『明日は良い日だ』
 その明日は何時来るの? 結局進みださない限り、『明日』なんてないだ。ちょこっとの勇気が『今日』を『明日』に変えて、少しの後悔が『今日』を『昨日』にしてしまう。
 だから後悔はしないって決めたの。ありのまま。あるがまま。受け入れて前を見る。『今日』を『明日』に変える努力は怠らない。
 『明日』は笑っていたいから、私は『今日』笑うんだ。
 未来を作るための『誰か』何て居ない。居るのは『私』と『家族』と『仲間』たち。
 『明日』も一緒に居たいから。みんなで『今』を過ごすんだ。
 力の限り。
 想いの限り。
 命の限り。
 後悔なんてしてられない。
 私には、『今』があるから………

微笑(ほほえみ)の中で』

作:SHOWさん


参話−B  『心と記憶』


「え〜!! きょう、いっしょに寝てくれないの? ぶ〜!」
「ゴメンね! スイ!」
「あら? スイちゃんは私と寝るのが嫌なの?」
「え?! ママと寝ていいの?! やった〜☆」
「………私という選択肢は出てこないのね。何で姉さんとリツコさんばっかり…」
「……仕方ないよ。ミナ、自分が今日、スイちゃんの前で何したか思い出してごらん」
「…ちょっと凄んで見せただけじゃない」
「………………ちょっと…ね……………。あれでかい?」
「…………………そうね。もういいや、おやすみなさい」
「じゃぁ、スイちゃん一緒に寝ましょ」
「うん!! おやすみ〜!!」
「お休み」
 二人っきり…………。
「……………………ねえ、カオル君………」
「ん? なんだい? 宿題は見せてあげないよ?」
「いや、そうじゃなくて」
 相変わらず緊張感のない………。まぁ、少し楽になったけど……。
「……………………話があるの……」
「……………いいよ。ここで出来ない話みたいだし、ボクの部屋がいいかい? レン君の部屋がいいかい?」
「………出来たら、私の部屋がいい」
 リツコさんのアパートはとんでもなく豪華だ。17階と18階がリツコさんの所有らしい。元々はリツコさんのお母さんが住んでいたらしいけど、リツコさんが引っ越す前に手を入れたそうだ。
 17階はリビングやキッチン、応接間に和室。そしてリツコさんとミナとカオルの部屋がある。そして、アパートなのに家の中に階段があり、18階に上がれるようになっている。18階には私とスイと綾波さんの部屋とコンピュータールームがある。盗聴は出来ない仕組みになっている。広さも凄い。ちなみに、18階は当然最上階だ。
「……分かったよ」
 そう言って立ち上がる。リビングの灯りも落とす。カオル君の後ろを歩く。心臓が凄い音を立ててる。息が苦しくなるような感覚に襲われる。
「ここだよね?」
「………うん」
 カチャ……
       キィ……
パタン………カチャ……
「………引越しがきちんと終わってから入るのは初めてだね。よく片付いているね」
 全体的に淡いグリーンで統一された部屋を見渡す。引越しは昨日、本部にいる間に大部分終わっていた。私達がしたことはそれぞれの部屋の荷物の配置決定ぐらいだった。
「スイが私の部屋を見て『同じにする!!』って言ってたわ」
「ふふ。スイちゃんらしい……」
 クッションを勧める。フローリングで一応絨毯が敷いてあるが、何となくあった方が安心する。
「ありがとう」
 カオル君の笑顔。何だかすっごく緊張する。喉が干上がる。
「さて、話ってなんだい?」
「……………カオル君、私のこと、どう思っているの?」
「…どうって言うのは?」
「…………好き?」
 カオル君の表情が変わる。いつもの笑顔じゃない。すごく、優しい……。
「好きだよ」
「どうして?」
「………人を好きになる…。その事は、ボクがリリンとして生きるきっかけになったのさ。好意じゃなく、愛情でもない。『好き』という感情を教えてくれたのは君だから」
「会って数日よ。私たち」
「数日じゃないさ。数年だよ」
「え?!」
 私とカオル君は昔あったことがあるの?! そんな…! ……記憶にない……。カオル君のような人なら忘れないと思うのに……。
「記憶をたどっても無駄だよ。君はボクのことを知覚出来ていなかったから。だから、『現実の記憶』の中にボクはいないよ。ボクがいるのは君の『夢の記憶』のなかさ。そこでボクは形を持った。………使徒というものがどんな生き物か考えた事があるかい?」
「……ううん……ない……」
「少し長くなるけど、いいかい?」
「うん」
