マリアさんが館から逃げ出そうと思った夜、実はワタシの部屋に来たノ
「戒季チャン一緒に逃げよう!」って、慌しく話しながら、あのキレイな羽をパタパタ震わせてイタッケ。
ワタシは、疲れたから、もうそんな余力ナイヨとか言って、てきとうに答えていたんダと思う
マリアさんはタダタダそれを連呼するだけ、なんの説明もしてくれなかったから、どんなにそれが大事かトカ、大切なことトカ、ぜんぜんワタシにはワカラナカッタ。
さすがにシツコかったので、明日長老とか、占い師さんに相談にイコウよ、ってワタシは言ったノ。
そしたらネ、マリアさんチョー怖い顔して怒ってたヨ。そんでモウイイ!って吐き捨てながら、周囲の空気を飲み込むようなハバタキで、グルングルン?と部屋から出て行った・・・
廃蝶霊園から、マリアさんの慰安のお知らせが来たのは、その次の日のお昼頃だった。
あんなにキレイな人?(蝶)だったのに、すごく哀れな姿に変わり果てたマリアさんを見て、ワタシは昨日の彼女の態度の、そのコトの重大を思い知らされた。
狩人からの見せしめなのかワカンナいけど、マリアさんは許可なく逃亡を図ったとして、俗に言う「十戒論」に触れたとして、処罰され、プチロボの刑になって魂を抜かれた。
プチロボとは外界で大人気とウワサされている、スーパーコンピュウーター搭載のパピヨン的ロボットらしくて、まるで生きているかのように、羽をパタパタ動かしてくれるんダッテ。
そのプチロボの写真を見た時、一目でマリアさんだとわかった。皮肉なコトに、それはとてもよく出来ていたヨ。
ワタシも逃げ出したりしたら、アンナになっちゃうのかなぁ、イヤだなぁ・・・