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「千成さん。鏡に切り替えます。」


秋也は背を向けたまま、隆志にそう告げて再びキィを叩き始める。
生徒の首輪情報をすりかえると同時に
金網に張り巡らされた温度感知機のデータも同様に、偽のデータにすりかえた。


隆志は”ああ”と答え、中央の大きなインターフェースに目をやる。
技術員の一人が隆志に報告する。


「捕獲候補、上がりました。」


技術員を一瞥し、隆志は


「写せ。」


と答えた。


インターフェースのマップ、地形と、生徒を表すドットに加えて
政府の兵士待機所が示される。
そしてその周辺、兵士が5分以内に到達できる範囲を赤く染める。
赤色に染められたエリア内の生徒のドットが消える。
リスクを最小限に留める為だ。
そして、3人以上のグループのドットも消える。
本作戦では対象外。
あまり多くの生徒を一度に捕獲すると言う行為は、明らかに手間がかかる。
さらに20分以内に移動した生徒達もマップ上から消される。


そういった本作戦での捕獲対象として残ったのは、二つのドット。
青の20と、赤の13。


「最短距離でマルゴー班です。」


と、技術員がつけ加えたのを聞き、隆志はインカムをオンにする。


「ガッ――マルゴー班、応答しろ。――」


「ギッガ――マルゴーです。どうぞ?――」


「ンガ――ターゲットが決まった、青20と赤13。I−4だ。動きはない。」


「ガッ――マルゴー了解。――ッ」


「ガッ――マルサンが東、マルヨン西で援護。マルフタとマルヒトは撤収。マルロクは待機。以上。―ッ」


「ッ―― マルヒト班了解です。以上。 ―ガ―――――」


「ッガ― マルサン班了解しましたー。以上ー。 ―ガー」


「ンガ― マルヨン班了解ッス。以上ッス。 ―ガッガ―」


「ガ―ッ― マルロク班リョーカイ。以上っ。 ―ガッ―ッ」


「ガッ――マルフタどうした?――ガッ」


「―ガッ マルフタ応答しろ――ッ」


「ガッ――おい!マルフタ!康明っ!応答しろっ――ガッ」


「ガッ―・・・・・・。了解できないよ。千成さん。――ガゥ」


「ガッ――ふざけてるのか?康明。――ッ」


「ガッ――そんな命令、了解できないって言ってんですよ。―ガ 」














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