初版2007年4月11日 第2版2007年4月29日 著者:草加床ノ間
七対子の点数計算もグループによってまちまちである。現在の方法は,既存の点数計算に後から継ぎ足しのように入れたような気配が残る感じがする。
100点,25符2飜,50符1飜の2飜相当・・・この3つは基本的に同じである。
散家(子)で,七対子のみのとき1,600点となり,それから1飜増えるごとに3,200点,6,400点となる。役自体は2飜扱いで,2飜しばりを満たす。
また,30符2飜としているところもある。この場合は散家(子)で,七対子のみのとき2,000点となり,それから1飜増えるごとに3,900点,7,700点となる。
七対子は門前清加符やツモ点など一切無い。よって七対子だけ,門前清自摸和(メンゼンツモ)による得点が2倍になる(もちろん,満貫以上は別)。他は,門前清栄和の10符がなくなるため2倍にはならない。
例えば,上記の牌図を栄和(ロンあがり)した場合,和底(副底,符底)の20符しかない。
この20符をそのまま計算する場合と,副露された平和形の栄和(ロンあがり)は特別に30符にする場合がある。
散家(子)の場合,20符なら20×4×4×2=640で700点,30符なら30×4×4×2=960で1,000点となる。
私は20符で計算している。30符は理由は色々あるにせよ例外処理だ。そういう例外処理は少ないほうが良いと思う。
ちなみに自摸和(ツモあがり)の場合はツモで2符が加算されるので,30符扱いとなる。
同じ役でも,場所が違えば飜数も違うこともある。
私はレア中役(混老頭,小三元,三槓子,三色同刻)の3飜取りが好きなので,そうさせてもらっていることが多い。
あと,飜数で言えば二盃口が2飜だったり,三暗刻が3飜だったりするところもある。
ローカル役については星の数ほどあり,飜数ともども事前協議は必須である。
ただ,競技者によって「常識」は違うため,本当は役の一覧表を作成し確認しておくべき事項である。
役満も役の一覧表とともに確認しておくべき事項であるが,その中でも「大四喜」「9面待ち九連宝灯」「13面待ち十三幺九(国士無双)」「単吊(単騎)待ち四暗刻」「四槓子」をダブル役満にするグループも多いと思う。
「単騎待ち四暗刻」なんてダブル役満の価値があるか分からないが,聴牌形によって点数を変化させる場合は自摸和(ツモあがり)に注意する必要がある。
ツモ牌を自由に操ることができる人には聴牌形を変えてツモを宣言することなどわけないが・・・
二ゾロを除いた飜数が6〜7で跳満,8〜10で倍満,11〜12で三倍満となっているところが多いと思うが,6〜7で跳満,8〜9で倍満,10〜11で三倍満というのも聞いたことがある。
2符か4符か。どっちでもいいが,決めておかないと思わぬところで・・・
ツモ点は付くでいいと思う。例外は増やさないほうが良いと思う。
ツモ点は付かないけど,門前清自摸和(ツモ)と複合するのも変な話であるが,嶺上開花が加符役としていた時代に,ツモ点が消えていた名残りなのか。
1.和了の優先
頭はね(上家どり)であっても二家和(ダブロン)時には,通常は和了の権利がないときでも,十三幺九(国士無双)に限り権利を逆転させることができるというもの。三家和(トリプルロン)の場合でも,平局にならず十三幺九の競技者の和了となる。
2.暗槓の槍槓
十三幺九(国士無双)に限り,暗槓でも槍槓にて和了できるというもの。
3.十三面待ちのときフリテン片和がりができる
十三幺九(国士無双)で十三面待ち聴牌のとき,自分の捨てている幺九牌と違う牌なら栄和(ロンあがり)できるというもの。十三面待ちをダブル役満扱いするならダブル役満になる・・・かどうかは取り決めだが。
国士無双のこれら3つの特権は例外処理ではあるが,古くから存在し半ば常識化している人も多い。
