若手棋士による塔矢アキラ研究会 37 - 38


(37)
厚いカーテンと壁によって外界から遮断された空間の中を男達の呼吸音と
切れ切れの悲鳴が漂う。
2人の男達の動きは一定のリズムを保ち、アキラを断崖の淵に追いやっていく。
「ハアッ…あ…っ」
首を左右に振り身をよじらせていたアキラの動きが止まった。
「…あーっ…!」
4度目の頂点が近付いていた。淵からもう一歩で谷へ身を踊らせようとした。
その時、長髪の男が腰の動きを止めた。フェラの男もアキラのモノを口から離した。
「…!?」
後押しを失ってアキラの感覚は断崖の淵から安全地帯まで少しばかり引き戻された。
止めていた呼気を吐いて、アキラの体はしばらく本能的にハアッハアッと胸を上下させて
激しかった脈を整えていた。
すると再びゆっくりと長髪の男が動きを始めた。フェラの男もそれを合図と了解
するようにアキラの根元の周辺から舌を這わしてきた。
「はあっ…!うああっ!」
間を置かれて再び始まった刺激に急速に崖の際へ追い立てられていく。
それは微妙に先刻までのものより底上げされたように感じた。
「んんっ!ふっう…っ!」
今度こそもうダメだ、落ちる、と観念し目を硬く閉じ、最後の一歩を進もうと
すると、再び男達の動きは止まった。


(38)
「い、いや…あっ…!」
彼等の思惑を悟ってアキラはほとんど半泣きの悲鳴をあげた。
体内の奥からエネルギーを外へ吹き出そうとアキラの腸内の奥が締まるのを察知して
長髪の男は刺激を加減し、ギリギリの位置でアキラを揺さぶるつもりなのだ。
一方的な刺激で一気に射精を強制されていた肉体が今度はそれが出来ないほうに
誘導される。若い性ではあってもさすがに数度吐き出した後では余韻だけで
自力で行き着く事は困難だった。
ほとんど爆発寸前でありながらその先を与えられないという責めによって更に
刺激に対する感度も加算されていく。
「…や…あ…あ…」
僅かに刺激を与えられては止められるというくり返しにアキラは耐えられず啜り泣く。
下半身がどろどろに溶けるような感覚の中心で体芯だけがちろちろと嬲られる。
背骨から脳まで快感が何度も駆け抜け出口を探して彷徨う。
全身の神経が達したいと要求しているのにその望みが叶えられない。
「…い…で…」
何度目かに男達の動きが止められた時、アキラは声を漏らした。
「…なんて言ったのかい?塔矢くん。」
アキラから口を離してフェラの男がアキラの顔に自分の顔を近付けて聞き返して来た。
全身を小さくカタカタ震わせ、ぐっと唇を噛んで出かけた言葉を飲み込んだ。
長髪の男が激しく動きだしアキラの中の感じ易い箇所を擦りあげた。



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