若手棋士による塔矢アキラ研究会 19 - 22


(19)
「やめて…!おねが…っ…や…」
すぐに言葉は自分自身の吐息に飲み込まれていく。再び動き出した首筋や乳首、そして
脇から横腹、先端部分以外の局部に這い回る生き物のような男達の舌と指先があった。
まるで無数の触手に捕らえられたような感覚にアキラは襲われていた。
「うう…ん!!ハア…ッ、んくうっ」
嫌でも高められていく体温の中でアキラはそれでも必死に声を飲み込んでいた。
ただ一人、右足を押さえ、先刻フライングをしかけた者ではない方の男だけが
何もしていなかった。眼鏡をかけ、気弱そうなその彼は遠く離れてアキラの
右足首を押さえ、若干呼吸は荒くしてはいるが、血の気を失った顔をしていた。
アキラは縋るような思いで彼の目を見つめた。向こうもアキラの目線に気付いた。
(オ、ネ、ガ、イ…)
アキラは唇を動かした。最後の砦にしがみつこうとするように。
(タ、ス、ケ、テ…)
彼だけが、まだ正常な思考を残しているとアキラは思った。そう願った。
眼鏡の男はアキラの視線を受けてカタカタ震えだした。
「おい、ワキ、」
ふいに長髪の男がその眼鏡の男の呼び名らしき名を呼び、弾かれたように
眼鏡の男が顔をあげた。
「チャンスだろ、ワキ。念願叶って片思いの相手を好きにできるんだ。
遠慮しないで思う存分味わえよ。」


(20)
「そうだな、ワキは塔矢くんの記事や隠し撮りの写真、大事に手帳にストック
しているもんなあ。」
「棋院で塔矢くんが使った後の座ぶとんの匂い嗅いだこともあったよなあ。」
そう言って他の男達もクスクス笑った。眼鏡の男は顔を真っ赤にした。
アキラは、絶望という現実に気を失いそうになった。
男達が眼鏡の男に行為を促した。眼鏡の男は震えながらも顔をアキラの股間に
近付けていった。呼吸が洗い中で舌を出し、最初遠慮がちにマシュマロのように柔らかい
袋の部分に触れさせた。失意の底で空ろな表情になったアキラの顎がピクリと
仰け反った。眼鏡の男は唇で摘むように袋の下の部分から上の部分、そして
すっかり固く張り上がった陰茎の根元へと少しづつ唇を動かす。
最も敏感な部分に始まった攻撃にアキラは身を強張らせた。
他の男達も手を休めて息を潜めてそれを見守っていた。
「ん…、ん…」
ためらうような触れ方が感度が増したアキラの局部に更に刺激を与えてアキラに
くぐもった呻き声と腹部との間に糸を引く程の蜜を滴らせさせた。
「ごめんよ…塔矢くん、ごめん…」
しばらく眼鏡の男は
そうやって戸惑うような愛撫をしていたが、唇が先端に触れて雫に濡れ、その
匂いを嗅ぐと、たまりかねたようにアキラ自身をすっぽりと口の中に収め、
狂ったようにしゃぶり始めた。
「はああっ!!」


(21)
アキラが体を跳ね上がらせるのを予測していたように男達は押さえ込み、
眼鏡の男の与えるものを存分にアキラに行き渡らせた。
男達も、再び舌と指を使い始めた。
「かはああっ!!うああっ!!」
局部を避けられていた今までの感触とは桁違いの刺激にアキラは狂ったように
身を踊らせ、絞り上げるような呻き声をあげた。
「だ…だめ…エ…」
限界はすぐそこに来ていた。身を内側から溶かすような熱いものがすぐ
出口のそばにまで来ている。だが、男の口の中にそれを放つと言う事を
“自尊心”という壁でせき止めていた。
絶対嫌だ、その一心だけでアキラはギリギリのところで踏み止まり続ける。
唇を噛み締め、全身から汗を滲み出させて耐える。
「や…あ、ハア…」
だが、眼鏡の男が先端部分を集中的に強く吸い始め、連鎖反応のように
他の男達も舌や指の動きを強め、早めると、荒波似漂う木の葉は、
一気に沈められていった。電流のようなものが駆け抜けた。
「うう…んーっ…」
頬を涙が伝わった。目の裏側が一瞬真っ白に弾けたような気がした。
魂がごっそりと抜けるように、体の中から熱いモノが外へと飛び出していった。
長髪の男だけが何かを観察するようにその様子を冷ややかに見ていた。


(22)
眼鏡の男の左肩に持ち上げられた白いアキラの右足が、ピクン、ピクンと震えていた。
余韻が続く間眼鏡の男はアキラのモノを口から離そうとせず、一滴も残さず
吸い取ろうとして音を立ててしゃぶり続ける。
「イッたみたいだな…」
「オ、オレ、めちゃめちゃ興奮してきた…」
男達がうっすらと全身を紅色に染めて汗に皮膚を濡らしながら喘ぐアキラを
見下ろす。眼鏡の男のズボンの股間には染みが広がっていた。
アキラの体液を受け取った瞬間に自分も限界に到達したらしかった。
「…ふっ…んっ…、」
時折揺り返しに体をビクリと震わせる毎にアキラの口から声が漏れた。
長髪の男がアキラの手首を離した。両脇の男達がすかさずそのアキラの手首を
取って床に押さえ付け直す。アキラは放心したようにさせるがままになったいた。
長髪の男は碁盤に寄ると黒石を一つ手に取って碁盤の端に置いた。
そして戻って来ると眼鏡の男の襟首を掴んでアキラから離した。
「しつこくするんじゃねえよ。足押さえてろ。」
長髪の男は再びアキラの両足の間に腰をおろした。
精を放ったばかりにもかかわらず、アキラのペニスはまだ余力を残しているかの
ように大きさを維持していた。
「若いんだねえ、塔矢くん。」
長髪の男は軽くアキラのペニスを優しく撫でると小指を嘗め、アキラの股間の奥の方へと
差し入れた。



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