私はまだ,これらの場面に遭遇したことはないが,それぞれの悶着の種を述べる。
「1.和了の優先」は,和了の権利の移行を明確にする必要がある。頭はねの逆側でも,積み棒やリーチ棒などの供託点も得られるのかどうか。
また,国士無双同士のダブロン時には,頭はね採用時でも2人の和了を認めるのか。積み棒やリーチ棒などの供託点はどうなるのか。そんなこと滅多に無いとは思うけど。
さらにトリプルロンで全員国士無双だったら(笑)理論上は可能性あり。
「2.暗槓の槍槓」は特に悶着の種はなさそう。ドラが発生するしないも関係ないし。
「3.十三面待ちのときフリテン片和がりができる」であるが,前述の通りその場合もダブル役満にするかどうかが1つ。
そして,同巡フリテンの問題も抱えている。同巡フリテンも片和がりOKなのかどうか。十三面待ちのときに同巡フリテン状態になるのは,あからさまな狙い撃ちだけど。
私の考えでは寂しいけど全て「無し」でもいいと思う。歴史のあるルールではあるけど。まあ,「有り」でも悪くはない。どっちなんだ(笑)
緑一色には,
1.發が使用されていなければいけない
2.緑一色の該当する6種類を全て使用していなければならない
の2種類の制限をかけている場合がある。緑一色はそのような制限が無くとも十分難易度の高い役満なので,手牌が緑であればOKでよろしいのでは。
九連宝灯は萬子(マンズ)のみ有効とするルールがある。私も覚えたてのときは,そんな話を聞いたことがある。しかも,9面待ちのみというのもあった。
実際の役ができた歴史が分からないが,牌種にかかわらず9面待ちでなくてもOKでも十分難易度の高い役満だと思う。私はまだそれでも聴牌したことさえない。
四槓子では1人で4回目の槓が起きたときに悶着が発生する可能性がある。
4回目の槓があって嶺上牌を引き,打牌した後,嶺上牌は無くなる。
このとき2人以上での合計で4回目の槓のときは四槓算了(四開槓)となり平局(流局)となる(※1)。
さて,問題の1人で4回目の槓が起きたときであるが,次のようなパターンに分けることができる。
(1)4回目の「カン」の宣言時に和了が成立。暗槓,加槓なら自摸和,大明槓なら放銃とする。ただし,暗槓(国士無双特例採用時のみ),加槓の場合は槍槓がないこと。
(2)4回目の「カン」の宣言し,嶺上牌を引きそれで単騎待ちツモなら和了,そうでなくてもその捨て牌で放銃でなければ和了が成立。その前に槍槓がないことは前項と同じである。
(3)4回目の「カン」は3回目までと同じく嶺上牌を引き和了でなければ打牌を行い単騎待ちで続行し,単騎待ちを和了するまで四槓子は成立しない。
(3−1)この続行状態のとき,5回目の「カン」は禁止とする。「カン」の宣言は誤宣言とする。
(3−2)この続行状態のとき,5回目の「カン」が宣言され,その宣言が正当であることが確認された時点で四槓算了(四開槓)となり平局(流局)となる。
さて,四槓子という役ができた当初は(1)であったらしい。(1)の場合,「ロン」や「ツモ」が和了の宣言ではなく「カン」が和了の宣言となる。
(2)は幺九振切(流し満貫)のように,打牌で放銃でなければ成立する。これは,まだ嶺上牌があるのだから・・・という考えらしい。
(3)は麻雀の和了は四面子一雀頭が基本で,その前に和了が成立するのはおかしいということでできたらしい。
現在の主流は(3)かなあ。(3−1)と(3−2)は分かれるところか。(3−2)は挙げたパターンの中で一番成立が困難なルール解釈である。
まあ,四槓子は幻の役満。悶着で幻にはしたくないところ。どれかの解釈に決めておきたい。
私の意見では(3−1)か。日本プロ麻雀連盟でも(3−1)だった(誤宣言の記述は無かった)。しかし難しい問題だ,一生に一度お目にかかれるかどうかも分からないのに。
(※1)途中平局については,こちら(第4章第2節)を参照されたし。