「ボク達使徒は『無形の可能性』なんだ。形を持たないゆえに、無限の『可能性』を持つ。第壱使徒から第壱拾八使徒までの使徒。ボク達は同時にこの世に『発生』した。アダムは無限に広がる選択肢からこの世の中を選択した。残った使徒はその世界を見極める役目を持っている。これは自分たちの判断によるものなんだ。その中で、リリンとリリスが最初に判断を下した。リリスは『この世の中は間違っている。世界は1つであるべきだ』という判断を下した。逆にリリンは『この世の中は存続に値する』と判断した」
「リリンは一人だった、だけど、増える事に成功した?」
「そう。リリンは自己に多様性を持たせたんだ。その結果、リリンは『群体』という性質を持った。ところがこの多様性っていうのが思わぬ事を引き起こしてね。それが『心の発生』さ。ボク達使徒には、この『心』という考え方がなかった。あるのは『精神』だからね。ほとんどの使徒はこの『心』の考え方を理解できないし、理解しようとも思わなかった。だから、未だに使徒はそれぞれ形を持っていない。だが、ボクはこの『心』というものに惹かれた。不思議なものだったから…。そして、その『心』を感じるために、ボクは『精神体』となって夢というものの中を渡り歩いた。そのうちある女の子の夢にたどり着いた」
「それが………あたし?」
 カオル君は優しい笑顔を浮かべたまま、頷き、言葉をつなげる。
「その『夢』の中は、自分の辛い過去を忘れるんじゃなく、受け止める事によって、優しさに満ちていた。だから、ボクはその『夢』の中で君と接触した。そこで形をもらったんだ。その『夢』の中でボクは君と色んな事を話した。その中に『好き』という感情があったんだ」
「そうだったの? 信じられない…」
「そうだと思うよ。話していてボクも信じられないもの」
 ……………………………………………………それって、嘘って事?
「…………………嘘なの?」
「いや。ホント」
「カオル君!!!」
「ゴメンゴメン。おっと、話がそれたね。まぁ、そんな事はたいした意味のない事だから。大切なのは今の気持ちだと思うよ。これで答えになったかい?」
「…………………………良く分かんなかったけど、たぶん」
「今はそれでいいよ。で、話はそれだけかい?」
「違うわ」
 カオル君の目が驚きのためなのかな? すっごく開かれた。……ちょっと間抜けだよ?
「……あれ? おかしいなぁ? その事じゃないのかい…?」
 慌ててるカオル君って、すっごくおかしい。普段からは想像できないもんね。
「………………カオル君って誰でもいいの?」
「? ………………………………………………………………!!!!!!!! ……………ま、まさか………」
「なに?」
「き…今日………午後……授業…………いや…………まさか……………いなかった………」
 カオル君の笑顔が引きつる。汗がすごいよ。
「多分、その『まさか』」
 こっちにも『サ―――――――――――』って音が聞こえてきそうなくらい、顔が青ざめる。意外だなぁ。嘘はつけないタイプだね、絶対。
「あれは………そのぉ……………いや…………だから……………あのぉ」
 往生際が悪い。あの状況でどうやって言い訳するんだろう?
「なぁに?」
「……見てたの?」
「聞いていたの」
「ゴ、ゴメン!!」
 あら? 土下座しちゃったぁ…。そこまで責める気は無かったのになぁ。
「答えを聞いてない」
「……そりゃぁ、誰でもいいってわけじゃ無いよ。うん。えっと…」
「…………………………………………………プッ! くくくくっ!! アハハハハハハハハハ!!! 何だか……すっごくかっこ悪いよ! あははは! カオル君!!」
「……………え?」
「クスクス……ゴメンねぇ。ちょこっといじめてみたかったんだ! ほら! 顔上げて!」
「あ、うん」
 カオル君が座りなおす…さて、後は成り行きかなぁ?
「あれには、ちょっとビックリしたの。やっぱりカオル君もてるしねぇ。予想しなかったわけじゃないんだけどねぇ……実際に見ると…ちょっとね」
「レンく……」
 私は自分の指をカオル君の口に押し当てた。
「ねぇ…………………私の事……………好き?」
 カオル君がコクンと頷く。
「私も………好き………迷惑?」
「いや………少し…信じられない」
「そう…」
 唇を重ねる。腕をカオル君の首にまわす。そのまま体を預ける。それだけなのに……腰の奥が疼く……。
「……信じられた?」
「……………いいのかい?」
「いいの?」

