彼女事情
K A R E × K A N O

Written by:きたずみ

#5
「あんっ」
 腰に手をかけて引き寄せ、ユカの可愛いお尻の穴を間近に見てしまって、そこに昂奮している自分はおかしいんじゃないかとか思いながら、トウジはひくひくと物欲しげに蠢くユカの秘唇に唇を寄せた。
 考えてみると、シャワーを浴びていないナマの彼女の躰に触れるのは初めてだ。秘唇の内側はぬめぬめとして柔らかく、ほんのりと汗に似た味がする。磯の香りのような、乾いたおしっこの匂いも愛らしくて、トウジは夢中で貪るように舐めまわした。
 愛液を溢れさせた秘裂を唇で擦り立て、膣の中に舌を挿し込んでいくと、いやらしく蠕動する膣襞が舌をきつく締め付けてくる。
「んくぅっ……んっ、んぅっ! んぁっ、あぁ……気持ちいいよぉ、それぇ……」
 トウジの躯の上で全身をよじらせ、太腿を痙攣させて快感を訴えながら、ユカは一心に目の前のペニスにむしゃぶりついた。大きな乳房をいやらしく歪めさせてペニスを包み込み、先端部分を口の中に含んで舌を動かす。
「うぁぁ……ごっつ気持ちええわ、それ……」
 つい先刻イッたばかりなのに、また達してしまいそうになるのをこらえて、トウジは指先をユカのお尻に伸ばした。つん、と軽くつつくと、ペニスを咥えたままユカが全身を硬直させる。その反応に気をよくしたトウジは、アヌスに指の腹をぴたりと押し付けた。
「んぅっ! っは、ぁ、だ、だめぇ……」
 ペニスを吐き出して、ユカが泣き出しそうな声で言った。が、トウジはじゅるじゅると音を立てて膣を吸い立てながら、食い入るように目の前でヒクヒクと収縮するアヌスを見つめている。クリトリスを鼻先でつつくたびに、トウジの顔を締め付ける内腿にぎゅっと力が入った。
 お尻を掴んでぐっと割り開いてみると、むっちりと開いたお尻の谷間の奥で、ポツンとした可愛いアヌスが震えているのが明瞭り見えた。
 指先でそっとアヌスの襞を押し開いてみる。生々しい秘めやかな匂いがしたが、好きな女の子のものだと思うと、昂奮こそすれ、抵抗はまるで湧かなかった。こんな可愛い女の子にも同じようについてるんや、と何だか感動してしまう。
「だめっ、そこだめぇ……汚いからぁ……」
 逃れるように腰を動かそうとするのを押さえつけて、トウジはお尻に鼻を埋め、そっと息づく蕾に舌を這わせた。膣とはまた違うその感触に酔い痴れながら、この狭い孔に入れたらどんな感じがするんやろ、とトウジは思った。それを想像しただけで、ペニスがびくびくと痙攣する。
「ひぅんっ!」
 背中を反らせてユカが甲高い声を洩らす。こんなところを舐められるなんて、ミサトもリツコも教えてくれなかった。
 未体験の感覚に、しかしユカの躯は反応していく。ぴちゃぴちゃと音を立ててお尻の穴を舐められながら、ユカは異常なぐらいに感じてしまっている自分に戸惑っていた。花芯からどくどくと愛液が溢れ出すのが解る。
「こ、こんなの、恥ずかし……っ!」
 感覚の全てがお尻の周りに集中していて、ぐっと掴まれたお尻とか、トウジの息のくすぐったい感じとか、入り口のあたりを探るように蠢くトウジの舌の感触が、躯の中心を通ってずんずんと奥に響いてくる。気がつくとお尻を振って、トウジの顔に押し付けるようにしている自分のいやらしさに驚いて、ユカは目の前でヒクヒクしているペニスを咽喉の奥まで飲み込んだ。
「むぅぅっ」
 奥まで飲み込まれて締め付けられながら、もぞもぞと淫らに蠢く舌に絡みつかれて、トウジが思わず呻いた。
 ユカの花芯からは大量の愛液が溢れ出てきらきらと輝き、薄い恥毛から透明な滴を滴らせている。先刻まで舐められていたアヌスはゆっくりと収縮し、その動きをトウジに想像させた。トウジは舌先を尖らせ、クリトリスからアヌスまでを舐め上げた。
「むぅんっ! …んんぅっ……むふぅ……」
