若手棋士による塔矢アキラ研究会 31 - 34


(31)
「…うっ!」
本格的に動き始めて間もなく、アキラの背後で男が唸った。他の男達は「ウソだろ?」と
互いに顔を見合わせたが言葉には出さなかった。フライング男は周囲のそんな同情的な
視線には気付かず、すっかり満足気にアキラの腰を掴んで余韻を味わっていた。
「あ…あ、オレ…もう死んでもいい…」
体内を占めていたモノの圧力が急速に失われていってアキラは幾分ホッとした。
だがそれもつかの間で、長髪の男は次に背中でアキラの手首を押さえていた男に
指示を出した。
「へ!?オレ!?」
早々と順番が回って来た事に幾分不満気味ではあったが、先番の男が抜け出て、
クリームにしっとりと濡れたピンク色も鮮やかに開閉する小門が目に入ると
引き込まれるように慌ててゴムを装着する。
前歯が目立つその男は何かと人の話に茶々を入れていたが、緊張すると口数が多くなる
タイプらしい。だがさすがにその瞬間は息を飲んでしばらく自分の先端と入り口の
大きさを神妙に見比べていた。
「オ、オレ、後ろって初めてだよ…、大丈夫かなあ…」
「見栄はっていないでとっととヤレよ」
「せ、せかすなよ」
確実にさっきより広い面積のモノが押し充てられるのを感じて、アキラは歯を食いしばった。
ギチッっと肉体が軋むような感覚があった。


(32)
「くっ…」
アキラが体を仰け反るように動かそうとした。前歯の男からアキラの両手を代わって
押さえる事になったフェラ男がアキラの耳に顔を寄せて小さく囁いた。
「…大丈夫…あいつもじきに済む。」
例えそうであったとしても、受け入れる苦しさは変わらない。
少しでも痛みが少ない方へとアキラが動き、男の方も腰を抱え込んだため、床に伏せていた
状態からほぼ四つん這いとなる恰好になっていた。
そんなアキラの細いウェストにしがみつくようにして前歯の男も入ってすぐに
腰を激しく動かし始めた。
「お、お、お、お、イ、イイ…!!」
激しく突き動かされ関節が痛む。まるでけだものだ、とアキラは思い、すぐに
自分の今の姿も同じようなものだと思った。自分はもうすでに彼等の手によって
3度も到達し精を吐き出してしまっている。

風呂に入って局部を洗う時、そのまま自分の手で強く握りこむ事はあった。
以前はごくたまにであったその行為を最近は頻繁にしてしまうようになっていた。
進藤ヒカルと、キスをするようになってから。
風呂の中で、夜寝る前の布団の中で、ヒカルが自分の名を呼ぶ声が頭の中に響く。
柔らかな唇が動き、石を持つ彼の手がいつの間にか自分のすぐ側に来ていて、その手が
自分の下腹部に触れて来る。そんな妄想に捕われる事があった。


(33)
これが罰だとしたら、そんな妄想を重ねた事に対してだと、アキラは思った。
そして愚かしい程に素直に、ヒカルの事を思い浮かべただけで自分の局部が
反応を始めている。
「で、で、出る!!」
前歯の男の声でハッと我に返った。2〜3回激しく腰を打ち付けた後、男は
ゆっくりと自分のモノを引き抜いた。肩で息をし、夢心地にうっとりと
視線をアキラの背中に這わせている。
「た、たまんねえ…!オ、オレ、もう…!」
前歯の男はアキラの背中に抱きつくと皮膚に歯を立てた。
「あっ!…」
突然のことにアキラが驚いて声をあげた。長髪の男がすぐに前歯の男の髪を掴み、
その男から引き剥がして守るようにフェラの男がアキラの体を抱きすくめた。
「余分な傷はつけないって約束だったはずだ。守れないなら今すぐにでも
出ていってもらうぞ。」
「わ、悪かったよ、つい…」
5人の中でそれなりに異性との経験を持ち、余裕があるのが長髪の男とこの
自分を抱きとめている男の2人だとアキラには分かって来ていた。
アキラは小さな声で目の前の男に懇願した。
「…もう…いいでしょ…う、…帰し…て」
「…申し訳ないけど、本当のお楽しみはこれからなんでね。」
そう言って目の前の男は、僅かに硬くなりかかったアキラのペニスをそっと撫でた。


(34)
今までの事が全てこれからの事の前準備でしかないような男の言葉に、怒りとも
怯えとも、本人にもどちらか分からない視線でアキラは男を見上げた。

「“順番”から言うと次はオレかお前のどちらかだけど、どうする?」
長髪の男の言葉に、目の前の男はアキラの視線を受けてしばらく考えて答えた。
「いや、オレはいい。…さっき既にイイ思いさせてもらったからな。」
そしてアキラの体を長髪の男の方に向け、背中から抱き締め髪の匂いを嗅ぐ。
「心配するなよ、悪いようにはしないから…さ。」
既に長髪の男は自分のモノにゴムを着けていた。体格に見合った、猛々しい
高ぶりっぷりにアキラは思わず顔を背け、目を閉じる。
自分本位な行為で早々と終了してしまった2人の男と眼鏡の男は少し離れて
アキラと、その背後と足下にいる2人の男を見ていた。
長髪の男がアキラの足首を持つと靴下をはいで足の甲に口づけた。
そのまま先へ運び、足の親指を口に含む。
「…い…や…っ!」
今までに味わった事のない奇妙な感覚にアキラは捕われた。
足の指を舐められているだけなのに、弱くはあったがまるで神経が繋がって
いるように、しびれるような甘い電気がももの内側を流れて付け根にまで届く。
長髪の男は両足首を掴んだその間で、左右の親指を交互に舐めた。
背後の男もアキラの耳を噛み、中に舌を這わす。



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