まもって守護月天

〜22Century〜

 

 

〜7話(何か熱血風な汝昂先生(謎))〜

 

 

太「………」

 ――何だか知らんが、

 

ル「シャオ、お菓子と、何か飲み物」

シャ「えーっと、甘い●太郎とメッ●ーラで良ければ」

ル「…要らない」

 ――精霊3人が我が手下になった。

 

“チュィンッ!!”(←熱線音)

 

太「………」

 

ル「誰が手下だ誰が」

 

 

 

太「…あのおねーさん…今額の変な金属から出たのは何スか?」

ル「サン・レーザー(←熱光線)

 

 

 ――とにかく、3人揃って、1度やってみたい事があった。

 

 それは――

 

 

太「犬●ーッグ!」

 

シャ「………(怒)」

 

太「鳥●ード!」

 

ル「………(怒)」

 

太「エ●モンキーっ!」

 

キ「…う…うっきぃ…(照れ)

 

 

 

シャ&ル『――…………』(無言のまま、太助に接近)

 

“ザウッ!!”

 

 シャオの手刀が右肩から左脇に掛けて凪ぐ――傷口から真紅の液体が噴出す間も

なく、ルーアンの5本の指が傷口を抉り、貫く。次に彼女達は反撃させぬ様に男の

両腕をもぎ取り、床に放る。主を失った左右の腕はピクピクと僅かに動いたが、す

ぐに活動を止め、ぐったりとなった。

 

“メリ…ギリッ…ゴリッ…”

 

 再び躯を貫く――肉と骨、関係なく彼女の爪はそれらを貫き、そして1つの器官

を掴んだ。 …ドクンドクンと脈打つそれは、紛れも無い、ヒトの心臓だ――彼女

は幾つかの繋がっていたチューブをそのまま引き千切り、ソレを取り出し、…無慈

悲に、握り潰した。 既に肉塊と化したソレは、二度と動く事無くビチャビチャと

赤い水を垂らしていた――

 

 

 

 

 

 

 

 

シャ「ったく…誰がイヌですか誰が」(赤いペンキの着いた指を舐めつつ)

ル「ホントよ。…キリュウも、いくら主(仮)でも、あんな戯言に付き合う必要無

  いのよ?」(細い指をゴキゴキと鳴らしつつ)

キ「いや…私は別に…」

 

 

 ――で、現時刻『8:26』…――

 

シャ&ル『遅刻けって〜〜』

 

太「嬉しそうにハモって言うんじゃねぇぇぇっ!!

 超特急で朝食を食べながら、太助は叫ぶ。

 

太「クソ…あんな風にされたから、再生すんのに時間掛かっちまった…『死なねぇ

  躯』ってのも結構厄介だな…」

 

 …『死なない躯』とかっこよく言ってるが、ようは『主人公=不死身』ってワケ

で、別に彼はどこかの吸血鬼に殺されたって裏設定は無い。

 

太「かっかっか。ってかレイのSSでは死ぬのは『その他大勢』のみだからな。殆

  ど――…って言ってる場合じゃねぇっ!」

 

 ――そして現時刻『8:27』…――

 

太「おぉう!? あと3分!? シャオっ! 『何処でもドア』を!」

シャ「その2本の足は何の為についとんじゃ

太「出して欲しい時に出てこねぇって――この役立たずがっ!」

シャ「ボンバー君4号かまして欲しいか

太「めっちゃ痛そうなネーミングなんスけど…そのアイテム」

ル「ああ、ドリルっぽっかたわね」

太「ドリルっぽいってどんなんなスかヲィ…」

 

 ――『8:28』…――

 

太「あぁっ!? ならルーアン! お前の出番だ!」

ル「(49杯目のご飯を食べながら)今補給中

太「手前ぇはオ●Qかっ! チィ…! ならキリュウ、君に決めた!」

キ「……?」

 おもむろにキリュウはスケッチブックを取り出し、青いペンで文字を書く。

『帰りにお寿司』

 

太「…了承」

 

キ「……(少し嬉しそうにページをめくり、更に書く)」

 

『1:カタパルト発進』

『2:ドナルドマジック』

『3:その他』

 

 ――現時刻『8:29』…――

 

太「1番はまず却下――2番って何だ」

 