 包皮を剥いたクリトリスに舌を絡め、口の中で軽くつつくようにして責め立てると、ユカは躯をひくつかせて悶えた。それでもペニスを口から離そうとはしない。股間に痺れたような快感が走るのをこらえつつ、トウジは容赦なくユカを責めた。
 昨夜とは違って、トウジにはユカの悶えるさまを観察するぐらいの余裕があった。舌で膣口を抉りながら、指で敏感なクリトリスを捏ね回す。そしてそのまま顔と指を細かく震わせた。ぐしゅっ、ぐしゅっといやらしい水音を響かせながら、ユカは「きゅぅ〜」と仔犬が泣くような声を洩らした。
 そのまま軽く達してしまうが、それでもトウジは責めるのをやめない。口腔を圧するように膨らんだ彼のペニスで口唇を犯されている気分になりながら、ユカはトウジの愛撫に身を任せて立て続けに昇り詰めていった。
「ぅあっ、イくっ」
「んむぅぅぅぅ――――っ!」
 縋りつくように激しくペニスを吸い立てられて、トウジも爆発した。まるで彼女を犯しているかのように腰を振って咽喉の奥を突きながら、何度もペニスを脈打たせて精液を注ぎ込む。精液を飲み込むたびに蠢く舌の感触が、たまらなく心地いい。
「はぁっ、はぁ――…」
「んふーっ、ふん……ふぁっ」
 射精が終わった後も、二人はしばらくそのままの姿勢でいた。が、口の中でいったん萎えかけたペニスが再び硬度を取り戻す感覚に、うっすらと目を開けたユカは、乳首に吸い付く赤ん坊のように、それに吸い付いた。
「ぅ……くぁっ」
 まるで精液をありったけ吸い出されそうな感覚に襲われ、荒い息を吐いていたトウジが身を起こす。
「……あ…」
「ん……ぅん……」
 互いに視線を絡ませた二人は、そのままどちらからともなくキスをした。トウジはタンクトップに包まれた乳房を、ユカは逞しくそそり勃ったペニスを触りながら、いやらしく舌を絡め、互いの唾液を貪る。
「んふぅ……んっ、んんぅ……」
 二人の鼻息が絡み合う。少年と少女は下半身に身を剥き出しにした格好で唇を重ねながら、互いの手による快感に浸っていた。
 着衣を全て脱ぎ捨てて上半身も裸になったトウジは、その場に胡座をかいて座ると、ユカの手を引いて膝の上に座らせた。ユカの両手はトウジの肩にかかり、乳房は胸に押し当てられて、正面からトウジに抱っこされるような格好になる。トウジのペニスは彼女の股間に幹を触れさせたまま、ひくひくと痙攣していた。
「トウジ……」
 どうして自分のして欲しいことが解るんだろう、とユカは不思議に思った。背中に回されたトウジの腕が、ぎゅっと力強く抱き締めてくる。逞しい胸板に乳房を押し付けて潰しながら、ユカはトウジの首に腕を絡め、そっと顔を埋めた。とくん、とくんと触れ合った肌越しに互いの温もりと鼓動を感じる。
「トウジにぎゅってされると、安心する……」
「ワシもや。こうしとると、なんかホッとするんや」
「……しばらく、こうしてて」
「ええよ」
 ユカの髪を撫でながら、トウジは赤ん坊をあやすようにゆったりと躯を揺すった。トウジの首筋に鼻先を埋めながら、ユカがそっと目を閉じる。無骨な掌が髪を滑っていく感触や、ゆらゆらと揺れる感覚がとても心地好くて、このまま眠り込んでしまいそうになる。
 二人とも無言のまま、互いの心臓の音に耳を澄ませるようにしてしばらくそうしていたが、肌の間に薄いタンクトップが挟まっているのがもどかしくて、ユカがそれを脱ごうとしたのを、トウジが押し留めた。不思議そうな顔をするユカに、トウジは照れたような笑みを浮かべてちょっと目を逸らしながら、
「なんや、着たまんまの方がやらしゅうて、昂奮するんや」
「……トウジのえっち」
「何言うとんねん。もとはと言えばユカの所為やないか。裸の上にワシのジャージなんか着てくるから、ワシめちゃめちゃ昂奮して、頭おかしなるか思うたんやで」
「だって、『そうすれば男の子はイチコロよん』って」
「……またミサトさんかい」
 その言葉に、トウジは思わず溜息を吐いた。一体何を教えているのだろう、あの人は。トウジの中のミサトのイメージが、がらがらと音を立てて崩れていく。
