若手棋士による塔矢アキラ研究会 46 - 50


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すでに何かを予感していたのかもしれない。進藤とのこの一局が、自分の人生を、
自分の中の何かを大きく作り替えてしまうかもしれないと。
そして実際に自分はそれを体感した。蛹がその殻の中で細胞をどろどろに溶かして
変容させ幼虫から蝶に成り変わるように、それまでの自分の感性を、進藤とのあの
一局が完全に変質させた。
石を置く度に予感は確信になり、それと同時に今までそうなる現象の意味も名前も
分からないまま下半身の奥で何かが高まっていった。
時間をかけて細心の注意をはらい積み重ねてきたトランプの城を一気に崩そうと
している。進藤に掴まれてもがく自分の手で。
『…ありません…』
自分がその言葉を吐くことになった瞬間にそれはピークに達した。何かが大きくうねって
弾けた。椅子を掴んで声が漏れるのと体が崩れ倒れるのを留めるのが精一杯だった。

性器に触れられる事で得られる快感とは限り無く似てはいるが非なるものだ。
今、自分に与えられているものは肉体的な快感に過ぎない。体を溶かされるような
快楽ではあってもあの時のような、脳が溶けるような感覚には程遠い。
思考が溶けて自分と自分じゃないものを区別する意識がなくなり光に包まれるような
あの一瞬。肉体的な快感は後からそれについてくるおまけのようなものだ。

それだけに、中学の囲碁の大会で進藤と三度目の対局の時の失望感は凄まじかった。


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受け手としてこちらも精進し前回を超える衝撃が自分の身に起こるのではないかと
期待が大きかっただけに、そして始めの数手は充分それを感じさせるものだっただけに、
急速に体内で萎え萎まれたような進藤の豹変に怒りが収まらなかった。
もう2度とあの感覚を得られないのかと諦めかけ、体からその記憶をようやく拭い去ろうと
していた時、ネットでsaiと出会った。そして対局した時同じ事が起こった。
だから確信したのだ。saiは進藤だと。そういうものを感じさせてくれる相手が
そう何人も居るはずがない。体の奥深くがそう叫んだのだ。進藤以外、いないと。
進藤以外の者が、自分に、何が与えられるというのだろう。

フッと、自然に笑みがこぼれた。こちらが適度に喘ぎ声と体液さえ吐き出せば喜ぶクズ共と
進藤がどう並びようがある。おかしくてしょうがなかった。
「…この程度で…ボクを喜ばせているつもり…?」
長髪の男の顔色が一瞬白くなり、赤らむ。男達全員がその言葉を聞き動揺が走った。
「…ワキ、動け。」
「えっ…でも…そんな事をしたら」
長髪の男の指示に眼鏡の男はうろたえた。
「いいから動け。」
眼鏡の男が掴んでいたアキラの両手首を長髪の男とフェラの男がかわって押さえて
眼鏡の男はアキラの腰を少し持ち上げるようにして、腰を動かし始めた。
「はっ…うっ…!」


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限界まで内壁を押し広げていたものが出口近くまで抜け出て、再び押し入ってくる
圧迫感にアキラは呻いた。
フライングの男と眼鏡の男は互いに頷きあうとアキラの両足をさらに広げさせて眼鏡の男が
より深く入り込めるようにし、それぞれに交互にアキラのペニスを頬張り吸いたてた。
フェラの男も脇から乳首にかけて弱いと思われる箇所を狙って舌を動かした。
「ふっ…うっ、くうー…っ!ハアッ!…あっ…!」
ズブッズブッと嫌でも響く肉が擦れ合う音に興奮するように男達の愛撫は激しくなり
アキラを襲った。6個目、7個目の黒石が盤上に置かれるまでにそう時間は
かからなかった。それでも行為はかわらない激しさで続行された。
「素直になるんだな、塔矢くん。君の体は十分喜んでいるように見えるけど…?」
息も絶え絶えにぐったりと顔を横に倒しているアキラの顎を捉えて長髪の男は
話し掛けた。返事をする代わりに、アキラはニヤリと笑んで見せた。
そのあまりの妖艶さに長髪の男はゾッとした。
次の瞬間眼鏡の男が叫び声を上げた。
「はああっ、も、もうダメだ、出るッ」
アキラの下でビクンビクンと体を激しく震わせたかと思うと、更に声を上げた。
「ヒ、ヒイッ!!は、離してくれエエエ!!」
男達は何が起こっているのか分からず、息を飲んでまだ体が深く繋がりあっている
眼鏡の男とアキラを見下ろした。
「あ…あっ!また…イッちまう…!うわああっ!!」