「………ん……んふぅ…」
 ベッドの上でキスを重ねる。舌が絡む。
「……ん……ふぅ……。……ねえ、あの、初めてだから…」
「……ボクもだよ」
「…あ…………ぁん………んあ!」
 カオル君の手が胸を軽くなでる。それだけで自分でも信じられないくらいの衝撃が身体中を走る。
「ぁ…ん…はぁ……ん!」
 服の上から触れているのに……信じられないくらい体が敏感になってるよぉ…。奥からあふれてくる……自分でも信じられないよぉ。カオル君の手は少しぎこちないけど…自分でするよりも数倍は感じる……。
「はぁ、はぁ、ねぇカオル君?」
「ん? なんだい?」
「遠慮……しなくて…いいよ…」
「……わかったよ」
 そう言って私の服を脱がせていく……流石にはずかしい…灯り…消そうかな……。
「カオル君……灯り…ん……ふぁ!…あん!」
 カオル君の手が私のあそこをなぞる…自分でした時はなんだかくすっぐたいだけだったのに、カオル君に触られたら身体がはねる。
「ああっ! く…ん!……んあぁ!…んんっ!」
 頭の中が真っ白になる。何も考えられない……息が荒い……あそこが熱い…。
「あああっ!! く…ん!……はぁ!……ん……んぁ!…んんん―――!!」
 カオル君が突起を軽く触った。その瞬間あそこから愛液が流れて太ももを伝う……。だめ………変になりそう…!
「あん!…くっ!……カ…カオル……く…ん…んんっ!……だめ!……あっ!…ああっ!」
「いいよ、イッても…」
 カオル君の指があそこに滑り込む。だめ! 我慢できない!! なにか……何か来る!!
「ああああっっ!!!」
 ビクンッ!
 軽く達してしまった…。身体が軽くはねる。髪が広がる。
「大丈夫かい?」
 カオル君が心配そうに声をかけてくる。やっぱり優しいね。
「ん……大丈夫……。ねぇ、お願い……いい?」
「ああ」
「最後まで………」
 そう言うとカオル君に体を預ける。ホントいうと、まだ余韻が残っていて力が入らないの…。
「うん、じゃぁ、いくよ」
 カオル君が身体を私の足の間に入れる。恥ずかしくて下を見れないようぅ!
「……………ん………あ…!…んくうううぅぅぅ!!!」
 身体に激痛が走る。こんなに痛いのぉ!? なんだかお腹のあたりがはってる……! 苦しい!!
「いた…!…くうううう!……ああああ!!!!」
 何かがプツンと音を立てる。その瞬間、カオル君のモノが身体の中に入り込むのを感じた。
「はぁ、はぁ、はぁ。…ん……はいった?……んくぅ!……ちょっと…動かないで……」
「ゴメン。でも、入ったよ。今、レン君と繋がってる」
「そう。……ん…ねぇ、カオル君? 『レン君』っていうのはちょっと…」
 話しながらカオル君の首に腕をまわす。何か話してないと痛みで泣きそうだし、ちょっと気になってたんだよね。
「そうだね。努力はしてみるよ。だから、レンも『君』は止めてくれないかい?」
 カオル君が……ううん。カオルが、髪をなでながら耳元で話し掛けてくる。
「うん。カオルって呼ぶね………ん…もう、楽になってきた………動いてくれて……いいよ」
 ゆっくりとカオルの身体が動き出す。その度に、あそこが湿った音を立てる。……身体が……熱くなってくる…。
「ん!…あふぅ!……んんっ!!……あんっ!……ああっ!!」
 背中に汗がにじみ出てくる……痛いのに…頭の芯がしびれてくる……触られる胸の頂点が勃ってる……あそこが蕩けてるみたい……でも身体が敏感になってる。
 くちゅ、くちゅ
 いやらしい音が聞こえる……私ってこんな子だったんだぁ……すっごく興奮してる…。
「さすがに………きついね……気を…ぬけない!」
 カオルの声が聞こえる。遠くなのか近くなのか分からない……。
「んあ!…あはぁ!……ダメ!……んくぅ!!……はああぁ!!!」
 カオルが腰を突き上げるたびに、確実に限界が近づいてくる! 怖い!!
「ああっ!!…イッちゃう!!……だめぇ!!………カオル!……私…あああっ!!……怖いようぅ!!!」
 目の前がちらつく…今さっきと比べ物にならない快感が襲ってくる。自分が自分でなくなっちゃう感じ。
「いいよっ! レン! ボクも……限界が…」
「あああああっ!!!………だめぇ!……クウウウウウウウゥゥゥゥゥウ!!!!」
 あそこがキュッと締まる。カオル君のモノが激しく痙攣する。
「くううう! レン!!!」
「んあああああっっっっ!!!!!」
 私の中に…カオル君のが広がっていく……。
「きゃうん!」
 意識が………闇の中に……沈んでいく……。