『お楽しみなの』

 

太「……じゃぁ2番」

 

『ファイナルアンサー?』

 

太「ああ、ファイナルアンサ――…

 

“カチッ(長針が動く音)

 

 

全員『………』

 

シャ&ル『決って〜〜』

太「くぁ…――こうなったら、髭が教室に入るまでが勝負だぜ!」

シャ「チィ…っ! しぶとい!」

太「――さぁキリュウ、ドナルドマジックだかグリマスマジックだか知らんが、頼

  むぞ!」

キ「……!(←肯定の頷き)」

 

 

 時刻は『8:32(腕時計より)』

 

太「キリュウ…この仰々しいカタパルトは何だ」

『マスドライバーなの』

太「俺は1番を選んだつもりは無いが」

『ドナルドマジック=超スピードで窓から飛び込むなの』

太「嘘付け嘘っ! せめて巨大ハエ叩きにしてくれっ!!」

『Congratulation』

太「…その単語の遣い方間違ってる」

 

翔「…何路上で大道芸やってるんだよ」

 

太「山野辺…――えらく悠々とした登校だな。…こっちが死にそうな手を使ってる

  と言うのに」

翔「…どんなに遅刻してもそんな手は使いたくねえと思うぞアタシは

太「俺は手前ぇと違ってマジメ一筋だからな」

翔「嘘っ!?」(←『衝撃』っぽいBGM)

太「……ムカつくリアクションだな――あー、ともかくキリュウ。点火だ!」

『ラジャーなの』

 

“ドゥッ…――キィィィィンッ”(ブースター点火音)

翔「しっかしその線路は――って、マジか!?」

 

太「――飛っべないブッタは〜たっだのブタ〜♪――アムロ、いっギォッ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「…舌噛んだなアイツ」

 

 恐らく急加速によるGでであろうが――数秒もしない内に、彼の姿は点となり…

――そして星となり、南の空へ…消えた。

 

『打ち上げ成功なの』

翔「キリュウ…判ってると思うけど」

キ「?」

翔「――ウチの学校はもうちょっと西寄りだったと思うな」

キ「………」

翔「どこまで飛んでったかな…東京湾か?」

『…相模湾だと思うの』

翔「もっと言うとな――…そのスケッチブックのネタ止めてくれ」

『好評だったら定着するの』

翔「するなっ!!」

 

 

 

 室内…

 

ル「…ねぇシャオリン」

シャ「はい?」

ル「太助ちん何処逝ったの」

シャ「えーっと…姉様、漢字間違いな上に『太助ちん』って何です

ル「あはは、気にしない気にしない。で、ドコへ?」

シャ「――さぁ…何しろ『壊月天』では学校の話やってないんで、私は何も判りま

   せん…」

ル「OK、学校ね」

シャ「なっ…!?」

 

 …このルーアン姉、原作よりキレる様で(笑)

 

ル「それじゃ、行って来るわ。…あ、場所は頭の『Rレーダー』で判るから」

シャ「――ルーアン姉さん!」

ル「…何? 留守番」

シャ「――ついでに、

    ――スーパーでひき肉100gと玉ねぎとニンジンを。あと今日たまごが特価なので、1人1パックだけど3回並んでください。そして次にお茶屋さんで●藤園の麦茶パック(Lサイズ)を。あ、それと味噌(1kg)とお米(10kg)もお願いしますね。ついでにトイレの電気も切れてたので40Wの…あ、白いヤツですよ。それと小麦粉も切れてますね。一緒にお願いします。…それであと太助様のリクでガンガンの9月号、キリュウさんのリクでKan●nの4コマ劇場を…勿論本屋ですよ。

    ――それじゃ、お願いします!」

 

ル「却下」

シャ「そうですか! はいお財布っ!」

 ポンとがま口のサイフを手渡した。 …どうやら『購入』は理解したらしい。

ル「………」

シャ「…買ってきてくれないと…晩御飯は牛乳ゴハンです

ル「ラジャーっス(右手をびしっと額に当てて爽やかな笑顔)」

 

 

 

 

 

“バギャァァッ!!!”(←ドア蹴破る音)

 

太「おはよ――ッス!!! 元気かみんなぁっ!