 トウジに抱き締められたまま、ユカは自分の上半身を覆ったタンクトップを軽く持ち上げて見せた。下に何も身に付けていないために、そんな僅かな動きでも脇から桜色の乳首がちょこんと顔を覗かせたりする。トウジはごくりと生唾を飲んだ。
「リツコさんも『着たままの方が殿方に受けるわよ』って言ってた。なんか、脱がせる楽しみがあるんだって。トウジも、脱がせてみたい?」
 その言葉に、トウジは思わず想像していた。
 制服姿のユカを組み敷いている自分、その躯を覆った制服を一枚ずつ脱がせている自分、その過程にたまらなく昂奮していく自分――
 びくん、とペニスが痙攣し、むくむくと鎌首を擡げていく。先端がお臍をくすぐる感触に、ユカはくすぐったそうに微笑った。
「あ、おっきくなった……」
 悪戯っぽく言って、ユカはトウジのペニスに股間を擦り付けた。赤くなっているトウジを嬉しそうに見つめて、するするとタンクトップを捲り上げていく。真っ白なお腹が露わになり、張りのある豊かな乳房が僅かに覗いた。
 だが、全部見せたりはしない。あくまでもチラリと見せる程度に留めて、トウジを誘惑する。小悪魔のようにその可愛らしい仕種に、トウジは頭がぼうっとしてくる感覚を覚えていた。彼女を組み敷いてそのまま犯しぬきたいという衝動が股間から湧き起こる。が、それを抑えて、トウジはぎゅっとユカを抱き締めた。
「あ……んふぅっ」
 耳にキスされて、ユカが可愛らしい声を洩らす。ふっと息を吹きかけながら耳朶を甘噛みし、耳に舌を這わせていくと、ユカは首筋に縋りつくようにして躯を震わせた。
「やっ、そこ、だめぇ……ヘンになっちゃうからぁ……」
「なってもええよ。ユカやったら、どんなんなってもワシはかまへん」
「あぁ……」
 トウジの科白に、ユカは歓喜の声を洩らす。トウジの頭を抱え込むようにして、唇を重ねてきた。甘えるように鼻を鳴らし、舌を絡めてくる。それが嬉しくて、トウジも彼女に応えてやった。ぴちゃぴちゃという淫靡な音が、夕闇に沈みかけた居間に響く。
 つぅっ、と離れた唇の間を銀糸がつなぎ、途中で切れて顎を濡らした。うっとりした顔でトウジを見つめながら、ユカは恥ずかしそうに呟いた。
「……欲しくなっちゃった……」
 言いながら、トウジのペニスに手を伸ばす。トウジのそれも、すっかりビンビンに屹立して準備を整えていた。
「いれる、ね」
 トウジの肩に片手をかけながら、ユカはお尻を持ち上げた。片手でトウジのペニスを掴んで、自らの濡れそぼった秘唇へ導いていく。くちゅ、と先端が潤んだ秘唇に触れた瞬間、トウジは太腿を戦慄かせた。
「あぅぅ……」
「あ、入ってくる……」
 ズルッと滑りながら先端が潜り込んだかと思うと、ユカはちょっと腰を引いて、そのまま体重をかけて腰をおろした。
「……っは、ぅっ!」
 奥まで一気にめり込んだペニスが、くちゅくちゅとぬかるみながら蠕動する温かい肉襞に包まれて、ひくひくと痙攣する。腰がぶるぶると震える。
「うぁぁ……すごいわ、ユカん中……めっちゃ気持ちええ……」
「あんんっ、深いのぉ……」
 奥まで飲み込んだまま、ユカは甘えたような声を洩らして腰をくねらせた。微かにザラつきながらうねる膣襞に包まれて、トウジは今にも達しそうなほどに感じていた。
 それはユカも同じらしく、トウジの首にしがみついたまま、「きゅうっ」といった感じに可愛い呻き声を洩らす。可愛い顔立ちが桜色に染まって弛緩し、開きっ放しの口許に白い歯が覗いている。
 喘ぐような吐息を洩らしながら、快感を逃すまいとしっかりトウジにしがみつき、自分から腰を動かし始めるユカ。
「ゆ、ユカぁ……腰が……これ、この動き方、すごいわ……」
「やっ、だめぇ……動かさないで、気持ちいいのっ! お願い、このままイかせてぇっ!」
