第9章:PL交流
用語
- なりメ
- 「なりきりメール」の略。自分と異なるキャラクターになりきってメールを交換すること。
- PLチャット
- PCとしてではなく、PLとして会話するためのチャット。素茶。
- オフ会
- ネットワーク上で活動するグループのメンバーが、オフラインで顔を合わせる会合。
- キャラページ
- PCやPLの情報を発信するウェブページ。プロフィール・小説・イラストが掲載されていたり、日記・掲示板・チャットなどが設置されていることが多い。
- 自宅茶
- キャラページに備え付けられているものなど、参加者が自前で用意したチャット。
- ストーカー
- なりチャでは、特定のPCやPLに執拗に付きまとう人。
- プロバメール
- フリーメールサービスのものではない、プロバイダの提供するメールアドレス。
PL交流の目的
PL交流がなりチャに与える影響には功罪あり、盛んなサイトも禁止されているサイトもあります。ただし初めからPL交流が目当てでは迷惑になるでしょう。アダルトサイトで発展したイメチャとは違い、殆どのなりチャは出会い目的の利用を歓迎しません。
PL交流を始める現実的な動機は、「サイトが閉鎖しても相手と引き続き遊びたいから」或いは「PL交流自体が楽しいから」である場合が大半です。またスケジュール調整のために相手の環境を知りたい、不満の解消や技術の向上のために話を聞きたいという人も居ます。一方で、PL交流をしてしまうとPCに感情移入できなくなる人や、人間関係上のストレスからPL交流を嫌っている人も少なくありません。
PL交流と内輪化
同じ趣味を持つ人、気の合う人は貴重です。気心の知れた仲間とは、くだけた話もできます。そういった仲間内の楽しみを重視するのも一つのプレイスタイルです。しかし過度の内輪化には次のような欠点もあります。
サイトが内輪化すると、純粋になりチャを楽しめなくなります。PL付き合いをしないとPCも孤立し、またPLの力関係がPCの世界でも存続するからです。ログやPL情報を裏で回すことで格差が生じる場合もあります。バトル中にメッセンジャーで味方を呼ぶなど、PCの世界の状況を操作するためにPL交流が利用されることもあります。知り合いの居ない新規の参加者は、居つかなくなります。
また時間と共に馴れ合いが進行します。例えば、PL交流の方が中心になり、PLチャットに入り浸るなどして、実際にプレイしなくなります。PL交流はPCの出現率の低下や人間関係の固定化を招き、ロール姿勢を緩ませがちです。サイトを長期間維持するには、活力が失われないよう、時に襟を正すことが大切です。
PL交流否定派も受け入れるサイトでは、PL交流がPCの世界に強く反映されないよう自戒する必要があります。しかしPL交流の影響を完全に消すことは不可能です。どうしても気になる人は、PL交流禁止のサイトを選ぶと良いでしょう。
PL交流禁止でも、キャラサイトでのPL交流までは禁止していない場合、実際にはPL交流が盛んなこともあります。また完全禁止のサイトでも、知り合いが居ることはあり得ます。例えば、メールアドレスによって知り合いが同じサイトに参加していると判明する場合や、サイトの運営スタッフがPLとしても参加する場合です。こうした状況では、知り合いであることを表に出さず、またその関係を悪用しないのが賢明でしょう。
PL交流と自己防衛
「危ないから」など、その人のためという理由のみでPL交流を規制しては、個人の自由を尊重しているとは言えないでしょう。しかし自由を享受するには責任能力が必要なことも確かです。まず誰にも迷惑をかけず、また自分自身で身を守れる必要があります。
簡単に信用しない
ネット上では、嘘は街角の落書きのように身近です。自称と事実が異なるのは当たり前ですし、「入院した」「死亡した」などの狂言は使い古されています。なりすまし・自作自演・捏造といった事件も存在します。不自然な話や都合のいい話は疑うようにして下さい。特に又聞きの情報は鵜呑みにすべきではありません。
一般的な傾向として、若者ほど人を信用しがちです。しかし相手が本当に信用できるかどうかは、短期間の会話からは分かりません。個人情報を安易に教えると思わぬ被害に遭う可能性もあります。公開するのは無料のメールアドレスにしておいた方が安全です。またお金の貸し借りだけは絶対にしないで下さい。
頭を冷やす
ピタゴラスの言葉に「怒りは常に愚考に始まり悔恨に終わる」というものがあります。感情的に文章を書いた場合は、送信ボタンを押す前に再考して下さい。後で恥ずかしい思いをするかも知れません。
口を慎む
PLでの陰口は、相手の信用を傷つけ、時に報復を招きます。また裏で個人攻撃されていないかとの不安・疑心が広まり、サイトの雰囲気が悪化します。言った本人に自覚がなくとも、陰口を聞かされたPLはどちらと仲良くするか選択を強いられ、派閥化も進みます。正当な苦情ならば管理人に報告し、ガス抜きならば場所と相手を選び、他のPLを巻き込まないよう配慮して下さい。人の口に戸を立てることは難しく、不用意に愚痴を零すと事態は当事者の予想を超えて拡大し、舌禍を招くことがしばしばです。
ストーカー対策
付きまとわれて困っている場合は、まず明確な意思表示を行います。どうしても言いにくい場合は、GMから伝えて貰えないか相談して見るのも一つの方法です。逆に意思表示を受けた場合は、相手の個人情報を処分して忘れて下さい。
オフ会
20歳未満の場合、オフ会などではアルコールが出るかどうか予め責任者に確認した方が良いでしょう。その場の大人は責任を持って未成年者の飲酒を止め、また夜遅くなる前に帰宅させて下さい。東京都では条例で次のように定められています。
何人も、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜(午後11時から翌日午前4時まで)に青少年(18歳未満の者)を連れ出し、同伴し、又はとどめてはならない。
他のPLと個人的に会う場合は更に注意が必要です。初対面では人通りの多い場所で会い、公共交通機関を利用してください。車は密室となるため、よく犯罪に利用されます。女性の場合、慎重を期すならば知り合いを誘って3人以上で会うとよいでしょう。