)…59800円って今ならプレステ2とX-BOXが両方買えるじゃねーか…
ちなみにこれは全部嘘じゃないぞー。
太助「コンセントに繋げて――よし…ベントイン!」
ようやく見つけたパソコンに、ディスクを挿し込み…。
太助「ファイルロード!」
………。
……。
…。
――そして…翌日の学校。
――いつもと変わらない時間。
ガラッ
太助「オハヨーっす」
太助の後に続いて、キリュウも入ってくる。シャオはドアを吹き飛ばしての入室だが、今更誰も何も言わない。
太助「? TAKASIは休みか…え、入院?なんで?」←犯人
と言うか、出雲にルーアンも顔色が悪い。ウルトラ的にいうならカラータイマー点滅、といったところか。
翔子「二日酔いだな」
太助「…ほっとこうぜ。こちとら支天輪を元に戻したんだし、やるべき事はやったんだし――」
欠伸混じりで軽く支天輪を回し、南極寿星を睨む。
太助「これで、アンタの頼みもかなったワケだな」
翔子(てか何故いる…)
南極寿星「うむ。…生きている内は、もうおぬし等と逢う事もあるまい」
まー逢いたくないがな。
シャオ「ッ!? 何でここにいるのジジィ!?」
翔子「落ちつけシャオっ!」
そういやシャオは、Nシャオの南極寿星と顔を合わせるのは初めてだったよな。…もはや言葉遣いがルーアンレベルだぞ。
――ってマズイぞ。Nシャオが復活した事知ったら、また振り出しに戻るんじゃ――
シャオ「そういえば昨日酔った勢いで――…ああ、シャオちゃん一生の不覚だわさっ」
太助「…まだ少しラリってんじゃねーか?」
事実、足元が覚束ない。まだ酒気が残ってるようだな。
シャオ「クワーッハハハ!! 酔ってませんですますおりはべり!」
あぁもう、何で酔ってる人ってこう意味も無くテンションが上がるのかなぁ。
目からビームやらメガ粒子砲やら加粒子砲やらぶっ放し大暴れのシャオ。
ルーアン「だぁぁぁっ! こちとら頭ン中で除夜の鐘が鳴ってるってのに!!病人をそっとしておく配慮も出来んのかぁぁぁっ!!」
出雲「えぇい、右に同じく!!胸のドラゴンのペンダントに賭けてっ!!」
立ち上がるバカ二人。それぞれ最大級の――酔いと怒りのせいで、周囲を考えての制御は一切無い――必殺技をチャージし始める。
それと同じく、生徒達は無言で自分の荷物を持ち教室から避難する。
翔子「みんなもう慣れてるなぁ…」
太助「今回もこんなオチか。…爆発は男の浪漫と言ってもなぁ」
キリュウ「なぁ、主殿」
太助「ん、何だ? 調子悪くなったか?」
病み上がりを気遣ったつもりだが、キリュウはく首を振った。
太助「じゃぁトイレか?」
冗談めかして言うと、翔子に後頭部を殴られた。
太助「…何しやがる」
翔子「今ぐらいは真面目にやりな」
太助「へ? どういう――」
キリュウをちらりと見、翔子は苦笑して太助とキリュウの背を押した。
翔子「こういうのは、二人きりになるのが定石ってもんだ――どーせ一時間目は潰れるんだろうしね」
太助「おい、二人きりって何なんだよ?」
翔子「いいからいいから。やっぱ定番は屋上だよな――屋上に行け」
太助「ヤだ寒い」
翔子「わがまま言うなっ!」
翔子にそう言われ、よく判らないまま太助はひと気の無い階段の方へ渋々向かっていった。
翔子「…さ、お前も行けよ」
キリュウ「翔子殿…」
翔子「雰囲気でわかるよ――…昨日の……聞こえてたんだ、よな?」
キリュウ「……。」
無言で頷く。
翔子「だったら、早く伝えて来いよ、お前の返事を」
キリュウ「…だ、だが――…いざとなると決心が鈍って…」
頬を赤らめ俯くキリュウを、翔子は見つめていた。
翔子「しっかりしろ。自信を持て。658票も入れてくれた人達の支持を忘れたのか!?」
キリュウ「……!」
翔子「料理は上手いし家事も出来る。その上可愛いし人見知りだし(人間よりちょっと)強し、あぁもうアタシが結婚したいくらいだ」
落ち着け翔子ちん。
キリュウ「…有難う、翔子殿」
決心がついたとばかりにペコリと小さくお辞儀をするキリュウに、翔子は親指を立てて見せた。
翔子「おぅ頑張れ! ファイト!」
キリュウ「一発!」
同じく親指を立てて笑顔を見せると、キリュウは駆け出した。
翔子「やれやれ…」
――んで、
太助「……まぁ、もうすぐ冬休みだもんな」
鋼鉄の扉を開けると、外は、
吹き荒れる北風。
凍りつく外気。
キリュウ「……やはり中にしよう」
