第1章:ルールの抜け穴・落とし穴(第5節)

初版2007年3月29日 著者:草加床ノ間


ノーテンリーチの使い方

 また品の無いタイトルである。品の無さに重点を置いているのがこのサイトだから当然であるが。

 さて本題に入るが,ノーテンリーチをした場合,荒牌(ツモる牌が無くなって流局する)後に手牌を開いてノーテンだったら罰則,途中で誰かが和了すればノーテンだったかどうかの確認すらされない・・・というルールを採用しているグループが多いかと思う。

 これは,正当な和了とチョンボが同時に起きると,正当な和了が優先され,チョンボはなかったことになるという規定によるものと思われる。

 そうすると,ノーテンリーチにより他家の捨て牌を陽動することが可能となる場合がある。

 例えば,自分の捨て牌で筒子(ピンズ)を安くしてノーテンリーチをかければ,筒子の出やすい局を作ることができる。うまくいかないかも知れないけど。

 嫌がらせならどうとでも使える。嫌いな人が僅差トップで逃げ切りの仕掛けをしてきたとき,ノーテンリーチで足止めさせることは可能である。

 ノーテンリーチは主にコンビ打ちで相方の和了牌を捨てさせやすくするために用いられてきたが,ここでは単独で利用できる場合を考える。

 まあでも,そう簡単な利用法があれば何か対策のルールがあるはずであり,他家の和了がないとチョンボになってしまうため,放銃の誘導が条件になる。

 南四局のオーラスで,東家:12,000点,南家:33,000点,西家:34,200点,北家:24,800点で,あなたは南家であるとしよう。

 東家が中一索を続けてポンしてきた。八巡目,東家の捨て牌は二筒伍萬八筒七索北七筒三萬白である。

 ドラは九筒中のポンのとき八筒捨てで,一索のポンのときは七索捨て。七筒白はツモ切り。

 東家が決め打ちを多用しているのを,南家であるあなたは知っている。だから,三巡目の八筒九筒を対子で持っていることはほぼ確定と考えた。

 その前の二巡目の伍萬切りが気になるが,後の三萬の手出しによって一萬三萬三萬伍萬または一萬一萬三萬伍萬の複合面子の処理と思われた。

 二萬三萬三萬伍萬からの伍萬はないだろう。この場合なら捨てるのが多少早いと思われる。混全帯幺(チャンタ)を意識したものと読んだ。

 つまり,一萬二萬は危険牌だ。5800点以上あるだろう。

 あなたは三萬四萬伍萬の順子を持っている。伍萬四萬の順に捨てて三萬でノーテンリーチ。

 その二巡後,暫定トップの西家が一萬で東家に放銃。東家の手(副露したもの以外)は一萬一萬九筒九筒七索八索九索であり満貫。

 その結果,東家:25,000点,南家:32,000点,西家:22,200点,北家:24,800点となった。

 僅差でトップになっている場合は,弱腰になっている場合が多い。聴牌かどうか分からない東家よりも南家(あなた)のノーテンリーチのほうに目が行ってしまう。

 もちろん,今挙げた例は滅多にというか,使える時など無いに等しい。自分で東家の和了牌を引いてきたら終わりだ。

 だが,そういう技に限っていざというときに役立ったりもするのである。

 まあ,失敗して罰符ばっかり支払っていると,そのうちお声が掛からなくなるでしょう。


いつから「地和は散家の第一ツモによる和了」になったんだ?

 1970〜80年代の解説本には,きちんと地和は荘家(親)の第一打牌による散家(子)の和了となっていた・・・ような気がする。

 ちなみに,便宜的に配牌と同時に持って来る荘家の第一ツモは「天牌」と呼ばれていたらしく,天牌での和了ということで天和。

 地和は捨て牌を打つところを地と言い,地に初めて置かれた牌による和了ということである。

 捨て牌を打つところは河ではないのか?という人もいるだろう。

 だが,河は中国の麻雀には無い(多分^^;)。香港映画で麻雀のシーンを見たことがあれば分かると思うが,彼らは自分の捨て牌は並べて置かずに卓の中央の好きな場所に置くだけだ。

 だから,よく覚えておかないと誰が捨てた牌かの区別もつかず,もちろんフリテンもない。ロンあがりでも3人で点数を払う。

 では河底撈魚という役があるが,どうなんだ?と思うかも知れないが,実はこの役は日本製である。戦前に,木村なんとか八段(昔の本に載っていたが見つからない,段位も八段だったか怪しい)が命名したとされる。

 そして,人和も日本製。天・地とくれば人ということらしい。林茂光(りんもこう・筆名だったと思う)氏が命名した。が,しかし本家の中国と名前がかぶっていた(笑)しかも全然違う意味。

 しかし,この両役はセンスのいい名前だと思う。「一発」に始まる現在のインフレ役のネーミングとは大違いだよ,まったく。

 さて,話が大きく横道にそれたが,「地和は散家(子)の第一ツモによる和了」としたとき多少具合の悪いところがある。

 人和の採用のしかたであるが,これを倍満など役満より低い点数にした場合,地和より早い自分のツモの前に和了して人和なるが,地和より低い得点となってしまう。

 あと私の好みであるが,役の発生順序が天和→人和→地和になってしまう。原義どおり荘家の第一打牌にしたほうが,天和→地和→人和という発生順番になる。

 地和を荘家の第一打牌による散家の和了とした場合,人和は散家の自分のツモまでの純粋な一巡目の栄和(ロンあがり)および純粋な一巡目の自摸和(ツモあがり)となる。すべて役満扱いでいいと思う。

 あと,人和を純粋な一巡目なら自分のツモ後でも有効とするルールがある(つまり,荘家のダブルリーチ一発は人和)が,個人的にちょっとどうかなと思う。

 滅多に発生しないが頭の中に入れておいて損は無いと思う。全て役満扱いにするなら,役の名前が違うだけだが。

 「檄(げき)を飛ばす」という言葉がある。正しい意味は「自分の考えを広く知らせて行動を起こさせるようにする」であるが,いつのまにか「他人を元気付けるために活を入れる」ような意味になってしまっている。それと似たようなことが「地和」には起きているようだ。

 そう言えば,私は地和に放銃したことがある。手積みだったがイカサマではなかった。

 高校2年のときで,どんな手だったかは忘れたが,南家へ嵌張の8筒に放銃したことは覚えている。もちろん,そのときのあがり役は「地和」として扱われた。

 次の日,学校に行きたくなかったのは言うまでもない。


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