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午後2時半、千成比呂の家の電話が鳴った。
平日の午後、昼から降り出した雨は少し弱くなっていた。
「もしもし・・・・」
受話器を取ったのは比呂の父親、隆志だった。
「・・・・・・ああ君か・・・・」
「・・・・・・ああ」
「・・・うん。」
「・・・・・そうだ、俺の息子の学校だ。・・・・・」
「・・・・・・その、まさかだよ・・・・・。」
「・・・・・・うん・・・・・・」
「ああ・・・・・間違いない、さっき軍が来た・・・・・・・」
「・・・・・・・そうか、わかってるよ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・わかった。変更はないな?・・・・・」
「・・・・・・?さぁな・・・・・」
「・・・・・・・・わかった・・・・・」
「・・・・あまり長くなると聞かれるぞ・・・・・」
「・・・・・・ああ・・・わかった・・・・」
「・・・・・それじゃ・・・・・典子ちゃんによろしくナ・・・・・」
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