断点-3 6


(6)
アキラから離れるように一歩下がって、けれどそれ以上は動かずにじっとアキラを見ているヒカルに、
アキラは苛ついたように言った。
「出ていけって言ったろう。そんなにボクを怒らせたいのか。
また痛い目にあいたくなかったらさっさとボクの前から消えろ。目障りだ。」
「なっ、なんだよ、怖くなんか、ねぇよ。」
また一歩あとずさってから、けれど自分を奮い立たせるようにヒカルは言う。
「そうだよ。怖くなんかねぇよ。
それに痛い目ってなんだよ。またオレをゴーカンでもするって言うのかよ。
そんな事したいんなら好きなようにしろよ。ヤりたいんならヤれよ。
どうせもう一回ヤられてんだから、二回だって三回だって同じだよ。
でもな、オレはおまえがどんな事したって、おまえの事、キライになんかなってやんないからな。」
勢いづいたヒカルは挑むようにアキラを見上げて続ける。
「キライになんかなってやんないからな。
何したって好きだからな。
覚えてろよ。おまえから離れてなんかやんないからな。」
ヒカルを睨みつけていたアキラの眉が不快げに強張る。
が、何かを言おうと口を開きかけたアキラは、その口を閉じ、ヒカルを睨みつけてからくるりと背を向けた。
「なんだよ、ヤらねぇのかよ。」
ヒカルを置いて出て行こうとしたアキラの背中に、ヒカルは言葉をぶつける。
「意気地なし。」
歩き出しかけていたアキラの足が一瞬止まり、けれどまた歩き始める。
それを引きとどめるようにヒカルは続ける。
「根性なし。臆病者。オレが怖いのかよ。」
ドアノブに手をかけていたアキラはゆっくりと振り返り、冷たくヒカルを一瞥する。
「よく、言ったな。」
負けじとヒカルもアキラを睨みつける。
低い、氷のような声が響いた。
「望み通り抱いてやろうじゃないか。」



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