若手棋士による塔矢アキラ研究会 35 - 38


(35)
「はっ…あ…」
全身が敏感になっていた。それを配慮に入れて、二人の男は微妙な力加減で最後の
調律をアキラの体に施すようにあちこちに舌を這わす。小さくなった火種に
息を吹き込まれるように、アキラの体の奥から熱の源が赤々と燃え出し始めた。
「…クリームは必要ないくらいだね…、でも、少しだけ念のため…」
長髪の男の指が冷たいものを伴ってその部分に触れるてきた。ジュンッと、
その付近が熱く狭まった。クリームに多少のそういう成分があるのかもしれない。
熱い部分に熱いものが触れた。
それはお互いをゆっくり溶かしあう火の塊となってアキラの体内を進んでくる。
「うっ…ん…、」
強引なさっきまでの行為と打って変わって、内壁の感触を一歩一歩確かめながら
進んで来るその熱は、ようやくアキラの体にsexによる快楽という烙印を焼きつけ
つつあった。長髪の男の指先がアキラのペニスに触れて、先端を包み、揉む。
「くう…んっ」
「濡れてるよ、塔矢くん…すごく…」
まだあまり張り出してはいないカリの部分をなぞられ、先端をこねられると
たまらなく切なくなる。腸の中に異物を挿入されている状態で前を弄られると
感度が何倍にも増幅される事を思い知らされる。
両手首を床に押さえ付けていたフェラ男が上半身の上に身を乗り出して来て、
アキラの乳首を口に含んだ。悲鳴とともにアキラの胸部が跳ね上がる。


(36)
人数こそ少ないが体の奥深くを熱い肉芯で貫かれているだけでまるで違った。
体に触れる舌や指先の刺激は責め具のようにアキラの皮膚を焼き、アキラ自身の
熱をさらに深い場所からたぎらせる。
「ハア…あ…ん…」
甘い、ため息のような声が初めてアキラの口から漏れた。フェラの男と長髪の男が
ニッと笑い頷きあった。見学組の男達も自分の時とはまるで違うアキラの表情と
反応に息を飲み、自分が情けないといった表情になった。
一度繋がってしまった回路は一直線にアキラを高みへと登らせ突き上げていく。
長髪の男はゆっくりと腰を動かし、奥深い敏感な部分を己の硬く柔らかいもので
擦り回した。
「あ、あ…、ん…!」
今や痛みという刺がすっかりそぎ落とされて体を煮溶かすような快感だけが支配していた。
長髪の男の手の中でアキラのペニスがハッキリと存在を主張し始め、
ドクンドクンと、心臓のように強く脈打つ。
さらにフェラの男がアキラの体の上に四つん這いになるようにして顔をアキラの
下腹部に近付け、その熱源体を口に含んだ。
長髪の男はアキラの腰を浮かすように抱え上げ、痛みを与えない様気をつけながら
抽出の動きを次第に速めていった。
「あ、…あっ…あ…!!」
何度か味わった頂点を、さらに上回るような津波がアキラの体内をうねった。


(37)
厚いカーテンと壁によって外界から遮断された空間の中を男達の呼吸音と
切れ切れの悲鳴が漂う。
2人の男達の動きは一定のリズムを保ち、アキラを断崖の淵に追いやっていく。
「ハアッ…あ…っ」
首を左右に振り身をよじらせていたアキラの動きが止まった。
「…あーっ…!」
4度目の頂点が近付いていた。淵からもう一歩で谷へ身を踊らせようとした。
その時、長髪の男が腰の動きを止めた。フェラの男もアキラのモノを口から離した。
「…!?」
後押しを失ってアキラの感覚は断崖の淵から安全地帯まで少しばかり引き戻された。
止めていた呼気を吐いて、アキラの体はしばらく本能的にハアッハアッと胸を上下させて
激しかった脈を整えていた。
すると再びゆっくりと長髪の男が動きを始めた。フェラの男もそれを合図と了解
するようにアキラの根元の周辺から舌を這わしてきた。
「はあっ…!うああっ!」
間を置かれて再び始まった刺激に急速に崖の際へ追い立てられていく。
それは微妙に先刻までのものより底上げされたように感じた。
「んんっ!ふっう…っ!」
今度こそもうダメだ、落ちる、と観念し目を硬く閉じ、最後の一歩を進もうと
すると、再び男達の動きは止まった。


(38)
「い、いや…あっ…!」
彼等の思惑を悟ってアキラはほとんど半泣きの悲鳴をあげた。
体内の奥からエネルギーを外へ吹き出そうとアキラの腸内の奥が締まるのを察知して
長髪の男は刺激を加減し、ギリギリの位置でアキラを揺さぶるつもりなのだ。
一方的な刺激で一気に射精を強制されていた肉体が今度はそれが出来ないほうに
誘導される。若い性ではあってもさすがに数度吐き出した後では余韻だけで
自力で行き着く事は困難だった。
ほとんど爆発寸前でありながらその先を与えられないという責めによって更に
刺激に対する感度も加算されていく。
「…や…あ…あ…」
僅かに刺激を与えられては止められるというくり返しにアキラは耐えられず啜り泣く。
下半身がどろどろに溶けるような感覚の中心で体芯だけがちろちろと嬲られる。
背骨から脳まで快感が何度も駆け抜け出口を探して彷徨う。
全身の神経が達したいと要求しているのにその望みが叶えられない。
「…い…で…」
何度目かに男達の動きが止められた時、アキラは声を漏らした。
「…なんて言ったのかい?塔矢くん。」
アキラから口を離してフェラの男がアキラの顔に自分の顔を近付けて聞き返して来た。
全身を小さくカタカタ震わせ、ぐっと唇を噛んで出かけた言葉を飲み込んだ。
長髪の男が激しく動きだしアキラの中の感じ易い箇所を擦りあげた。



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