 

 

教室の全員『………』

 

 

汝昂先生(以下:汝)「…七梨君、3時間目遅刻、ね」

太「そんなぁっ!? 折角東京湾をクロールで泳いで来たと言うのに!」

汝「知らないわよ…――早く座らないと、欠席よ」

 

太「うぐー…元気100%印で行ってみたのにー…」

翔「…結局東京湾まで飛ばされたのか」

太「ああ」

 ――しかしそれを3時間で戻って来たコイツって一体…。

太「そうそう――山野辺、これお土産」

 そう言ってポンと『安倍川もち』と書かれた包みの箱を渡す。

翔「おっ、ありがと…これ美味いんだよな――ってお前これ静岡の名産じゃ

 ねーか!!

太「何っ!?」

 

 太助は席に着く。そして後ろの席の眼鏡の少年の方を見て、

呼一郎(以下:呼)「おはよ太助君。今日は随分ハッスルだね」

太「ああ…――そういや、たかしは…」

呼「うん。まだ『最強の“”』を目指して山篭りしてるんだって」

太「無駄な努力だよなー。未だ俺に適わないってのに」

呼「『無駄な努力』って愚かだよねー」

 …授業中に素敵な事を話す友達甲斐の無い2人。

 

汝「そこぉっ! 私語は禁止ぃ!!」

 

“チュィンッ!!”(←熱線音)

 

太「アウチっ!!(HP:1000→670)

 

 

 

“キーンコーンカーンコーン”(←安っぽいチャイム音)

 

汝「ン…それじゃ、今日はここでお終い――次の時間は体育よ。全員水着着用で運

  動場へレッツラドン(死語)」

 

 その時、生徒の誰かが『水着ッスか!?』とツッこむ。

汝「いいツッコミね。アナタ、将来『吉本』とか?」

 その切り替えしに、今日室内がドッと湧く。

 

 ――って…

 

太「何でルーアンが!!?

 

翔「Σ( ̄□ ̄;)七梨気付くの遅すぎっ!」

 

生徒A「何だよ七梨、汝昂先生はウチらの担任だろ?」

生徒B「そうだよ。何で今更?」

 

太「な…どうしちまったんだ!? そうなのか!? ルーアンは俺らのクラスの担

  任だったっけか!?」

 そう言ってルーアンの方を睨む――

ル「(ニヤソ)」

太「……――うー…そういやそうだった…気もする」

 

翔「ヲィヲィ…」

 

 

<4時間目・体育>

 

 

 ――当然ながら、グラウンドに集まった生徒達はノーマルな体操着である。

 

太「ん!? そういや3時間目って音楽じゃ無かったか!?」

 

呼「ヤだなぁ太助君。3時間目が音楽ってのは昨日の時間割じゃない」

太「そ、そうか…」

 

汝「みっなさ〜ん☆ 今日の体育は剣道よ〜っ!!」

翔「グラウンドの意味ねぇ!?」

 

汝「冗談冗談、普通にプロ野球よ」

太「プロは余計だプロは!」

汝「高校野球でも良いわ」

太「俺ら中学生だっての」

汝「それじゃ、私はお使いがあるから、皆は自習ねっ!(そしてマッハで校門に

  走ってゆく)」

 

 

 

 ………。

 …………。

 ……………。

 ………………。

 …………………。

 ……………………。

 

 

 

太「…確かに、ルーアンは以前から先生だったかな」

 ベンチでボケーっとしながら(←サボリ)、太助はそう呟いた。グラウンドでは

2−1の生徒達が二手に分かれて野球の真っ最中だ。現在13−1、コールド状態

である。

 

「ファールっ!」

 

翔「――七梨…ホントにそう思ってるのか?(もぐもぐ)」

太「おぅ。キミを『サボリ魔君2号』に任命しよう」

翔「辞退(もぐもぐ)」

 

「ストラーイクツー!」

 

太「うぐぅ…――って、さっきの言葉…どういう意味だ」

翔「アイツ(ルーアンの事)、妙な術で学校の奴らに暗示掛けてるぞ(もぐもぐ)」

太「な…マジか!?」

 

「ストライク! バッターアウト〜!」

 