 その言葉とユカの乱れように、トウジは快感に身を委ねることにした。自分が動かすよりもずっと気持ちいい。ユカが一人で淫らに腰を使っている。
「あ、ああっ! あああっ」
 くいくいっと根元から先端まで、ユカはトウジのペニスをじっくりと味わうようにして膣の襞でくるみ込んでいく。きつく締め上げてくる肉の鞘にしごき上げられて、トウジははぁはぁとだらしなく喘ぎ声を洩らすことしか出来ない。
「い、イッ! ……っちゃうぅーっ!」
 トウジの腰の上で、ユカは背中を仰け反らせた。膣がきゅーっと収縮して、トウジのペニスを締め上げる。その動きにたまらなくなって、トウジもユカの可憐な腰使いに合わせるように、激しく動き始めた。抜き差しを強烈に繰り返す。子宮口をこつんこつんと小突き上げるように突き上げたかと思うと、抜ける直前まで引き抜き、またずんっと突き込む。
 ユカはもう声も出ない。トウジの首筋に腕を絡めたまま、細かく躯を震わせる。全身をワナワナと震わせ、まっすぐなさらさらの黒髪を振り立てた。
「と、うじっ、いっしょ、……いっしょにぃっ!」
「おお、一緒に、イこうなっ!」
 何度も昇り詰めながら喘ぐように洩らすユカを、ぎゅうっと抱きしめて突き上げながら、トウジは叫んだ。
「うあぁーっ、い、イ……くっ!」
「きゃぅんっ!」
 同時だった。完全に同期したタイミングでお互いに腰をすり合わせ、反り返らせた躯を激しく痙攣させた。
 トウジのペニスに、どぷっと溢れた愛液が吹きかけられるのと同時に、トウジも子宮口に亀頭を押し込むようにして、大量に精液をぶちまけていた。びしゅっ、ぶしゅぅっ、と子宮壁を熱い迸りが物凄い勢いで叩く感覚に、再びユカは達していく。
「はーっ、はーっ」
「……はぁぁ――……」
 しばらくその格好で抱き合ったまま、二人は快楽の残滓の中で意識を漂わせていた。汗ばんだ互いの肌がぬるつく感触が心地いい。
(トウジの赤ちゃん、欲しいな……)
 ぼんやりした意識の片隅で、ユカはふと、そんなことを思った。
 
 とさり、と畳の上にトウジが背中を投げ出した。
 まだ、ユカと絡み合ったままだ。股間はまだ繋がっている。ユカが離れたがらないからだが、トウジももう少しこのままでいたかった。
 汗ばんだ肌を、開け放した窓から網戸越しに吹き込む風がそっと撫でていく。
 辺りはもう、うっすらと暗くなっていた。
「……何か、あったんか?」
 ユカの髪を撫でながら、トウジは訊いた。トウジの胸に頬を押し付けるようにしながら、ユカは彼の手の動きに軽く鼻を鳴らす。
「わたしね……ここにきて、初めてお父さんに会ったの。三つのときにお母さんが死んで、それからは叔父さんのところに預けられてて。何度か会ってる筈なんだけど、全然覚えてないの。お父さんのこと。だから、知らない人だと思ったの」
 ぽつぽつと、ユカは話し始めた。父親のこと。レイのこと。叔父夫婦のこと。
 レイの事故については詳しくは話さなかったが、自分が誰にも愛されていないのではないのかという思いを打ち明けた時には、彼女は再び嗚咽を洩らし始めていた。
「怖かったの……トウジまで、わたしを……要らないって……言うんじゃないかと…思って……こわ、かった、の」
 普段の明るく無邪気な彼女からは想像もつかない話を聞かされて、トウジは言葉を失っていたが、自分の腕の中で肩を震わせているユカを見たら、無性に抱き締めたくなった。だから、彼はそうした。
「大丈夫や。ワシはずっと傍におったる。せやから、もう泣くな」
「……うん」
 暗い天井を見上げながら、トウジは啜り泣くユカの髪を撫でてそう囁いた。すん、と鼻を啜り上げて、ユカが小さく頷く。
 精神的に追い詰められた彼女が自分を逃げ場として選んだことは、トウジとしても嬉しいことだった。彼女が自分に甘えてくるというのは、決して悪い気分ではない。こうして抱き締めていると、彼女の全てを独占しているような気分になってくる。
 彼女は自分を必要としてくれている。
