「あわてると危険だ・・・もう少し様子を見よう・・・」
あなたは生垣の陰に座り込んだまま、しばらく様子をうかがっていた。
空を見上げると、よく晴れた秋の青空が広がり、時折白い雲が流れていく。
公園の木には、鳥たちが集まりさえずり声が聞こえてくる。

しかし・・・人の気配は全くない。
これだけの良い天気なのに、この広い公園・・・広い芝生の広場があり、花もきれいに咲いているこの公園に子供を連れて遊びに来る親がいないのは、いったいどういうことなのだろう?
そう、この『ばかばかしいゲーム』を仕掛けたやつが、どのような手を使ったのかは想像もつかないが、人が入るのを止めているのだろう。
『公園の出入り口は封鎖されている』と言ってたじゃないか・・・。
いろいろと思いを巡らせていたあなたは、人の気配を感じて生垣の陰に身をすくめた。

ボブカットの艶やかな黒髪。
黒いスーツを着た女性が生垣の向こうを歩いていく。
女性が立ち止った。
距離は1メートルもないだろう・・・彼女の付けている化粧品だろうか?
甘い匂いが鼻をくすぐる。
普通であれば、あれだけの美人なら、どんな男性でも声をかけたくなるだろう。
しかし、今は『さっさと、どこかに行け!』という思いしかない。
生垣を挟んで息をひそめるあなたと、道に立って辺りの様子をうかがう“鬼”の美女。
人の気配を感じなかったのか、やがて彼女は歩き去って行った。

「・・・あぶなかった・・・」
大きくため息をつき、胸をなで下ろすあなた。
さっき、この場所から移動をしていれば、あの“鬼”と鉢合わせをするか、それともあの中年オヤジのように追い回されて・・・?
想像をして、思わず身震いをするあなた。

辺りの様子をうかがう。
さっきの“鬼”が歩いて行ってからは、“鬼”も、人も、気配は感じない。



さて・・・どうしよう?





                  <そろそろ移動しよう!>     <もう少し、ここにいよう>





























































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