仲人紛争の記 A
「仲人君、我らに力を!仲人君はいつも我らのそばにあるぞ!戦え信徒たちよ!(爆)」
大神官レスの大号令に、いきりたつ神官戦士たち。軍勢としては、セリス軍の4分の1といったところだが、その士気と覇気たるや、負けるに劣らない。若隠居は呟く。
「仲人君に仕える神官戦士たちは、1人で50人の敵を倒せるとか申すが(爆)・・・まあ50人は大袈裟としても、戦力的に見れば互角といってよいじゃろう・・・しかし釜めし将軍の軍勢はいまいずこに・・・」
「若隠居、だいたい今回の紛争の背景が、つかめ申した」
音も無く若隠居の背後に現れかしこまっているのは、密偵A。
「ふむ、それでどういう背景が、今回の紛争の元になっているのぢゃ?」
「若隠居、先制攻撃を仕掛けたのは、どうやらセリス将軍のようでござる。どのような外交交渉がされたかはそれがし、しかと分かりかねますが、最初は釜めし将軍と、おなじ仲人君を愛する(爆)同志として共に手を携え、友好を深め合おうという趣旨のようでござったが、やはり同じ人間への愛というのは両立しないようで(笑)、自分だけのものにしたかったのでござろう。まあそれは、セリス将軍の側だけに、言える事ではないようですが」
「愛とは独占したいという気持ちを伴うからのう・・・釜めし将軍はなにをしておられるのかな?セリス将軍挙兵の一報は、既に耳に入っていると思うが・・・」
「釜めし将軍の軍勢は、城門を閉ざして、とくに変わった動きは見えないようで・・・それがし、諜報活動のために城砦へ入ろうとしましたが、いきり立った釜めし軍の将校にみつかって、あやうく殺られるところだったでござる」
「ま、その方がくたばろうと代わりは幾らでもいるゆえ良いのだが(爆)・・・して、大神官レス殿の挙兵は、やはり、自分の領地が戦禍にさらされることを愁いてのものでござるか?」
「表向きは、「この仲人君の聖地を血で汚す事は許さぬ、正義と仲人君への愛の名をもって、大神官レスはここに義兵をおこすものなり(爆)」という名目でござるが、実際は、仲人君争奪戦に関わって、セリス将軍と釜めし将軍を相討ちにさせ(^^;、漁夫の利を狙うつもりだと・・・それが、釜めし将軍の軍勢がいつになっても現れぬため、当初の予定が狂って、セリス軍の矢面に立つことになってしまったと・・・(爆)」
「もしかして、漁夫の利を狙っているのは、釜めし将軍の方かもしれぬのう・・・まあ、この紛争に参加できる属性を持たぬ若隠居じゃ。せめてこの悲しい(爆)争いを、後世のために記録に残す事にいたそう・・・」
そう言って再び、眼下の戦場に一瞥をくれる若隠居であった。
続く
マエヘツギヘ