 同時に、自分も彼女を必要としている。
 それが互いに依存しあう関係だったとしても、互いに相手を求め合っているなら、それでいいような気がした。
「……ずっとワシの傍におってくれ」
 トウジのその言葉に、ユカは涙に濡れた顔を上げた。潤んだ黒瞳が自分を見つめてくるのを眩しそうに見つめて、トウジは照れたように笑みを浮かべる。
「それって、プロポーズ?」
「さあ、どうやろ」
 トウジは微笑った。ユカがぷうっと頬を膨らませる。
「どうやろって、それなに? ひどい。わたしを弄んで、飽きたら捨てるつもりなのね」
「そんなことするかい」
 冗談めかしてはいるが、彼女が捨てられることを恐れているのが解ったから、トウジはさらに強くユカの躯を抱き締めた。胸に押し付けられる乳房の感触や、ミルクっぽい匂い、甘やかな香りを放つさらさらの髪、その全てがいとおしい。
「……今日な」
 鼻先を彼女の髪に埋めながら、トウジは言った。
「いいんちょに――洞木に告白されたんや」
「ヒカリちゃんが……」
 びくり、とユカの肩が微かに震える。それをそっと撫でて、トウジは続けた。
「断った。ワシはユカが大事やから、ユカのことが好きやから、洞木の気持ちには応えられへんて、きっぱり言うてきた」
 ユカの躯を抱き締めるトウジの腕に、ぐっと力がこもる。苦しいほどに抱き締められて喘ぎながら、ユカは息をつめるようにしてトウジの言葉を聞いていた。
「アイツ、泣いとった……泣いとったと思う。ワシが泣かせたんや……」
「トウジ……」
「ワシは最低や……」
「そんなことない。そんなことないよ……」
 最低なのは自分だ。ユカはそう思う。自分が割り込まなければ、ヒカリが泣くこともなかったのだ。
 無論、彼を好きになった時点でユカとヒカリは対等なわけで、その意味ではユカが罪悪感を覚える筋合いはないのだが、トウジがヒカリより自分を選んでくれたことを嬉しいと感じている自分が、ユカはちょっと嫌だった。
 だがそれより、トウジがヒカリを泣かせたことで自分を責めていることの方が辛かった。まるで自分を選んだことを後悔しているような気がして、怖い。
「トウジはわたしを選んでくれたんだよね? だったら、そんな風にトウジが自分を責めたら、ヒカリちゃんが余計に可哀想だよ。だから、ヒカリちゃんにお似合いねって言ってもらえるように、がんばろ? ね?」
「せやな……」
 ユカのその言葉に、トウジは曖昧に頷いた。独善的な解釈だとは思いながら、そうでもして割り切らないと、たまらなかった。
 耳の奥に、ヒカリの嗚咽がこびりついて離れない。それを忘れようと、トウジはユカの唇を奪い、躯にしがみついた。汗のひいた肌の上を滑る掌の感触に、ユカが愛らしい鼻息を洩らす。その甘い声で、ヒカリの嗚咽を掻き消して欲しかった。
「なあ……風呂、入ろか……」
 ユカの首筋にキスマークがつくぐらい強く吸い付いて、トウジがポツリと言った。
「お風呂?」
 トウジからのキスにうっとりとなっていたユカは、とろんとなった瞳をトウジに向け、可愛らしく小首を傾げて見せた。
「せや。風呂沸かして、一緒に入ろ」
「えっ……」
 『一緒に』の一言で、ユカの顔が耳まで真っ赤になった。俯いてもじもじと恥らうにしてはすごい格好なのだが、その仕種がまた、たまらなく可愛い。
「でも、今すぐ準備してきても、お風呂沸くまで、時間かかるよ……?」
「先にメシにしたらええやん。ワシ、腹減ったわ。ぎょうさん運動してもたしな」
「ばか……」
 顔を赤らめるユカを引き寄せて、トウジは耳許でさらにすごい要求を出した。顔や耳だけでなく、首筋や胸元まで真っ赤に染まるユカ。でも満更ではないようで、ちょっとウキウキしているようにも見える。
「もぉっ……、どぉしてそーいうえっちなことには頭が回るのぉ?」
 唇を可愛く尖らせて結構ヒドいことを言いながら、ユカは腰を持ち上げて半勃ち状態のペニスを膣から引き抜いた。と同時に、どろりと大量の精液が愛液と混じり合って溢れ出し、ペニスに流れ落ちていく。
