「I.C突破されました!! 」
「くそ! 追え! なんとしても追え! 」
政府本部に怒号が飛びかう。
「包囲ずみの西エリア、原因不明の爆炎があがってます! 陸軍の武装ではあの火力はありえません!! 」
「通信回復させろ! 詳細を聞け! 」
「通信回復! ――――応答ありません! 」
「バカやろう! なんとかしろ! 」
堀田の顔色がどんどんと青くなる。額の汗が冷たい液体に変わっていく。
「―――応答ありません! 指示を! 」
「くっ――」
政府直通の電話が鳴り響く。
堀田はその着信音に気づかぬふりをした。
内容などわかりきっていた。
そこにあるのは死の宣告だけだ。
堀田は吹き上がる汗をぬぐいもせずに、ただ呆然と立ち尽くした。
「堀田副指揮官! 指示を―――