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「隠れて様子を見ていた方がいいな・・・・」
あなたは遊園地の中を歩きながら、隠れ場所を探し始めた。
突然、ポケットの中で携帯電話の着信音が鳴り始めた。
『また、誰かが捕まったのか?』
一瞬、そんな思いがよぎったが・・・。
電話を取り出してみると、畑野淳からだ。
「もしもし?」
『畑野です・・・』
「よかった・・・無事だったんだね」
あなたは笑った。
『ミッション・・・ありがとうございました』
「いや・・・お互い様だよ」
あなたの顔に笑みが浮かぶ。
「残り時間、頑張って逃げきろう!」
あなたはそう言うと、電話を切った。
あなたは遊園地の中を歩いている。
あなたの前には、美しい花が咲いている花壇がある。
そして緑色の芝生がよく手入れされている芝の広場。
いつもは子供たちが、ボールやバトミントンで遊んでいる元気な声が響いているであろうその広場には、今はまったく人影がない。
あなたは小さなため息をついた。
ふと見ると、その広場の一角に、たくさんの木が並び、まるでトンネルのようになっている。
「あそこに隠れよう・・・・」
あなたは木のトンネルの中に身を隠した。
大きな木の幹の陰に隠れながら、辺りの様子を窺う。
ここからならば、道を歩く“鬼”の様子も良くわかる。
「これでひと安心だな・・・」
あなたが呟いたその時、空から大きな音が聞こえてきた。