若手棋士による塔矢アキラ研究会 36 - 40


(36)
人数こそ少ないが体の奥深くを熱い肉芯で貫かれているだけでまるで違った。
体に触れる舌や指先の刺激は責め具のようにアキラの皮膚を焼き、アキラ自身の
熱をさらに深い場所からたぎらせる。
「ハア…あ…ん…」
甘い、ため息のような声が初めてアキラの口から漏れた。フェラの男と長髪の男が
ニッと笑い頷きあった。見学組の男達も自分の時とはまるで違うアキラの表情と
反応に息を飲み、自分が情けないといった表情になった。
一度繋がってしまった回路は一直線にアキラを高みへと登らせ突き上げていく。
長髪の男はゆっくりと腰を動かし、奥深い敏感な部分を己の硬く柔らかいもので
擦り回した。
「あ、あ…、ん…!」
今や痛みという刺がすっかりそぎ落とされて体を煮溶かすような快感だけが支配していた。
長髪の男の手の中でアキラのペニスがハッキリと存在を主張し始め、
ドクンドクンと、心臓のように強く脈打つ。
さらにフェラの男がアキラの体の上に四つん這いになるようにして顔をアキラの
下腹部に近付け、その熱源体を口に含んだ。
長髪の男はアキラの腰を浮かすように抱え上げ、痛みを与えない様気をつけながら
抽出の動きを次第に速めていった。
「あ、…あっ…あ…!!」
何度か味わった頂点を、さらに上回るような津波がアキラの体内をうねった。


(37)
厚いカーテンと壁によって外界から遮断された空間の中を男達の呼吸音と
切れ切れの悲鳴が漂う。
2人の男達の動きは一定のリズムを保ち、アキラを断崖の淵に追いやっていく。
「ハアッ…あ…っ」
首を左右に振り身をよじらせていたアキラの動きが止まった。
「…あーっ…!」
4度目の頂点が近付いていた。淵からもう一歩で谷へ身を踊らせようとした。
その時、長髪の男が腰の動きを止めた。フェラの男もアキラのモノを口から離した。
「…!?」
後押しを失ってアキラの感覚は断崖の淵から安全地帯まで少しばかり引き戻された。
止めていた呼気を吐いて、アキラの体はしばらく本能的にハアッハアッと胸を上下させて
激しかった脈を整えていた。
すると再びゆっくりと長髪の男が動きを始めた。フェラの男もそれを合図と了解
するようにアキラの根元の周辺から舌を這わしてきた。
「はあっ…!うああっ!」
間を置かれて再び始まった刺激に急速に崖の際へ追い立てられていく。
それは微妙に先刻までのものより底上げされたように感じた。
「んんっ!ふっう…っ!」
今度こそもうダメだ、落ちる、と観念し目を硬く閉じ、最後の一歩を進もうと
すると、再び男達の動きは止まった。


(38)
「い、いや…あっ…!」
彼等の思惑を悟ってアキラはほとんど半泣きの悲鳴をあげた。
体内の奥からエネルギーを外へ吹き出そうとアキラの腸内の奥が締まるのを察知して
長髪の男は刺激を加減し、ギリギリの位置でアキラを揺さぶるつもりなのだ。
一方的な刺激で一気に射精を強制されていた肉体が今度はそれが出来ないほうに
誘導される。若い性ではあってもさすがに数度吐き出した後では余韻だけで
自力で行き着く事は困難だった。
ほとんど爆発寸前でありながらその先を与えられないという責めによって更に
刺激に対する感度も加算されていく。
「…や…あ…あ…」
僅かに刺激を与えられては止められるというくり返しにアキラは耐えられず啜り泣く。
下半身がどろどろに溶けるような感覚の中心で体芯だけがちろちろと嬲られる。
背骨から脳まで快感が何度も駆け抜け出口を探して彷徨う。
全身の神経が達したいと要求しているのにその望みが叶えられない。
「…い…で…」
何度目かに男達の動きが止められた時、アキラは声を漏らした。
「…なんて言ったのかい?塔矢くん。」
アキラから口を離してフェラの男がアキラの顔に自分の顔を近付けて聞き返して来た。
全身を小さくカタカタ震わせ、ぐっと唇を噛んで出かけた言葉を飲み込んだ。
長髪の男が激しく動きだしアキラの中の感じ易い箇所を擦りあげた。


(39)
「く…はあっ!」
だがビクビクと体の奥が痙攣しだすとまたその動きは止められた。
「…や…めな…いで…っ!」
嗚咽とともにアキラは屈辱的なその言葉を吐き出していた。
「塔矢くんの方からそう言ってくれるのを待っていたんだよ。」
フェラの男は丁寧にアキラの涙を舌で舐めとる。それすらアキラは拒絶出来ない程
消耗していた。フェラの男の顔が再び下腹部の方に移動し、行為が始まった。
じっくりと蟻塚のように高く高く積み上げられた処刑台に登りあげられていく。
おそらく今度は行為が中断されることはないだろう。
全身から流れ出た自分の汗の匂いがアキラの鼻につく。
ビクンと体が震え、電流が体を貫くまでほとんど時間はかからなかった。
男達の間で狂ったように悶え悲鳴をあげている自分を、もう一人の自分が
ぼんやりと眺めていた。眺めながら、この感じには覚えがある、と思った。
体の奥底までを掘り返されるようなこの快感を自分は既にもう知っている。
いや、こんなものじゃない、何ものにも変えられない快楽を既に自分は経験している。

あの時、進藤と碁を打つ時、だ。
初めて進藤が碁会所に現われ彼と碁を打ったときその徴候を味わった。
見知らぬ得体の知れない相手に追い詰められ、負けた瞬間体の奥に切ない衝撃が走り
しばらく動けなかった。トイレに立って初めて自分の下着が濡れているのに気がついた。


(40)
フライングの男も前歯の男も眼鏡の男も、固唾を飲んで激しいフィニッシュを
見守っていた。5人の中でも体が大きな方の2人の間で折れそうな程に細くて白い
アキラの腰がガクンガクンと打ち震えている。
「うっ…くっ」
長髪の男も時間をかけた分溜まりに溜まった精をようやく出し切ってホッとしたように
顔をあげた。フェラの男も分量こそは少なめだったがアキラを到達させて飲み下すと
満足げに口を離し、アキラの顔を覗き込む。
「…どうだい、気持ち良かっただろ、塔矢くん。」
確かにアキラの体は今までと同様に部分部分にうっすら紅色を浮かし、汗をまとって
力なく横たわり、あまりの快感に放心状態で半分気を失いかけているように見えた。
長身の男はゆっくりと体を離した。ズルリと抜け出た一瞬だけビクンと
アキラの体は反応した。閉じる力すら残っていないのか、ポッカリと赤く充血した
内壁を見せて小門は、今ではすっかり間口が広がりきって口を開けたままだった。
長髪の男は碁盤に近寄って4個めの黒石を置いて、眼鏡の男に目で合図した。
5番目の男の番だった。
眼鏡の男はゴクンと唾を飲み込むとあたふたと用意を始めた。
「ワキ、あまりデカくしすぎるなよ」
長髪の男がそうたしなめる程に眼鏡の男が取り出したものは栄養良好の乳児の
腕ほどもあるイチモツだった。ゴムの余剰がほとんどなくはめられる。
1番に指名されたフライング男はようやくその理由を理解してがっくりとうなだれた。



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