翔「……目線合わせちまうと掛かっちまうんだろうな――『ルーアンは2−1の先

  生だ』〜とかって。…七梨もさっきセンセと目、合わせたら、何となく納得し

  ちまっただろ?(もぐもぐ)」

 

「おー次は女子か」

「誰だ? 知らん奴だけど」

 

太「おお! そういえば確かに! ――よく判ったのな、山野辺」

翔「…ん、まぁアタシんトコはそういうのに強いからさ。あの程度の暗示なら効か

  ねーよ(もぐもぐ)」

太「………『壊』にしちゃぁマジメなセリフが続くな…と思ってたが――食い

  ながら喋るのやめれ

翔「美味いぞ。一個食うか」

太「………」

 

“カァンッ!!”(←金属バットの音)

「おーっ! 凄い! ホームランじゃねーか!」

「にしても誰だ? あの赤毛のコ…」

「結構可愛いよな。無口だけど」

 

太「!!??

 女子男子入り混じった歓声の中、その赤毛の少女がダイヤモンドを一周し、ホー

ムベースに帰ってくる――

太「何やっとんじゃおのれはぁぁぁっ!!!

 耳を劈く絶叫にようやく気付いたか、チームメンバー達とタッチをしていた少

女――キリュウはこちらに振り向き、再び(どこから取り出したのか)スケッチブッ

クに何か書いて、こちらに向ける。

 

『……』

 

 

翔「…ちっちゃくて読めないぞキリュウ」

 ベンチからホームベースまで50メートル。ただでさえ遠いのに、あえて小さい

フォントで書いてある。嫌がらせかキリュウ。

太「ンなモン判かっとるぁ!! 俺が訊いて

 るのは何でここに来てるのかって事だっ!!

翔「読めんのっ!?」

 (ちなみに、さっきは『野球なの』と書いてあったらしい)

 

 キリュウは、次のページをめくり、急いで書き、見せる。

 

『…………………』

 

太「…だったら何でココ(学校)くるかなー…――まぁ正解だったんだけど」

 

(ちなみに、『シャオ姉が「お使いサボってないか偵察して来い」って言ったか

 らなの』と書いてあったらしい)

 

 ………。

 …………。

 ……………。

 ………………。

 …………………。

 ……………………。

 

<そんなこんなで昼休み>

 

 屋上で購買で買った“みそパン(200円)”を食べながら、目の前のキリュウ

を見遣り、

太「判った」

キ「?」

太「キリュウだけならめっちゃ平和じゃん俺のスクールライフ!

 

“ザッパァァァァン!!”

(↑某映画のオープニングの様な波のSE)



 

キ「………」

太「って事で、ほれ。カレーパンやるぞ。ついでに●ンケル皇帝液(←何故か紙パッ

  ク)もな」

キ「………」(手渡された2つをまじまじと眺める)

太「遠慮せんでいいぞ。今俺はモーレツに和んでいる」

 

『…。』

太「沈黙は書かんでいい」

 

 …カレーが付くからだろうか。恐る恐る袋に包まれた楕円形のパンを眺めている。

太「大丈夫だ。メロンパンみたいなモノで、味はしねーよ。――まぁ、それを飯に

  掛けたチャレンジャーな先人達もいたがな」

キ「………」

 

 そう言われ、キリュウはいそいそと袋を破り、パンにかぶり付く。

 

『甘口』

太「ああ、良かったな」

 のへーっとした顔で言うと、キリュウは頷いて、もう1口食べる。

 

 そして太助は自分のパンを全部食い終え、のんびりと屋上に寝転び目を閉じ――

 

 

翔「随分平和だな七梨」

 

 突如目の前にこちらを見下ろす翔子の姿――何時の間にか屋上に上ってきてたら

しい。

 

太「よぉ。…俺も一瞬『壊・月天』だってのを忘れ掛けたぜ。――…しっかし…」

 

 

 ――このアングル――こちらは寝転んでいる。…そして見下ろす翔子――つまり

彼女は立っている訳で――

太「薄い

翔「―――」

 

“メリッ”(←踏み付け音)

 

太「へぶぁっ!!鼻が鼻がっ!!(HP:670→490)

 

 上履きとはいえ、かかとでグリグリやられてるのでかなり痛い――

 

翔「何言ったかな〜そして何見ちゃったかな〜七梨クン☆」

 