「……レン………レン?」
「……ん……カオル? ……私……」
「良かった、気がついたようだね」
 私の意識が覚醒していく。……あぁ! 気を失っちゃったんだ……。カオル君の顔を覗き込む。私はカオル君の上に乗っかるように抱かれていた。タオルケットがあるから汗が引いても寒くはないわ。
「……ふぅ。何だか腰の奥が痛い……身体もだるいし…」
「大丈夫かい? ゴメン。初めてなのに無茶苦茶をして」
「ううん。思ったよりも痛くなかったから」
 そう言ってカオル君の胸の上に寝そべる。丁度いい……私も背が高いけど、カオル君も結構身長あるしね。私が167だから、175以上あるよね? この年じゃかなり高いよ。私もミナも高いから気がつかなかった。それに、やっぱり男の子だね。体つきもがっしりしてる。
「…あの、レン?」
 髪を撫でてくれながら、カオルが決まり悪そうに話し掛けてくる。? なんだろう?
「なぁに?」
「その…胸が……あたってるんだけど…」
 確かに、向かい合って寄り添っているからあたるよね。
「いや?」
「いや!!!!!! そうじゃなくて!!! その!!」
 くすくす……カオル君ってやっぱり面白い。胸は大きい方じゃないけど、……多分平均より少し大きいくらい。ミナの方が大きいんだよね。ちょっと悔しい。でも、ミナは『姉さんの方が足が長いじゃない!』って悔しがってたっけ。
「クスクス……こうしていたいもん。……私の髪…邪魔じゃなかった?」
「いや。全然。良く手入れしてるね」
 そう言って髪を撫でてくれる。気持ちいい。
「切ろうかなって思ったんだけど…」
「何故? 良く似合ってるよ」
「そう? じゃ、切るのや〜めた!」
 思いっきりカオルの胸に抱きつく。………ぁ……大きくなってきた…。ドクドクいってる…。こんなのが入っていたの……痛いはずよ。
「…………だから言ったのに……」
 カオルが恥ずかしそうに俯く。ふふ、本当に可愛い。時間はっと………まだ大丈夫よね?
「ねぇ。もう一回、シテ?」
「?!?!?!」
「カオルと、したい。ダメ?」
 カオルの顔を覗き込む。ぁ………真っ赤だぁ……。
「…………………いいよ」
 私が体勢を入れ替えようとするのをカオルが優しく止める。………この体勢でするの? ……嘘……。カオルの手が胸に伸びてくる。私は体を起こす。丁度カオルの身体を跨ぐようにしてカオルの上に座る。
「…ん………んふぅ………ぁ……んんっ!」