太助「嫌だ。どうせなら外が良い」
キリュウ「うぅ〜…」
無理矢理キリュウの腕を掴んで外に引きずり出した。あまりの極寒に、彼女は震えながら涙目になって太助を非難するが…。
ぱさっ。
キリュウ「……!」
制服の上着を、太助は無言でキリュウに羽織らせた。
太助「…で、結局なんなんだ?」
キリュウ「……き、昨日の事だ」
太助「昨日?」
キリュウ「南極寿星殿と、廊下で話していただろう」
太助「――…………まさか…!(赤面)」
キリュウ「……二階は静かだったから」
太助「……そ、そうか…………………………………あぁ、もう! そういうこった!! 嘘偽り無し!」
キリュウ「……。」
キリュウは何か呟いたようだが、風の音がその言葉をかき消してしまう。
太助「うん?」
キリュウ「……私も――私もだ!」
…一陣の、風が吹く。真っ赤になったキリュウは、あまりの恥ずかしさに背を向けた。
その全てが、愛らしくて――
キリュウを振り返らせ、そのまま勢いで――
ちゅっ、と――
キリュウ「……っっっ!!!???……………」
それと、まったくの同時に――
シャオ「見ますか星々の砕け散る様を――ギャラクシアンエクスプロージョン!!」
ルーアン「出直してらっしゃい!――夢想転生!!」
出雲「受けよ神のイカヅチ――インデグネイション!!」
“――カッ…!!!”
………。
……。
…。
どの必殺技のものとも知れない爆光が、鶴が丘市全土を包んだ。
まぁ、お約束のオチを残し…――
――もとい、まだ終わらない。
キリュウ「なぁ主殿、何で私達は逃げてるのだ!?
太助「そりゃ、こういう時は大体意味も無く追っ手が来るもんだからな!」
キリュウ「それと、これは相当恥ずかしいんだが!!」
まだ続いている小爆発と吹き荒れる冬の木枯らしの中、キリュウを抱きかかえ――お嬢様抱っこだ――太助は疾風のごとく走っていた。
太助「あぁ!?聞こえんねーっ!」
キリュウ「嘘をつかないでくれっ、聞こえてるんだろう!?」
太助「聞こえねー聞こえねー」
キリュウ「くっ………バカぁ」
――さぁて、このままフケるか。
――え!?
――言ったろ?デートする約束。
――う………まったく…いつもいつも、主殿は無鉄砲なんだ…。
――悪いな、こういう風にしか生きられない男なんでね。
そんな事、わかってる。
だから――
「付き合います――どこまでも…どこまでも」
〜お・し・ま・いっ〜
<おまけ>
太助「しかし、なんで透明人間になったりしたんだ?」
シャオ「それはですねぇ、きっと薬の副作用ですよ」
太助「…………は?」
シャオ「あははーっ、実は昨日の朝、キリュウの麦茶にこっそり私が研究を進めている薬を混ぜたんです」
…なんてことを。
行列が出来る某相談所に訴えたら、確実に有罪に出来るぞ、これは。
シャオ「まさかエセ透明人間の薬になるとは思いもしなかったですよぉ、あははーっ」
「………。」
「………。」
無言のまま立ち上がる二人。ルーアンはこっそり自分の碗を手にその場を離れる。
太助&キリュウ「「にゃぁぁぁぁーっ!!!」」
吹っ飛ぶテーブル。
<おまけ2>
シャオ「予想なら、『胸が大きくなる薬』が出来るハズだったのになぁ」
太助「…それがどう間違えれば透明人間(未遂)の薬になるんだ」
シャオ「成功すればノーベル賞は確実だったのになー」
太助「無理だろ」
というか失敗作を昇華させた方がもっと凄い物になると思うが。
南極寿星「最終回じゃないぞよ。もうちょっとだけ続くんじゃ」
キリュウ「えぇぇっ!!?Σ(T□T」
ハルカの勝手コメント
レイさん作、「まもって守護月天〜22Century〜」34話をお届けしました。
えーと、正直今回はハルカのコメントなど不要!(おい
とりあえずモニタの前で悶えまくりだったのは当然なわけで、今も顔面にはりついたにやけ顔がはがれません。
まぁ完全にハルカのツボに入りまくりだったわけですが、これで終わりではないわけで…
これからもこんなに可愛い紀柳さんが見れるのかと思うとはりついたにやけ顔は当分とれそうにないわけで…
>料理は上手いし家事も出来る。その上可愛いし人見知りだし(人間よりちょっと)強し…
まさにパーフェクト紀柳さん!(馬鹿
さて、阿呆コメントはこれくらいにして、レイさん、投稿ありがとうございました。
読者の皆々様、どうぞレイさんに感想のお便りをお送り下さい!(^^