太「はぐぅぅぅううぅっっ!! 悪かった謝るぅぅ!(HP:490→360)

 

 

翔「…はぁっ――ったく、油断なんねーなこの助平は――…家でもシャオ達の…胸

  を――……(海の事(壊・3話参照)を思い出す)……」

 

太「って、アレは奴の戯言だぞっ!! つーかホントに実行したら命無いし!!(必

  死)」

 

翔「………」

 

 ――何か妙にムカついたので、もう一度だけ踏みつけた。

 

 

 

翔「ん、キリュウはカレーパン食ってるのか」

 

 翔子は手に抱える位の茶色い紙袋を抱えている。恐らく購買で買った昼ご飯だろ

う。

キ(←頷き)

 

翔「……飲み物が渋いな」

キ「(ふいに思い出し、ストローを刺して、ユ●ケルを飲む)――………」

 

 数秒の間――その後、涙目になって――パンとパックを置いて、急いでスケッチ

ブックを手に取り、文字を書き――

 

『辛いの』

 

太「ああそりゃー結構キくからな。伊達にタモさんが宣伝してない」

翔「理由になってねーぞそれ」

太「まー気にすんな。1リットルくらい飲めば慣れる。そーすりゃ美味く感じる」

翔「…その前に脳の血管が破裂するぞ」

 

 

 

太「――所でその袋は何だ? 昼飯?」

翔「ああ、そうだよ。――少し食うか?」

 

 そう言ってゴソゴソと紙袋からソレを1つ取り出した。

 

太「いいのか?」

翔「ああ、さっきの土産のお返しだ。――ほれ」

 

太「アリガトな――…しかし好きだな。たいやき

翔「美味しいからな――キリュウも食うか?」

『食べるの』

 

太(しかし何でウチの購買にはたいやきがあるんだ?)

 ――それは話の都合上である。

 

 

 ――何とかキリュウはユン●ルを飲み干し、翔子もたいやきを5匹程食べ、残り

の昼休みをのんびりと過ごしていた。

 

 

太「午後…サボリてぇ」

 

翔「…朝の『マジメ一筋』はどうした? ああン?」

太「うぐ…――午後は昼寝するのがマジメなんだよ。…ほれ」

 そう言って横を指差すと、何時の間にかキリュウは熟睡モードになっていた。

翔「何時の間に…」

 

太「――ってワケで、おやすみなさ〜い」

翔「こらこらこら。朝遅刻して午後サボリって殆ど欠席だろが」

太「良いっ。無理に生理的欲求を堪えるのは身体に悪い」

翔「……お前なー…」(言いつつも苦笑)

太「へっ…」(つられて苦笑)

 

 

 ………何からしくない雰囲気である。

 

 

翔「――そういや…ルーアンセンセ帰ってこなかったな」

太「さっきキリュウが『お使い』とか言ってた(正確には『書いてた』)からな…

  マジで買い物行ってんじゃないか?」

翔「………全っ然想像出来ないんだけど。ソレ」

太「って言うか俺は犯罪に手ぇ染めないかが心配なんだが」

 

 

 

 ――ってな感じで5時間目――……自習。

 

翔「先生がボイコットか」

太「なーにやってんだか…」

 

 まぁ、年頃の中学生が監視者がいないで黙って自習する筈も無く、――ペチャク

チャ話す奴、遅い弁当食べてる奴、店屋物出前取る奴、トランプやる奴、ウノやる

奴(無論、賭博事)、

太「ちゃんこ鍋つつく奴」

翔「いるかンな奴!!

 

太「んー…良いぞ山野辺、乙女な突っ込みサンキュー」

翔「…いい加減そのネタ止めろよな…」

 

 ――面白いからもっとやる。(マジ)

 

 

“ベギャァァッ!!!”(←ドア蹴破る音)

 

汝「オィーッス!!

 

“ガラガラガッシャァ!!!”

(↑生徒全員が椅子からずっこける音)

 

 ――もう片方の後ろのドアを回し蹴りで吹き飛ばし入ってきたのは――妙に唇を

赤くしたルーアン先生だった。

 

翔「痛…ぅ。 ――…後ろのドアもぶっ壊しやがって…」

 

 ちなみに前のドアを破壊したのは勿論太助君である。

 

呼「あの、先生――どこ行ってたんですかー?」

汝「んー☆(にやそ) ちょっちお昼ご飯食べに行って、お買い物してたの」

太「…かかり過ぎ――って…」

 

 ――突如窓の外から接近する黒い影――

 

“ガッシャァァァァッン!!!”

