第10章:ライティング
用語
- 機種依存文字
- 標準規格になく、特定の環境でしか正しく表示されない文字。i-modeの絵文字や、Shift-JISの丸囲み文字・ローマ数字・単位記号など。
- 半角カナ
- 一般的な環境では、全角カナよりも狭い幅で表示されるカタカナ。一部のメールソフトで文字化けし、また旧式のメールサーバーが誤作動を起こした例があることから、メールで半角カナを使用するのはマナー違反とする意見がある。なりチャでは一時期、半角カナはチャットサーバーを誤作動させるという誤解が広まった。
- 三点リーダ
- 「…」のこと。「……」と二つ並べ、二倍リーダにするのが一般的。「リーダ」とは点線のこと。中黒「・」を連続させて代用するのはよくある間違いで、数字の「0」の代わりにアルファベットの「O」を用いるようなもの。しかし入力し易さや見た目の印象から、意図的に中黒を用いる人もいる。
- HTMLメール
- HTMLで記述されたメール。HTMLは主にウェブページの記述に使用される言語で、HTMLメールはテキストメールに比べ多彩な表現ができる。しかしデータサイズが大きい、セキュリティ上の危険がある、未対応のメールソフトで読めないといった問題があるため、了解を得ないで送るべきではないとされる。
- フレーミング
- 「flaming」。感情的・挑発的・侮辱的であるなど、相手の感情を逆撫でする攻撃的な書き込み。顔の見えないネット上では、共感能力が低下し感情が過熱しやすく、些細な諍いが燎原の火のように発展することが多い。フレーム合戦に陥った場合、望ましい対処法は燃料をくべないこと。つまり会話を打ち切り、無視を決め込むこと。
メールの書き方
年齢制限をしているサイトなどでは、メールの書き方が悪いと参加を断られる可能性もあります。書き方はネチケットのサイトや専門の書籍を参考にして下さい。以下に一例を示します。
- 件名は内容が分かるようにします。相手のメールアドレスは、なりチャ専用とは限らないことに留意して下さい。
- ビジネスメールの場合は、一行目に宛名を書くことが多いようです。そうした方が丁寧ですが、なりチャでは省略しても構わないでしょう。
- 書き出しで名乗り、簡単に挨拶をします。長い挨拶は読み手の負担になるため、必ずしも礼儀正しいとは言えません。
- 必要以上に長文にならないよう、文章は簡潔に、引用は最小限にします。
- 主文の後に「お手数ですが宜しくお願いします」「用件のみですが、失礼します」など、締めくくりの言葉を入れます。
- 改行を使い、体裁を整えます。一行は全角35字以内が良いでしょう。
- 最後に署名します。名前と返信先を書いておけば問題ありません。
半角カナは様々な理由で嫌う人が多いので、必要がなければあえて使わない方が安全でしょう。HTMLメールや添付ファイルは、いきなり送ると迷惑になることがあります。携帯電話にメールを送る場合は、起こさないよう深夜は避けた方が親切かも知れません。
文章の書き方
言葉遣い
なりチャでは参加者同士の摩擦を減らすことが重視され、常識や言葉遣いに敏感なサイトが増えました。一般論として、丁寧な言葉遣いは相手への敬意を表します。また時には、まだ距離を置こうという合図になります。初対面で省略すると失礼になり、一方的に省略すると馴れ馴れしくなります。
しかし他人行儀な挨拶にカルチャーショックを感じる人も居るでしょう。十代の参加者が多いサイトなどでは、堅苦しい文体を避け親近感やその場の楽しさを大切にすることがあります。どちらが優れているとも言えません。何を重視するかによって、正しい方法は異なるからです。マナーが集団によって変わる好例です。
括弧内略字
絵文字や「(笑)」などの括弧内略字を親しみ易いと思う人もいれば、不快に思う人もいます。「(笑)」は部分的に市民権を得たとも言われますが、「(爆)」「(滅)」「(死)」などは広く認められた書き方ではありません。相手を選ぶ必要があります。
三点リーダ
三点リーダの代わりに中黒を連続させると、印刷したり等幅フォントで見る場合に不恰好になります。中黒の連続を嫌う人も居るので、特にこだわりがないなら三点リーダの使用をお勧めします。しかしあまり神経質になる必要もないと思います。国語や表記の間違いは多かれ少なかれ誰でもするもので、細かい批判は五十歩百歩になりがちです。模範的な表記を知りたい場合は、校正用の書籍が役立ちます。
機種依存文字
機種依存文字は、限られた環境でしか正しく表示されません。例えばWindowsでは正常に表示されても、Macintoshでは文字化けすることがあります。不特定多数が目にする文章では使わない方がより良いでしょう。代表的な機種依存文字は以下の通りです。
- 合成文字
- ㍉ ㌔ ㌢ ㍍ ㌘ ㌧ ㌃ ㌶ ㍑ ㍗ ㌍ ㌦ ㌣ ㌫ ㍊ ㌻ ㎜ ㎝ ㎞ ㎎ ㎏ ㏄ ㎡ ㍻ ㍾ ㍽ ㍼ ㈱ ㈲ ㈹ № ㏍ ℡
- 丸囲み文字
- ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ ⑳ ㊤ ㊥ ㊦ ㊧ ㊨
- ローマ数字
- Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ Ⅹ ⅰ ⅱ ⅲ ⅳ ⅴ ⅵ ⅶ ⅷ ⅸ ⅹ
- 縦書き用文字
- 〝 〟
合成文字は「ミリ」「mm」「平成」「(株)」のように分解し、丸囲み文字は「(1)」「(上)」のような括弧付き文字で置き換え、ローマ数字は「VIII」「ix」のようにアルファベットの「I」「V」「X」「i」「v」「x」を使って書けば安全です。
読みやすさ
読みやすさは上手なロールの条件でもあります。作文のノウハウは専門の書籍にお任せしますが、基本的には以下のようなことに気を付けると良いでしょう。
- 文脈を意識し、主語・述語・修飾関係を明確にすること。
- 長い文は、幾つかの短い文に分割すること。一文が長くなると、内容が頭に入り辛くなります。
- 書いても書かなくてもよいことは、書かないこと。冗長な文章は散漫になりがちです。流れや見通しが悪くなり、重要な情報が埋没します。
- 同じ表現の繰り返しは避けること。語彙が少ないと文章は単調になり、子供っぽく見えます。ただし基本用語の統一や、強調表現・言葉遊びとしての繰り返しは一向に構いません。
- 分かり易い表現を選ぶこと。目的もなく難読漢字・難解な言い回し・カタカナ語を多用すると、本人にしか理解できない悪文になりがちです。ただし曖昧さを排除する作業の結果として文章が難解になるのは、ある程度やむを得ません。
- 文法の間違いや、誤字脱字を減らすこと。助詞の使い方が間違っていたり、誤変換があると読み辛くなります。甚だしい場合、手を抜いているとの印象を読み手に与える恐れがあります。