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ドコカノランドから15kmの海上では、イージス護衛艦『まや』が航行していた。
薄暗いCICの中では、モニターや情報表示パネルの照明が光り輝き、乗組員の姿を照らしている。
CICの一角で、鬼瓦のような顔つきの壮年の男が椅子に腰を下ろし、通信士官から電文を受け取っていた。
「なるほど・・・ミサイルで橋を落としてトレーラーの足を止めろ・・・と・・・」
小沢提督は、思わずうめいた。
傍らの電話をとると、小沢は艦橋を呼び出した。
「ドコカノランドから、信号弾は上がったか?」
「上がっていません」
艦橋の見張り要員の答えを聞いた小沢は、
「ドコカノランドの動きに注意しろ・・・信号弾が上がり次第連絡するように!」
「わかりました!!」
小沢は傍らに立つ艦長に命じた。
「艦長! 対地ミサイルの発射用意!!」
小沢は、凛とした声で命じた。
「合図があり次第、橋に向かって発射するぞ!!」
「了解!」
艦長も張りのある声で答えると、管制員達に必要な指示を命じて行った。
あなたは携帯電話のメールを読んで、思わず天を仰いだ。
「これで動けば・・・見つかっちゃうじゃないか・・・」
あなたは思いなおして、坂本修一に電話をした。
しばらくコール音が鳴ると、坂本が電話に出た。
「もしもし、メールを見ましたか?」
『はい・・・見ました・・・』
「ミッション・・・どうしますか?」
『行くしかないでしょう・・・・』
電話の向こうから、坂本のため息が聞こえた。
『ここに100人も来られると、僕達は逃げ切れませんよ・・・・』
「・・・そうですね・・・」
それでは・・・というと、あなたは電話を切った。
坂本は、ミッションに行く覚悟のようだ。
さあ・・・どうしよう・・・・?