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あなたは左へ曲り、保存されているSLの陰に身を隠して、辺りの様子を探った。
辺りには誰もいない。
「よし・・・」
あなたは腕に付けられたタイマーをチェックした。
『11:01』
空からは相変わらず、ヘリコプターとジェット機の爆音が聞こえてくる。
あなたは大きく息をつくと、入場ゲートを目指して走り出した。
しばらく走ると、あなたの名前を呼ぶ声が聞こえた。
声の聞こえる方を見ると、畑野がこちらへ走ってくる。
畑野はあなたの顔を見ると安心したのか、顔には笑みが浮かんでいる。
「急ごう!」
あなたは空を見ながら言った。
畑野も肯くと、あなたと一緒に走り出した。
あなた達はレストラン館へ駆け込んだ。
この建物を抜けると入場ゲートだ。
建物の中なら、ヘリや戦闘機に見られる事もない。
しかし・・・背後からあなた達二人を見る視線があった・・・。
「“鬼”です!!」
畑野が悲鳴のような声を上げた。