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2001年6月12日。
二人は空港にいた。
秋也の気持ちを縛り付けていた、”典子を、親友の大切な人を守る”という使命感から解放されてしまえば、答えは簡単に出た。
戦う。
川田のためでもなく、慶時のためでもなく。
死んでしまったクラスメイトのためでもなく。
約束のためでもなく。
自分達のために。
4年近く経った今では、典子に愛してると告げることも出来た。
二人の愛の結晶ともいえる、子供も生まれた。
今日、この地に降り立ったのは終わりにするためではない。
始めるためだ。
狂ったあの国との戦いを。
「久しぶりだね・・・・・。」
「あぁ・・・・・。」
「もう・・・ずいぶん前の気がするな・・・。」
「本当に・・・寄らなくて良いのか?・・・・」
「・・・・・・うん・・・・。迷惑・・・・かけちゃうと思うから・・・。」
「・・・・・。」
「大丈夫。・・・・あたしにはあなたがいるから・・・。」
「・・・・・・・あぁ・・・・。」
「ね?秋也。」
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