断点-3 12
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ピンク色のひらひらした飾りのついた妙に可愛らしい、無意味に広いベッドの上に一人で転がって、
ヒカルは天井を見詰める。
ラブホテルって、ヘンな所だよな。鏡張りの天井とか、ぐるぐる動くベッドとか、聞いた事はあるけど、
ここはそーゆーんじゃないっぽいな。やっぱ女の子狙いでこんなに可愛くしてんのかな。でも女の子
はこーゆーのもロマンチックで好きなのかもしんないけど、こーんなピンクのフリフリなんか、男として
は萎えそうだよな。それともヤれるんならそんなのどうでもイイのかな。
……まさかこんな形でこんなとこに来るとは思わなかったな。
信じらんねーよ。
まさかさ、塔矢と、こーんなブリブリのラブホテルなんかに来るなんてさ。
しかもオレがヤられる側だなんてさ。
ハハ、笑っちゃうよな。
オレ、何やってるんだろう。こんな所で。
――― キミさえいなけりゃ
声、震えてたような気がする。
どういうことなんだ?塔矢。
なんで…なんでおまえがそんな泣きそうな目をするんだよ、塔矢。
泣きたいのはこっちのはずなのに。
ずるいよ、塔矢。
そんな顔されたら、おまえの事、嫌いになれないじゃないか。憎めないじゃないか。
オレ、バカじゃないか。
どうかしてる。
こんなとこで、何してるんだ。
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