(↑ガラスの割れる音)

 

太「にょめれっち!!」(黒い影に体当たりされ、廊下側に吹っ飛ぶ)

 

 

 

シャ「いい加減にしなさい!!(←関西風アクセント)」

翔「それはお前だバカタレっ!! ってか顔面ガラス刺さってるって!」

 

 頭から突っ込んできたのか、シャオの額やら頬にはかなり大きめのガラスがブッ

スリと突き刺さっている。

 

 

 

 ……。

 ………。

 …………。

 ……………。

 

 

翔「…精霊ってのは器物は損せずに登場出来んのか…?」

(…話的に無理です)

 

汝「シャオ…アンタ何しに来た訳…?(ちょっと呆れ気味)」

シャ「ルーアン姉様がちゃんとお使い行ったか確かめる為ですっ!」

汝「本音は?」

シャ「出番無いから

 

 ――ああ、やっぱしという風に頷く教室の全員…。

 

汝「あ、思い出した――アンタ…お使い用にサイフ渡してくれたけど――」

 そう言って彼女は渋い色合いのがま口の財布を取り出し、カパ、と口を開ける。

シャ「? 沢山あった筈ですけど…」

汝「ええ…確かに沢山あったわ。だけどね…――あン中のお金全

 部ゲーム用のメダルじゃないのっ!!!

 

シャ「ええっ!? あれって1枚10円に換金出来るんじゃ…」

翔「1部の場所では可能だが…何で知ってる

汝「もし仮に換金できても全然足らないわよ

 100枚あっても千円…ちょっと足らない。せいぜい味噌の辺りまでである。

 

『でもちゃんと買ってきてるの』

翔「ああ…前に米とかいろいろあるな」

 確かに、教卓の横には何時の間にかルーアンが持ち込んだスーパーの袋が3つ4

つ、そして米袋が置いてある。

 

シャ「まさか窃盗!?」

翔「お前にそれ言う資格ないぞ」

太「…お前もな…」(HP:360→180)

 

 

シャ「ってな訳で、お覚悟を!」

汝「待ちなさい待ちなさいっ!! どういう訳よぉっ!?」

シャ「話のオチです!」

汝「ナメた事をっ! 月の効果の薄い昼間じゃ満足には戦えないでしょうが!」

 

太「? どういう意味だ?」

 疑問を口にすると、何時の間にか横にいたキリュウがスケッチブックを見せる。

…既に説明を書いていたらしい。

『守護月天は月の出ている夜ほど力が強まって、満月だと不死身なの』

太「…マジっスか?」

『逆に昼間だとその力は激減するの』

太「…ヲィ――つまり今までのアイツの力はほんの一部だってのかよ…」

『慶幸日天はその逆で、太陽が真上に在れば在る程強まるの』

太「へぇ…なら、今はルーアンの方が有利なのか」

『4対6くらいなの』

太「………」

 …シャオリンめちゃめちゃ強いやん。

 

 

 

 

 

シャ「そういう事で――来々!北斗七星

“ぺかぺかん!”

 

 

太「効果音違ぇっ!! しかも何時の間にか校庭に出てるし!?」

 っていうかあのまま教室で戦ったら無事で済む事は100%無いであろう。

呼「お約束ってヤツだね」

翔「にしても…今回は珍しく本筋通りだな…」

太(いや、全然違うと思うぞ?)

 

 償還された7つの光球――シャオの掲げる腕の周りにそれらは現れ――

シャ「北斗七星――憑依合体!

 

太「やっぱしかぁぁっ!!」

 7つの光球はシャオの胸に吸い込まれ、彼女の躯が光に包まれる――…

 

 そして光が消え、現れたのは――コスチュームはそのままだが、まるでアマラを

取り込んだ様な目つきのシャオ――

 

太「………あぁっ! お見せできないのがまことに残念ですっ!!」

翔「つーか見せない方がいいような顔だろ…あのシャオは…差し詰めスーパーシャ

オリンってトコか?」

 

 

汝「…いきなりそんな物騒な術使うワケっ!? 近所の皆さんへの配慮とか考えな

  いさいよっ!!」

シャ「蛆虫共が何匹死のうが知った事かぁっ!!