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眼鏡の男が痙攣するように体を震わせる。哀願するように声を震わせる。
「た、頼む…、ゆるし…て…」
泡を吹いてそのまま眼鏡の男は気を失ってしまった。
アキラがゆっくりと体を起こす。その股間の奥には未だ眼鏡の男の巨大なままの
モノを銜えこんだままで、その根元がドクンドクンと脈打っている。
4人の男達が呆然と見つめる中でアキラは床に後ろ手をつき、腰を持ち上げた。
「ん、…んんー、…」
ズルリと精を放ちきって萎えたモノが抜けた。アキラは足を大きく開いたまま
失神している眼鏡の男の体の上から脇に移動し、閉じきらないで赤く光る内部を
男達に見せつけるようにして指を添えて開き、笑んだ。
「…まだ相手してあげられるよ…。次は…?」
そう言って赤い舌で上唇をツーッと舐める。男達はヘビに睨まれたカエルのように動けなかった。
それほどに誘うアキラの声も目付きもこの世の者とは思えないほど妖しかった。
「…もう一度、口でしてあげようか。」
男達からの返事がないと、アキラは一番近くに居たフェラの男に近付いてズボンの股間に顔を
寄せた。手を伸ばしてジッパーを下げ張り詰めたものを引き出す。
フェラの男は何かに魅入られてしまったかのように固まっていたが、甘い吐息を吹きかけながら
アキラの唇がそこに接近し再度軽く触れたとたん「ウウッ」と呻いた。
白い飛沫がアキラの顔にかかった。アキラは一瞬目を見開きそれを手と舌で拭いとった。
「…なんだ、もうイッちゃったんだ…たいしたことないんだね…」
ズシッとアキラのその言葉はフェラ男の胸に突き刺さった。


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アキラはくるりと振り返って今度はフライングの男と前歯の男に向かった。
アキラの視線は2人の股間に注がれていたが、ちらりと眼鏡の男のモノを見た。
失神していてもなお、剥き出しになったままのそこは並々ならぬ大きさを維持したまま
だらしなく横たわっていた。それと比べるように、もう一度2人の方を向くと
可憐な唇の両端を上げてアキラは無邪気さなほどにクスッと笑った。
雷を受けたようにズンッとショックを受け2人の男達の顔から血の気が引いて行き
フライングの男は涙ぐんでさえいた。
アキラは残る1人、長髪の男の方を見た。
「…あなたは…どうするの?…まだボクを抱きたい…?」
四つん這いで、しなやかな猫のようにアキラは長髪の男に近寄って行った。
黒髪の間から黒く光る瞳で真直ぐに見つめながら一歩一歩手足を進める。
長髪の男は息を飲むようにしばらく無言で見つめていたがアキラが目前に迫ると背後に
手を伸ばし、そこにあったバスタオルを掴んでアキラの体をくるみ抱き締めた。
「…すまなかった、塔矢くん…。」
抱き締めながら何度も頭を下げ謝り続けた。アキラは無表情で聞いていた。
眼鏡の男以外の、他の3人の男達も首をうなだれていた。
その時アキラの唇はしきりと動き、小さく何かを呟いていた。

男達によって体を拭かれて髪を整えられ、衣服を着せられている間アキラは
押し黙ったままだった。



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