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朝起きて、朝食を食べてからこの家を去ることにする。滞在させてもらったお礼に100タラ(4000円)ほどお礼に置いていこうと思って、
その家の一番年寄りのおばあさんに「歓迎してくれてありがとう」って渡そうとしたら、首を横に振られる。
おばあさんは英語ができないので、おじさんの通訳によると「おまえは若いんだからいいんだよ。バスに乗っていくんだから
運賃に使いな」とのこと。迷惑かけたし、せめてもの感謝のしるしとして受け取って欲しかったんだけどなあ。
まあお金かからないのは助かるけどね。でもこれで、サモアの人の親切はなにもお金目当てじゃないと証明されたわけで
すごくうれしかった。
そうそう、Nancyに「一番大切なものは何?」と聞いたところ「私たちの文化よ」と言っていた。
この、あまり時間に追われず、のんびりとして、平和で、お客さんがくれば歓迎するっていうのは確かにすばらしい文化だと思った。
バスの時間になり、お礼をみんなに簡単に言って、近くのバス停に行く。おじさんが見送りに来てくれて、バス停で一緒にバスを待った。
バス停は、木でできた粗末な建物で、でも屋根があって日光を避けれるようになっていた。その小さな建物には椅子もあったので
座って待った。おじさんは時々タバコをふかし、英語のあまりできない俺と、俺よりも英語を話せないおじさんとで、
ぽつぽつと途切れがちに会話をして、波の音を聞きながら静かにバスを待った。バス停には俺以外に3人ほどバスを待つ人が居て、
おじさんの知り合いらしく(もっとも同じ村の人は全員知り合いなんだろうが)、挨拶程度の会話をしていた。
バスは7時ということだったが8時になってようやく来た。
このFalelima村からFagafauという次の村まで乗って、そこからまた
歩く。暑い日差しの中を歩くのは思ったよりきつく、途中で俺を見かけたサモア人の「Come! Come!」という言葉につられて
そこのファレまで行ってちょっと休憩。自分から来いっていうくらいだから英語が少しは話せるんだろうなと思ったらからっきし。
もうほとんど話せないので、ちょっと困る。でもなんか会話しなきゃとか思って簡単なこと、家族は何人とか聞いたりした。
食べ物をくれようとしたが、おなかはいっぱいだったので遠慮する。お茶だけいただく。しばらくしてサンキューといって
また歩き出す。
今日は5キロくらいしか歩いていないのに妙に疲れたのでちょうど、Faiaaiという村にビーチファレがあるので
そこに泊まることにする。ひどく疲れていて、体が熱くだるい。嫌な感じだなーと思いながら、水分とってファレで横になる。
昼食をくれようとしたが、食欲が無かったので断って、昼から夕方まで寝る。熱が高いなと感じた。たぶん38か39度くらいだろう。
ああ俺ってバカ。どうやらまだ体力が完全に回復してなかったみたい。今日は歩くべきじゃなかったな。
熱で頭が痛いが、熱さましは飲まず、ビタミン剤だけ飲む。夕方6時ごろずいぶん良くなり、夕食をいただく。しっかり食べて
さらに気分が良くなった。ただ、まだ少し頭痛と熱があったので早く寝床の準備をしてもらい、寝た。
夜に停電があり、懐中電灯を貸してくれと言われたので貸してあげる。たぶんブレーカーか、何か修理をするんだろう。
俺はもともと軽いアトピーで、ときどき手や体がかゆくなって掻いてしまうんだけど、その掻きキズから雑菌が入ってしまったらしく
化膿してしまった。手に5,6個ほど半径5ミリほどの白い斑点ができる。まいった。何が原因かわからない。ハエがいっぱいいて、
そのハエたちは傷口などにすぐにたかってくるのでそのせいで雑菌が入ったのかなとか思ったが、今にして思えば
爪切りを借りて爪を切ったのがいけなかったんだろう。ハエはサモアのどこにでもいたわけだし。でも手とかちゃんと水で洗ったり
してたんだけどなあ。まあ今でも詳しい原因はわからないが。この時点では、ほっとけばすぐ直るだろうと思って寝る。
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