 それを見ると、昨夜から通算何回目になるか解らない射精をした後だというのに、底なしの快感を求めてペニスが硬くなっていくのが解って、トウジは苦笑した。
 口で綺麗にしてもらおうかとも思ったが、そうするとまたたまらなくなりそうだったので、傍らのティッシュを取って自分で拭い取る。見ると、ユカも股を開いて拭いていて、トウジの視線を感じると、きっと睨んできた。
「やだ、見ないでよ」
「す、すまん」
 先刻まであんなことをしていたのに、やっぱり後処理をしているのを見られるのは恥ずかしいらしい。
 拭き終えたユカは、立ち上がって灯りを点けた。明るい所で見ると、下半身剥き出しで、ボリュームたっぷりの乳房でタンクトップの胸元を押し上げた美少女の姿と言うのは、たまらなくエロチックに映る。
「恥ずかしいんだから、あんまりジロジロ見ないで」
 鼻の下と股間を伸ばしているトウジを睨みながらそう言って、ユカはぷりぷりのお尻を揺らしながら台所に駆け込んでいった。
 何やらごぞごそと音がしたかと思うと、ぽいっとタンクトップが居間の方に投げられた。顔を上げたトウジの目に、恥ずかしそうに足をもじつかせたユカの姿が飛び込んでくる。ちっちゃなユキノのエプロンのみを纏って、ユカは真っ赤な顔を俯かせていた。
 可愛いフリルのついたワンピースタイプだったが、ユキノのものなので元々サイズが違いすぎる上、ユカの豊かな胸で押し上げられているため、股間の部分はちょっと動けば見えてしまいそうなぐらいに布地が足りなかった。
「……ど、どう……?」
 問うても、応えるのは荒い鼻息だけだった。血走った眼で、トウジは食い入るようにユカの姿に見入っている。
(恥ずかしぃよぉ〜〜)
 彼がどれぐらい昂奮しているかは、剥き出しの股間の状態で一目瞭然だった。このままユカを組み強いて犯しまくりたい、と獣欲に霞んだその眼が言っている。その通りにされたら、きっとはしたなくよがり声を上げてしまうに違いない、とユカは思った。
「じ、じゃあ、ご飯つくるね」
 トウジの視線から逃れるように、ユカは踵を返して台所に逃げ込んだ。だが、背中や剥き出しのお尻にトウジに視線を痛いほどに感じる。今すぐにでもユカを抱きたくてたまらないのを、必死で我慢しているのだ。そんなトウジにあてられて、自分まで昂奮し始めながら、ユカは何気ないような声音を装って言った。
「トウジ、お風呂入れてきてくれる?」
 怖いぐらいの無言で、トウジはのそりと立ち上がった。そのまま一歩足を踏み出した時、思わず「ひっ」と息を飲んでしまう。が、トウジは何も言わずに風呂場の方へ歩いていった。それを見送って、ユカはホッと溜息を洩らした。
 胸がすごくドキドキする。トウジにぎゅっと抱き締められている時のものとも、イきそうで頭の中が真っ白になっていく時のものとも違う感覚。強いて言うなら、満員電車で痴漢されている時や、男の人のいやらしい視線が胸を舐めていく時の感覚に近い。怖いのに、嫌だと思うのに、何故か躯が火照って仕方ない感じ。
「やだ、濡れてる……」
 先刻拭いたばかりなのに、もう愛液を太腿に滴らせているはしたない自分の秘裂に、ユカはそっと息を吐きながら呟いた。
 料理している時、何度手を切りそうになったか解らない。舐めるように見つめてくるトウジの視線に、恥ずかしいのに何故かひどく感じてしまっていて、手元が定まらない。昂奮して味もよく解らなかったから、ちょっと失敗してしまった。
 ありあわせのもので作ったから、レタスチャーハンと冷凍の肉団子を入れたワカメともやしの中華スープぐらいしか出来なかったが、トウジは黙々と食べた。無論、素っ裸のままで、食べている間もユカの躯に視線を這わせてくる。そのいやらしい視線が気になって、ユカは殆ど食べられなかった。
「ほな、風呂入ろか」
「で、でも、洗い物が……」
