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あなたは道を逸れると、芝生の広場を一気に駆け抜けた。
美女・・・“鬼”も、しっかりと追いかけてくる。
あなたの顔に、笑みが浮かんだ。
あなたの前には、一本の大木が空に向かってそびえている。
あなたは大木の反対側に回ると、“鬼”に向き直った。
“鬼”も、大木を挟んであなたに対峙した。
その顔には美しい・・・いや、恐ろしい微笑みが浮かんでいる。
“鬼”が左へ回った。
あなたも大木の大きな幹を間に挟んで左へ走る。
“鬼”が立ち止る。
あなたも“鬼”に向き合ったまま、素早く止まった。
“鬼”が今度は右へ走る。
あなたも素早く反応をして右へ走る。
その間にも、残り時間が減っていく。
『00:03』
“鬼”が再び立ち止った。
その表情には、焦りが浮かんでいる。
あなたも素早く立ち止った。
『00:02』
“鬼”が再び左へ走る。
あなたも大木の幹を間に挟んだまま、左へ走る。
『00:01』
“鬼”が急停止した。
あなたも素早く止まり、“鬼”を睨みつけた。
『00:00』
あなたは空に、両腕を突き上げた。
「やった〜〜〜!」
空に向かって、あなたは叫んだ。
あなたの体を、淡い光が包んでいった。