「一ヶ所にいれば危険かな・・・?」
あなたは移動することにした。
あなたは、トンネルの入り口から顔を出した。
幸い、あたりに人影はない。
あなたは芝生を駆け下りると、道に出た。
前後を確認したが、美女・・・“鬼”の姿はない。
あなたは小走りに道を走る。
芝生の広場にも、花壇にも“鬼”の姿はない。
出会うのは嫌だが、出会わないのも薄気味悪い。
矛盾するようだが、それが偽らざる気持ちだった。
歩いている間にも、何度かメールが入った。
捕まって女性になってしまった人を知らせるメールだ。
セーラー服やブレザーを着た美少女。
楽しそうに“学生生活”を送っている画像まで添付をされている。
グラビアアイドルにファミレスの店員・・・リクルートスーツ姿の女子大生。
みんな、楽しそうな“女性生活”を送っていそうだが、自分が女性になるのは御免だ。
走りながらタイマーに視線移す。
『58:12』
残りは一分あまり。
逃げ切れる・・・あなたの中に、安心感が出てきた。
後ろを振り返る・・・“鬼”は来ない。
前を見る・・・この先は、Y字路だ。
<左へ曲がろう> <右へ行こう!>