「そんなん後でええやん」
「あっ」
 言うと、トウジはユカを抱き寄せた。お腹に彼の熱く硬いものが当たる。手がお尻を撫でてくる。彼の肩にしがみついて、ユカは必死で声が漏れるのをこらえた。
「行くで」
「え、きゃっ」
 軽々とユカを横抱きにして、トウジは風呂場へ急いだ。脱衣所の扉は前もって開け放ってある。もどかしげにエプロンの紐を解いて、トウジはユカの唇を貪った。昂奮しきった躯に後押しされるように、ユカも舌を絡めていく。
 はらり、とエプロンが床に落ちた。お互い一糸纏わぬ姿で抱き合いながら、ユカとトウジはぴちゃぴちゃと音を立てていやらしく舌を絡め、唾液を啜る。ややあって唇を離したトウジは、ユカの腰に腕を回して抱き上げ、足下に気をつけながら風呂場の方へと入っていった。
 三人ぐらい同時に入れそうなほど大きな浴槽にはなみなみと湯が満たされ、湯気が浴室を満たしている。タイルの上にユカを降ろしたトウジは、桶でお湯をすくって互いの躯にお湯をかけた。張りのある白い肌の上を、お湯が滑り落ちていくのを見ているだけでたまらなくなる。
「ユカ、躯洗たるわ」
「えっ」
 息を飲むユカには構わず、返事を待たずにトウジはボディソープを手にとった。ユカを椅子に座らせ、その白い腕からゆっくりと、掌で泡立てたボディソープで洗っていく。トウジは、女の子の躯はひどく柔らかなものなのだと改めて実感した。
「恥ずかしいよぉ……」
「ユカの全部を知りたいんや。いやか?」
 トウジのその言葉に、ユカは瞳を潤ませた。自分が挑発したりしなくても、トウジの方からユカを求めてきてくれたことが、ひどく嬉しかった。自分の躯の隅々までトウジに知られるという発想に、恥ずかしさと同時に嬉しさを覚える。
「ずるいぃ……そんなこと言われたら、断れないじゃない……」
 泣き出しそうな顔で、ユカは自分の腕を丁寧に洗っているトウジを見つめた。上腕部から滑り降りて、指の間や指先まで、丁寧にマッサージしていく。
 反対側の腕も同じように洗い終え、ボディソープを再び掌にとったトウジは、首筋から肩、背中を揉み解すように洗っていく。肌の下の筋肉が張っていて、かなり肩がこっているのが解る。優しく揉んでいくと、ユカは気持ちよさそうな声を洩らした。
「あ、それ、気持ちいい……」
「上手いやろ。おじんによう指圧やらされとるからな」
 先刻までの淫靡さを何処かに置き忘れたような声で、トウジは言った。ユカもいつものトウジが帰ってきたのを感じ、ホッとしたように躯の緊張を解いていく。だが、背中を洗い終えたトウジは、ユカの耳許に唇を寄せて囁いた。
「次はユカのおっぱいや」
「え……あっ」
 腋の下から手を入れられ、後ろから抱き締めるようにして、トウジの掌がゆっくりとその感触を味わうようにユカの双丘を揉み込んでいく。
「んふぅっ」
「ああ、柔らこうて気持ちええわ……」
 ボディソープのぬめりがある所為か、かなり乱暴に揉みしだかれている筈なのに気持ちいい。自分の目の前で乳房を男の子の無骨な掌で鷲掴みにされ、つるつる滑る乳首を指先で転がすように挟まれて、ユカは吐息を蕩けさせていった。
「あっ、はぁんっ」
 風呂場なので声が反響する。外に漏れてしまうかもしれない、と思うと、声を出せなくなった。が、声を出すのを我慢していると、余計に快感が募ってくる。
「ふっ…ふぅん……っ」
 頭の中でチカチカと光が散るのを感じながら、ユカは甘えるような鼻息を洩らした。が、もう少し、という所で、トウジは不意に乳房から手を離してしまう。物足りなさそうに鼻を鳴らすユカには構わず、トウジはそのまま掌をお腹に滑らせていった。
 程よく脂肪のついた白いお腹を撫でるように洗って、トウジはいったんユカから躯を離した。背中を預けていた温もりが失われたことに、ユカが寂しそうな顔をする。だが、前に廻ってきたトウジが自分の足の指を丁寧に洗っていくのを見て、ユカの胸に奇妙な感覚が湧き起こってきた。なんだか、奴隷に奉仕させている女王様のような気分になったのだ。