 

 

太「ああっ喋り方まで!?」

翔「これじゃ作者がシャオ嫌いだと思われるな…」

太「ちなみに作者はシャオ好きだからな」

 

 ――ここで北斗七星について説明しておこう。何しろ原作ともド●えもんとも既

に関係の無いバトルモノになってしまったからだ(…最悪である)。

『シャオ姉様の北斗七星・憑依合体モードは、通常の5倍の強さになるの。

 それで、貧狼・巨門・禄存・文曲・簾貞・武曲・破軍と順に7つの技が使え

 るの』

 ――1つの威力は、大体魔貫●殺砲くらいの威力だが、満月の夜の時はビックバ

ン●タック並の威力になるのだ。

太「判り難い問えだな…」

 

 

 

 対するルーアンはスーツを脱ぎ捨てると、何故か下にはいつもの精霊の服装を着

ていたりする。

ル「これが私のバトルコスチュームよっ!」

 

 同時に露出度が高い為か窓から覗いている男子生徒達が歓声を上げたりするが、

逆にそれがシャオの神経を逆撫でしたか――

 

シャ「●滅のぉォッ!!

 

ル「世の為人の為、悪の野望を――…って、いきなり攻撃っ!!?」

 

シャ「――ファーストブリットォゥ!!!(←貧狼)」

 

 シャオは地を蹴り、飛翔――超エネルギーを練り込んだ右拳を勢いに任せ、目標

に振り降ろす――ターゲットは1点――キメ台詞の途中のルーアンの顔面――回避

行動を取るが、遅い。今更避けようとしたところで、直撃は免れまい――

“ギャァウガッ!!!”

 

 ――爆音と共に――

 

 ――西側の校舎の1部と、民家十軒が消滅――残骸が空高く舞い、ガラガラと耳

障りな音を立て、木片、鉄骨、瓦礫がコンクリートの大地に叩き付けられ、砕ける。

 

 

ル「…チィ…っ! 昼間でこの力…冗談じゃ無いわよ…っ」

 

 

シャ「爆発的な運動性…――気に入ったぞ。慶幸日天」

 

ル「いや、喋り方とか以前に『壊・月天』じゃなくなってるしこの展開

 

シャ「聞く耳持たぬわ――●燈流仙術究極奥

 義!!! 営鎮●一砲!!!

 

 

 

 

 

 

翔「ん…? あれ?」

太「――…いきなり静まったが…どういう事だ」

キ「このままだとスパロボ気味なバトルSSになってしまうから、もうここで打ち

  切るらしい」

太「……久々に喋ったなキリュウ」

キ「うむ。…やはり喋れるというのはありがたい事だな」

翔「しっかし今回もワケ判らんネタが適当にパクってたな――普通の月天知ってる

  奴が見たらサッパリだぞ」

太「んー…まぁ、読んでる人達が聞いてきたら、元ネタ辞典みたいなので1本書け

  ば良いんだから、いーだろきっと」

翔「ダメダメだこの作者…」

 

 

 

 

 ――その後、太助が某カレー屋の店内に『大食いチャンピォン』として 『賞金・

3万円』を掲げてピースサインをするルーアンの写真がでかでかと貼られてるのを

発見するのは、これから数日後の事である。

 

 

 

 

 

 

 ……ああ無理矢理なオチ。

 

 

〜つづく〜

(もはや壊月天っていうより単なる『アナザーストリー』に…(嘆)


ハルカの勝手コメント

 レイさん作、『まもって守護月天〜22Century〜』第7話をお届けしました♪

 なんつーか執筆速度が凄いですね、驚きを通り越して憧れます。

 さて、今回は内容盛りだくさん…ってか濃いですね。ハッキリ言ってネタがもうレッドゾーンに!(笑)

 何気にラブコメ色も見え隠れしてきて(?)更にこれからの展開が楽しみになってきました。

 個人的には紀柳さんに悶えつつ………次回へ続きます!

 

 次へ

 

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