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「行くしかない・・・・か・・・?」
あなたは携帯電話をポケットに戻すと、辺りの様子を窺った。
幸いなことに、“鬼”の姿は見えない。
しかし、上空ではヘリが相変わらずホバーリングをし、2機の戦闘機がゆっくりと旋回を続けている。
ヘリの中では、黒いスカートスーツを着た美女がインカムをつけ、双眼鏡をのぞきながら地上にいるあなた達の姿を探している。
緊急発進をした3機のF−2は“ドコカノランド”から60km離れた洋上で旋回をしながら攻撃命令を待っていた。
F−2のコクピットで操縦桿を握る真田正美中佐は、無線機のスイッチを入れた。
「こちらジャンヌダルクリーダー、只今待機ポイントに到着。 攻撃命令は?」
『こちらE−767、まだ攻撃命令は受けていない・・・・現在位置で待機されたし』
「了解!」
正美は無線機のスイッチを切ると、彼女の左右を飛ぶF−2に視線を移した。
今の彼女がするべきことは、命令に従い静かに待つ事だ・・・・そして、命令が出た時には・・・?
その頃
「よし!」
あなたは意を決して木の陰から道に走り出した。
「来るなよ!」
思わず叫んだ。
遊園地の遊具の、そして建物の陰に隠れながら、あなたは入場ゲートを目指した。
しばらく走ると、T字路に出た。