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「ぼくのおかあさん」
ぼくのおうちはおとうさんがいません。
よくわからないけどりこんというやつです。
だからぼくのおうちにはおかあさんしかいません。
ぼくのおかあさんはおそとがまっくらになってからおしごとにいきます。
おひさまがあかるくなるころにかえってきます。
いつもしらないおじさんをおうちにつれてきておかあさんのへやでプロレすごっこをしています。
おようふくをぜんぶぬがして、おじさんはいつもおかあさんをいじめます。
だからぼくはおじさんたちがきらいです。
はなしかけてきてもおへんじしません。
だからいつもおじさんはぼくをぶちます。
おかあさんもいつもぼくをぶちます。
でもぼくはおかあさんのことがすきです。
だいすきです。
だからもっといいこになろうとおもいます。
いいこになればおかあさんもぶたないとおもいます。
きょうもおかあさんはしらないおじさんをおうちにつれてきました。
そしてきょうもプロレスごっこをしています。
おかあさんはないているみたいだからぼくはおじさんをやっつけようとおもいました。
でもおじさんのほうがちからがつよいのでぼくはおだいどころにいっておりょうりにつかうほうちょうをもってきました。
これをみせればおじさんはびっくりしちゃうはずです。
きのうてれびでやってました。
でもおじさんはほうちょうをみてとてもおこりました。
そしてぼくをぶちました。
すごくいたかったからしかえしてしてやろうとおもいました。
ほうちょうをおじさんのおなかにさしました。
まっかなちがたくさんでました。
でもおじさんをやっつけることができました。
だけどおかあさんはすごくおこりました。
「あんたなんかうまなきゃよかった」といいました。
おかあさんはぼくのことなんかきらいだといいました。
だからぼくもおかあさんのことをきらいになりました。
おかあさんのおなかにおじさんのときのようにほうちょうをさしました。
でもおかあさんは「いたい」といってあばれました。
さっきのおじさんみたくおとなしくならないのでなんどもほうちょうをさしました。
おかあさんはあばれてるときに「ころすならはやくころして」っていってました。
おかあさんはまっかなちをだしておじさんみたいにうごかなくなりました。
ぼくはおかあさんをころしました。
おわり
大東亜児童福祉保護センター内参考資料 [幼児虐待による報復行動]
丸木一裕 7歳 による犯行直後の作文より全文引用。
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