第2章:なりきりチャットの基本
用語
- ロールプレイ
- 役を演じること。なりチャでは、キャラクターを演じること。
- ロール
- 「ロールプレイ」の略。なりチャでは、PCの台詞や行動をチャット上に記述すること。或いはその記述そのもの。※版権チャや携帯向けなりきりサイトの多くでは、台詞は含まず描写部分のみを指す。また顔文字・記号・略字の類ではない、文章による描写に限定される。
- PL発言
- PCとしてではなく、PLとして行う発言。
- ROM
- 「Read Only Member」の略。参加せず、見ているだけの人。「Read Only Memory」をもじった和製英語で、英語では「lurker」。
- 秘話
- チャットで、特定の相手にしか見えない発言。内緒話。ささやき。
- タグ
- HTMLやXMLにおいて、テキストを特徴付けるための符号。なりチャでは、掲示板やチャットで文字サイズを変えるためにしばしば使用される。
- レス蹴り
- チャットで、自分への発言を無視すること。
- ログ
- コンピュータが処理を行う際に、その記録として残すもの。なりチャでは、チャットでの発言の記録。
- ログ流し
- チャットのログを押し流すために発言を繰り返すこと。
- ドッペル
- ドイツ語の「ドッペルゲンガー」の略。「分身」を意味する。自分のドッペルゲンガーに会うと数日のうちに死ぬという伝承がある。なりチャでは、同じPCが同時に複数のチャットルームに現れること。またそのPC。
- プチレス
- 僅かな言葉しかない、ごく短いレス。
- 多段レス
- チャットで、相手へのレスを複数回に分けて送ること。またそのようなレス。マルチレス。
- パラレルレス
- 複数の話題を同時並行して進行させること。またそのようなレス。多段レスや長い発言は話題を増やすため、パラレルレスに陥り易い。
発言の形式
なりチャでの発言は「台詞」「描写」「PL発言」「返信対象」に分解することができます。
返信対象
普通のチャットと同じように、誰に対する発言かを示すには「>相手」を用い、どの話題に関する発言かを示すには「<話題」を用います。人数の多い場合は、こうして読み易くすることが必要になります。
佐藤>ああ、あいつなら屋上じゃないか。<野中
「>all」は、その場に居る全員に対する発言であることを意味します。
描写
少し本格的ななりチャでは、台詞だけでなく描写も用います。台本のト書のようなものです。描写は丸括弧( )の中に記入します。
野中>(びくりと飛び上がり)小沢君、びっくりさせないで貰えるかな。
まれに、台詞の方を鉤括弧「 」で括るサイトや、視認性を高めるため隅付き括弧【 】を用いるサイトも見られます。
野中>鼻先に人指し指を突き付けて「1点減点!」と宣告する。
PL発言
PCとしてではなくPLとして発言する場合、括弧の中に「P:発言」または「PL:発言」として書きます。ただしアバウトなサイトでは単に文脈で区別することもあります。
野中>オハヨ。今日は遅かったじゃない。(振り返りながら/いらっしゃいませ~)
初期のなりチャでは、入室・退室時にPL同士が挨拶をするのが一般的でした。しかしなりチャが発展し本格化すると、PLでの挨拶をしないサイトも増えました。慣れないと不躾に見えるかも知れませんが、雰囲気を壊さないようにしたり、しがらみを減らすためです。ルールに明記されていなければ、他の人と同じようにすると良いでしょう。
PL発言は禁止されていたり、必要最小限のみ許可されていたり、推奨されていたりと、サイトによって扱いが大きく異なります。PL発言は必ず秘話で行うサイトもあれば、トラブルを警戒して秘話機能のないサイトもあります。
一般的な注意事項
会話の呼吸
現実では、返事をする間を与えずに話したり、二人いっぺんに話しかけるのは避けます。同様の気遣いはなりチャでも有益です。立て続けに発言すると、相手が返事を打っている最中に邪魔をすることになりかねません。また人数の多い場合は、話題を意識的に合わせないと、別種の会話が同時並行することになります。
多段レスには長所もあります。自分が二段目を送信した直後に、相手から一段目に対するレスが届けば、待ち時間は殆どなくなります。しかし相手が話題を纏めて一回で返して来た場合は、パラレルレスを嫌がっていると考えるべきかも知れません。
小沢>あれ、よく見たら先輩……髪切った?(と身を乗り出す)
野中>いいでしょ別に。何でそんなこと聞くの?(鞄を閉め、逃げるように歩き出す)
レス蹴り
レス蹴りは相手を不快にさせる恐れが強いので、極力避けて下さい。PCが無視する時はしっかりロールします。PLの無視と、PCの無視は全く別のことです。
野中>……。(呼びかけられても歩を緩めない。まるで聞こえていないかのように)
プチレス
相槌を打つだけなど、極端に短いレスばかりするのは避けるべきでしょう。話が続かず、相手は話題を考える負担を強いられるからです。また相手に比べ極端に長いレスも、相手の負担になりかねません。
野中>別に。
ログ荒らし
ログ流しなどを目的に、全くロールプレイになっていない発言をすることは大抵禁止されています。
ドッペル
いわゆる「ドッペル」は多数のサイトで禁止されています。時間軸を狂わせたり、相手の気分を害するからです。複数の部屋に入室し一方をおざなりにする、好みのPC全員に付きまとう、諜報活動を有利に展開するといった行為が過去に問題になりました。しかし掲示板等のペースの遅い媒体との掛け持ちは認められることが多いようです。
チャットルームの使い方
チャットがオープンな場所と個室に分かれている場合、込み入った話や恋人同士の語らいなど、他の人が参加し辛い会話には個室の方が適しているでしょう。また全室が埋まっている時は、長居せず早めに切り上げた方が親切かも知れません。
ログの扱い
チャットのログを無断で人に見せたり、学校や会社のパソコンからチャットすることは考え物です。特にボーイズラブサイトや18禁サイトでは、すべきでないでしょう。自分のチャットが知らないところで人目に触れることを嫌がる人は少なくありません。
文字色
文字色が選択可能な場合、他の人と重ならないよう、また見にくくならないように選びます。これは一般のチャットと同じです。
メールアドレス欄
チャットにメールアドレス欄がある場合、そのサイトの慣例に従って情報を記入します。プロフィールとリンクするチャットが珍しかった時代のオリチャでは、キャラクターの外見や注意事項を記入するのが一般的でした。