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あなたは左へ曲った。
あなたの右手では、無人のメリーゴーランドが回っている。
いつもなら家族連れやカップルの、楽しい声が聞こえるのだろうが・・・。
あなたは息を切らせながら、後ろを振り返った。
「?!」
あなたを追う美女・・・“鬼”が二人に増えている。
『なぜ、こんな時に?!』
あなたは舌打ちをしながら、疲れた足に鞭打って走る。
荒い息をしながら、タイマーをちらりと見る。
『00:03』
あなたの後を追う“鬼”がスピードを上げる。
『00:02』
「クソ〜〜〜ッ!」
あなたが叫ぶ。
『00:01』
“鬼”との差がどんどん詰まっていく。
『00:00』
「やった〜〜〜〜っ!! 逃げ切ったぞ!!」
あなたは青空に向かって、拳を突き上げた。
やがて淡い光が、あなたを包んでいった・・・・。