 またあそこから愛液が流れ出してくる。今さっきよりも白い……カオルの精子が混ざってるのかなぁ? でも、この体勢ってキスできないじゃない……ちょっと不満。
「んんんっ!……はぁっ!…カオル……焦らさないで……んんんんぅうう!!」
 カオルの指が急に秘裂をまさぐる。ぬちゃっとした感覚が広がる。背骨を何かが駆け上がる。
「……………腰をあげて」
 ぼうっとした頭にカオルの声が響く。言われた通りに腰をあげる。カオルのモノを自分のあそこにあてがう。カオルが私の腰を掴んで、一気に沈める。
「!!!!! きゃううんんんっ!!!」
 身体から力が抜ける、予想以上の感覚………今さっきよりも奥にあたってる……あそこの中がカオルを締め上げようと動いてる。
「動くよ……」
「ん………!……んくうぅ!……あああ!……はふぅう!!」
 さっきと比べ物にならない!! 奥まで…ズンズン響く! 何これぇ!
「ああ!…んく!……んああ!…はふぅ!……くうう!」
 いつの間にかカオルの手は私の腰から離れてる……胸の先を転がすように弄んでる……私は自分の手をカオルの胸に突っ張って腰を動かしてる……私ってこんなにえっちなんだ……。
「く! きつい…ね………このままだと……早そうだ…まずいね」
 カオル君のモノが私の膣壁をこすり上げる。その感覚が私をあっという間に高みへと引き上げる。
「あ!…あ!…あん!!……ああ!……くんっ!……きゃうん!」
「レ…ン!!」
「あああ!……くう!……んんんんぁぁぁぁ!!……クウ―――!……んああああ―――――!!!」
 どぷぅ!
 勢い良くカオルのモノが弾ける。あ、……またひろがる……!…気持ち……いいようぅ……
「はあ、はあ、はあ。ゴメン。中に……」
「ん……私も……考えて……なかった………ごめんね……」
 ずるって音がしてあそこからカオル君のモノが抜ける……愛液と精液の混じったものがカオル君と私の身体を汚す。そんなこと……気にしてられないくらい……気持ちいい。
「ふう……大丈夫かい?」
「……大丈夫……でも、今さっきから……心配してばっかりだね」
「それもいいじゃないか。レンは大切だからね」
 ……面と向かって言われるとはずかしいぃ……。カオルはそんな意識ないんだろうなぁ…。
「………身体……汚れちゃったね……シーツも……」
「シャワー浴びてくるかい? シーツは替えておくよ。予備があるだろうし……」
「うん……でも、こうしていたい……」
「シャワーを浴びた後、嫌じゃなかったら一緒に寝るかい? 時間が時間だからもうしないけど…」
「…うん…」