 足指の間や足の裏、ふくらはぎと、トウジの手はゆっくり、しっかり揉み込むようにしてユカの躯を洗っていく。
 流石に太腿に達すると、お互い顔を見合わせて恥ずかしげに顔を赤らめたが、ユカがそっと脚を持ち上げると、トウジはそのまま何も言わずに彼女の柔らかく靱やかな太腿を揉み始めた。二人の顔には、昂奮というより歓びの表情が浮かんでいた。
 だが、指先が足の付け根に至ると、流石にトウジもどうしていいか解らない。舐めたり愛撫したりは出来るようになったが、敏感だといわれる女の子のあそこをどんな風に洗っていいかなど、知る筈もない。また、ユカがそれをさせてくれるとも思えなかったので、諦めてお湯をかけようと手を離しかけたその時――
「まって」
 トウジの手を、ユカの手がそっと掴んだ。そのまま、そっと己の秘所にトウジの指先を誘っていく。
「……ユカのここも、トウジが洗って……」
 そう言うユカの顔は真っ赤だったが、恥ずかしそうな中にも何処か甘えるような、嬉しそうな表情が浮かんでいるのを見て、トウジは覚悟を決めた。
「触って……」
 言って、ユカはトウジの躯を開いた足の間に引き寄せた。
 目の前で、何も隠すもののない、そして何度も愛した可愛い彼女の秘所がひっそりと息づいているのを見て、トウジはごくんと生唾を飲み込んだ。
 白い膚に濡れて貼りついた薄い恥毛はまばらで、可愛い秘裂を隠す役には立っていない。何度もトウジのペニスを迎え入れたとは思えないほど清楚で可愛らしい秘裂は僅かに開き、内側の肉をちょこんと覗かせている。
 指を当てて左右に開くと、ツヤと張りのある小さな花びらが見えた。その奥にはさらに細かな襞に覆われた膣口があり、上部の包皮の下から、ぽつんと可愛いクリトリスが顔を覗かせている。破瓜の際に裂けた膣口の襞の傷は、まだ癒えていないようだった。精液とも愛液ともつかぬ粘液が、開かれた花芯からどくどくと溢れ出してくる。
「綺麗や……」
 トウジは思わずそう呟いていた。
 とてつもなく美しく、淫らな光景に脳髄が痺れてくる。
「トウジが一杯出してくれたから、まだ残ってるんだよ……ね、シャワーで流して……」
 膚を桜色に染めながら、ユカはそんな淫らな言葉を吐いた。自分の言葉や、自らの指で秘裂を開くその行為で昂奮している。
 言われるがままに、トウジはシャワーに手を伸ばし、掌でお湯を受け止めて音頭を確めてから、ユカの秘裂にノズルを向けた。勢いよく注がれるお湯の奔流に流されて、ユカの膣内からどろどろと粘液が零れ出てくる。
 一通り流し終えると、ユカは今度はトウジに掌でよくボディソープを泡立てるように言った。そして、泡を秘唇に纏わせるようにそっと優しく指の腹を滑らせて、拡げられた粘膜を丁寧に洗っていく。その動きにユカは可愛らしく息を弾ませ、トウジはその艶かしい吐息に昂ぶってペニスをひくつかせた。
 ユカもトウジも昂奮しきっていて、互いに顔を見ることが出来なかった。何度も指や口で貪ったとはいえ、こうして自分の指で洗うとまた違った感動がある。
 お湯で泡を流すと、風呂場の灯りの下でツヤツヤとしたピンク色の粘膜が眩しく照り映えて、ひどく淫靡に映った。
つづく



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  あとがき

 はい、というわけで全編ヤリっぱなしの回でした(^^;
 お役に立てましたでしょうか(笑)
 このあたりから、ともすればえっちメインになってしまいそうなのを抑えるようになりました。だって、えっちさせるとつい調子に乗っちゃって、全体のお話のバランスが崩れちゃうんだもん。
 でもこれが結構楽しかったりする(笑)。
 

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