先生、あのね 5 - 6
(5)
それから数日後、棋院の入り口でヒカルを見つけたアキラはその横を走り去るように通り過ぎた。ヒカル
は和谷ら仲間と一緒に楽しそうに話している。そこに自分の隙間などないことを頭では理解しつつも、ヒ
カルのそばにいたいという気持ちは抑えられなかった。
その葛藤に満ちた表情がどんな風に彼らにうつったのかわからない。ただヒカルの「なんだよアイツ」と
怒った声が後ろから聞こえて、アキラの胸を締め付けた。
絶望にも似た悲愴感に包まれながら棋院に入る。すると待ち構えていたかのように越智が目の前に現れた。
「先生、おはようございます」
にこやかにそう挨拶すると、越智は封筒を手渡した。アキラは何かと思い中を見る。するとそこには何枚
もの自分の裸の写真があった。あの時の恐怖と苦しみがよみがえり、アキラは体を震わせた。
「この前はありがとうございました。先生のおかげでとってもいい思い出ができましたよ」
越智はクスクスと嫌味っぽく笑った。それをアキラは唇を噛みしめて耐えていた。
「嫌だな。先生、そんな険しい顔しないでくださいよ。今日はこの前のお礼がしたいだけなんですから」
そう言うと越智は自分の後についてくるように促した。
(6)
人通りの少ない薄暗い廊下の隅に連れてこられたアキラは、これから何をされるのか不安で仕方なかった。
気持ちを落ち着けようと深呼吸をする。
「プレゼントがあるんですよ。受け取ってください」
越智はかばんから包みを取り出した。アキラはそれを受け取ろうと手を差し出す。だが越智はその手を振
り払った。
「先生、手じゃなくてお尻をこっちに向けてくださいよ。あ、もちろんズボンも下着も脱いでくださいね」
その言葉にアキラは愕然とした。
「ふざけるな。何でボクがこんなところで脱がなければならないんだ。だいたい何をする気なんだ」
アキラは反発した。だが越智は不適な笑みを浮かべてそれを見つめている。
「別にボクはかまわないですよ。なんならもっと人がいるところにでも行きましょうか。例えば進藤の目
の前とか」
憤っていたアキラだったが、進藤という言葉を聞いて抵抗をやめた。そして仕方なくズボンをおろす。
自分への罰として越智の行為を受け入れることはできても、ヒカルに知られることだけは避けたかった。
越智もそれを知っててアキラを脅していた。
「先生は本当に進藤のことが好きなんですね。こんなにも従順だと、どこまで言うこと聞いてくれるのか
試してみたくなりますよ」
越智はそう言って笑うと、アキラの尻を両手でガシッと掴んだ。そしてアナルがよく見えるようにそこを
ひろげる。
「先生のここってすごくきれいですね。思わず舐めたくなりますよ」
越智はそう言うとぺろっとそこを舐めた。突然のぬめったやわらかい刺激にアキラは体を震わせる。その
反応を楽しそうに見つめると、越智は包みを開けた。そして中からそれを取り出すと、いきなりアキラの
アナルに押し当てた。
「ちょっと…な…アンッ! 何をしているんだ!」
まだ熟していない硬いそこにズブズブと容赦なくそれを押し入れようとする。そんな越智の手を止めよう
とアキラは振り向いた。次の瞬間、激しい振動がそこを襲う。まだ少ししか入れられていなかったが、ア
キラには十分の刺激だった。耐えられなくなったアキラはひざから床に倒れこむ。だがその間も越智は手
を止めることなくそれを挿し込んでいた。
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