「ねえ。カオル、何かお話しして」
 シャワー浴びた後、結局二人して裸でタオルケットに包まっている。私のベッドって大きいから、これでも余っちゃうんだぁ。
「う〜ん、おもしろくないよ?」
「いいよ。おもしろくなかったら眠れるから」
 そう言ってカオルの腕に頭を乗せて擦り寄る。
「……ある少年の話さ……。ある世界に一人の少年がいたんだ。その世界って言うのは誰も分かり合うことの無い、進化しない世界だったんだ。そんな世界の中で、その少年だけ、他人を理解しようとした。でも、他人はその少年を分かろうとしなかった。当然だね、そう言う世界なんだから…。少年は何時も一人だった……世界の隅から隅まで旅をしても、彼は一人だったんだ。誰も分かり合えない世界でね……。レン、君はどう思う?」
「なにが?」
「分かり合うことの無い世界で、分かり合おうとする少年。その行為は、無駄だと思うかい?」
「無駄じゃないわ」
 私は即答した。カオルが目を丸くして私を見つめる。
「その少年は、他人と分かり合えなくても、もう分かり合っているわ」
「…何とだい?」
「世界とよ。分かり合うことの無い世界と分かり合っているからこそ、彼の行動があると思うの。だから、彼の行為は無駄なんかじゃないわ。素晴らしい事よ」
「…………そうだね」
「……その少年はどうなったの?」
「……他人と分かり合えなかった少年は、全ての人々の心の壁に気付く。そして、その心の壁を取り除く術を見つけ出した。しかし、全ての人の心の壁を取り除き、心をひとつに溶け合わせた世界は、彼が望んだような世界じゃなかった。全ての人は心を一つにしてしまった事により、『考える』という行為を捨て去ってしまったんだ。そして、世界は静かに終焉を迎えてしまった……。誰も傷つかない。誰もが理解しあっている。誰も苦しまない。……そんな世界は終わっていると同義だから。そして…」
「その少年は自ら世界を一から作り直した。同じような仲間も生み出してね。その少年の名は『アダム』………当たり?」
 カオル君の顔が呆れたような表情になる。
「………………まいったなぁ…何時気がついたんだい?」
「何となく……かな?」
「そう…………。……今の世界は彼が望んだ世界じゃないかもしれない……。だから、『サキエル』も『リリス』も動いた。『タブリス』たる自分は、今は自分の為にのみ存在している。『リリン』と同じだね。それは、彼を裏切ってるのかもしれない。そう考える事もある」
「……1つ聞いていい?」
「? なんだい?」
「『リリン』は『リリス』から生まれたんでしょ? 『リリス』は何から生まれたの?」
「…………分からない。恐らく『アダム』が生み出した者じゃない」
「え〜〜〜っと、良くわかんないんだけど、あなた達は『アダム』から生まれたんでしょ? どうやって?」
「え?」
「私たちって産まれた時の記憶って持ってないのが普通なんだけど、『使徒』にはその記憶があるの? 私たちは親が子どもに教えるから産まれたって事が分かるんだけど、『使徒』って『アダム』と会った事があるの?」
「………………」
「考えたらとっても不思議なの。矛盾もあるのに、カオルはそれを当然のように話しているよね? でも、スイは覚えていないって言ってたわ。そう考えると、ある一つの事が浮かぶの」
「…………ゼーレ……まさか、いや、そう考えると。……ボク達『使徒』はゼーレに利用されている?」
「カオルは違うわ。恐らく、彼等の手の中には数人の『使徒』がいる。全員がゼーレに関係あるって言うのはちょっとね。スイも違うと思うの。あの子は本能的に動いていたから。この先、何回かの戦闘で分かると思うけどね……。『使徒』にも違いがあるはずよ」
「………………」
「でも、全部推測の域を出ないわ。………今度、リツコさんも交えて話をしてみましょう?」
「そうだね」
 険しかったカオルの顔が緩む。…………やっぱり反則だよぉ…この笑顔…。
「ん、じゃぁ寝ましょ?」
「ああ。お休み」
 カオルの身体は暖かい………色々あって疲れたし……もう……ねむい…。


