第3章:描写

用語

登場ロール
キャラクターを登場させるロール。チャットに入室した直後に行う。入室ロール。
退場ロール
キャラクターを退場させるロール。チャットから退室する直前に行う。退室ロール。
遅レス
世間の標準に比べ、相手に比べ、或いは普段の自分に比べ、レスが遅いこと。またそのようなレス。
置きレス
レスを置き去りにすること。またそのようなレス。例えば、数時間~数日間返事できない場合に「置きレスです」と予め宣言する。置きレス可の場所では、リアルタイムでレスを待ち受ける必要がなく、手隙な時間を利用して遊ぶことができる。
亀レス
(1) 遅レスの同義語。 (2) 置きレスの同義語。
即レス
(1) 遅レスの対義語。 (2) 置きレスの対義語。通称「リアルタイム」「リア」。
リアチャ
(1) PLチャット。 (2) リアルタイム進行のチャット。
ムラレス
レスのペースや長さが一定しないこと。またそのようなレス。

空間の表現

ここでは「空間」を意識したロールプレイの方法を解説します。初期のなりチャでは、入室と同時にPCが登場したことになり、空間の扱いは極めて適当でした。しかし現在では、空間の表現に凝り、登場・退場ロールや行動描写を必須とするサイトが多くなっています。

登場ロール

まず登場ロールがあって初めて、PCが登場したことになります。登場ロールでは「どのように登場するか」「現在どこに居るか」「目立つ特徴」を示すのが一般的です。

例:(黒スーツの男。手提げ袋を片手にやって来ると、部屋のドアをノックする)

どのように遭遇するかを一方的に決めることを避けるため、他のPCへの呼びかけは登場ロールに入れない方が良いとする意見があります。しかし1レス待っても遭遇に至らない場合は、受け身にならず自分から話しかけるべきでしょう。

行動描写

PCが移動したり姿勢を変えたら、そのことを描写します。またその場に居るキャラクターの位置関係を把握して置くことも重要です。

例:(ソファから立ち上がってドアまで歩き、小さく開けて)なんだ……おまえか。

途中で誰かが入室してきたら、現在の位置関係や様子を説明してあげると親切です。ただし相手の登場ロールがあるまで呼びかけは入れないで下さい。

例:(通路側に立ち、半開きのドアを挟んで会話している)>入室者名
退場ロール

退場ロールでは、そのシーンからどのように退場するのかを示します。

例:(何事もなかったかのように、静かにエレベーターの方へ歩き去る)
周囲の状況

時間設定や天候設定が自由なサイトでは、そうした情報を含むロールプレイに注意して下さい。例えば、相手が先に「夕日に染まった町並み」と描写していれば夕方として、「透き通るような青空」と描写していれば快晴としてロールプレイします。

テンポと表現力

テンポ重視の場合

丁寧な描写をすると表現力は増しますが、手間の分だけ会話のテンポが悪くなります。テンポ重視の場合、特に動かないなら描写は省くか、簡潔に済ませます。

例1:からかわれてるだけだよ。
例2:からかわれてるだけだよ(照れ笑い)
表現力重視の場合

逆に表現力重視の場合、キャラクターの小さな動きにも着目します。

例1:からかわれてるだけだよ。(居心地が悪そうに視線を背ける)
例2:からかわれてるだけだよ。(いやいやと首を振るも、口元がにやけている)

描写には、台詞に現れない感情・個性・雰囲気を表現できるという利点があります。単に長くするのではなく、そういった中身を充実させることが大切です。

何を描写するかは、相手の視線を意識して決めると自然な感じになります。例えば相手が遠くに居るなら、表情よりシルエットを描写した方が距離感が出るでしょう。逆に相手に何かを描写して欲しい時は、視線を強調します。

例:どちら様でしたか?(中指で眼鏡を押し上げ、露骨に訝しむ。視線を動かし、靴の汚れ、上着の質、ネクタイの趣味を確かめて行く)

情景描写を丁寧にすれば、臨場感やムードを高めることができます。ただしやり過ぎるとくどくなり、また会話が疎かになることがあります。

例:(風が唸りを上げた途端、ワイパーの軌跡は雨粒で埋まって消える。気象情報を伝えるラジオの、頑なに抑揚のない声が長い沈黙を鮮明にする)……まるで別の世界のことみたいね?(ぽつりと漏らす。サイドガラスを這う指が薄い跡を残していく)
描写スタイルの分化

テンポ重視派と表現力重視派は、さながら水と油です。テンポが遅く会話が進まないことに、或いはロールが雑なことに、互いに不満を抱くからです。そのため現在では短文・中文・長文・超長文にスタイルが分化しています。1分程度で40字前後の発言をするサイトから、20分程度かけて800字前後の発言をするサイトまであります。

テンポと表現力のどちらを重視すべきかはサイト次第ですが、同じサイトでも個人差があるので相手に合わせてロールすることが大切です。また場面によっても変わります。人数が多いと、描写をある程度抑える必要に迫られるでしょう。

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