 横から規則正しい寝息が聞こえる。……柔らかい曲線を描く身体が上下している。
「…………無駄じゃない……か」
 『アダム』、君のしてきた事は認められたよ。ボク達も受け入れられた。分かりあう……理解しあう……難しい事だね。でも、リリンはそれを分かっている。分かっているからこそ努力できるんだ、他人とね。ボクも分かってきたよ。この世界こそ、君の望んだ世界なのかもしれないね……。
「…負けられない。……ボクも覚悟を決めたよ。レンを守るために、『使徒』はボクが倒す。たとえ同族でもね……」
 呟きは、闇の中に溶けていった…………。





後書きの名を語る反省会

 作 「つかれた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 レン「……………………………」
 ミナ「……姉さんって大胆…」
 作 「もう真っ赤だって…ミナちゃん」
 ミナ「ほっときましょう。いずれ復活しますよ」
 作 「そうだね」
 ミナ「初の18禁。お疲れ様でした」
 作 「無事書きあがってよかったよ。下手に間隔空けると消滅しそうだったからね。1スタを無視して書き上げたんだ」
 ミナ「1スタは2行しか進んでいませんね?」
 作 「…………………書くよ。明日から」
 ミナ「そうして下さい。(アスカさんに殺されますうぅ!)」
 作 「うん。(僕もだよ)」
 ミナ「ところで、今回、カオル君と姉さんの会話で重要な事がいくつか出ましたね。本当に読者の事を考えない作者ですね」
 作 「ま、ね。でも、あんまり重要じゃないよ。この話で重要な事ってほとんど無い」
 ミナ「ほえ?」
 作 「使徒云々は僕の考え方。だから重要じゃない」
 ミナ(それを重要っていうんじゃないの?)
 作 「でも今回は書いてて恥ずかしかった……。こんなに恥ずかしいとは思わなかったし、結局文章はへたっぴだし」
 ミナ「そうですね。実用度は低いですよ」
 作 (実用度って………………)
 ミナ「今後、18禁は多くするんですか?」
 作 「『こんなのでいい』って人が出て来たらね」
 ミナ「姉さんとカオル君?」
 作 「? …要望があれば他の娘でもいいけど?」
 ミナ「スイちゃんも?」
 作 「…………………………」
 ミナ「書けるの? 作者?」
 作 「努力します…」
 ミナ「そ。でも、犯罪よ」
 作 「………………………………」
 ミナ「処置無しね……」



第参話 終

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管理人のこめんと
 SHOWさんの『微笑の中で』、第3話後編です。
 お待ちかねの18禁ですっ♪ お相手はやっぱりカオルくん。初々しくっていいですねぇ、いろんな意味で。なにげにエッチなレンちゃんがよかったです。
 某官能小説の大家によれば、エロ文学のコツは書いてる人間が興奮すること、だとか。

 マンションがこれだけ広いと、すこしくらいおっきな声をあげても大丈夫ですね(^-^) ミサトの家だとこうはいきません。なんか聞き耳とか立ててそうだし。こうなっちゃうとカオルくん、完全に尻に敷かれそうですね。
 次の獲物は果たして誰になるのか、大変楽しみです(*^▽^*)
 個人的にはスイちゃん×ケンスケ希望(爆) って、まだ出会ってないか。

 とゆうわけで皆さん、学エヴァと18禁への野望に燃えるSHOWさんに、ろりろりはいいねぇ〜、とか、18禁は人類の至宝、まさに科学の勝利ねっ(意味不明)とか、感想や応援のメールをじゃんっじゃん送って頑張ってもらいましょうっ。
 SHOWさんのメールアドレスはこちら

 このHTMLファイルはきたずみがちょこっと修正しました。
 問題があった場合はきたずみに言って下さい。

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