† 第伍話 †

 

オーナーの手に持ったものが何か悟った瞬間、さーっとサンジの顔から血の気が引いた。

咄嗟に、開かされていた足を閉じようとしてか、激しく身じろぐ。

しかし、革のベルトでしっかりと拘束された足はピクりとも動かない。

 

サンジの顔色が変わったのを見下ろして、オーナーはわざと手に持った浣腸器をことさらに見せつけながら近づいてきた。

ぺろりと自分の指を舐めながらサンジの前に回ると、オーナーは、あらわになっていた後孔に、いきなり指を捻じ込んだ。

 

「…………ッッッ!」

サンジが声を噛み殺す。

 

「ん? ずいぶんと狭いな…。」

そのままぐちゅぐちゅと指を回す。

サンジは唇を噛み締め、俯いて耐えている。

その目はぎゅっと硬く閉じられている。

「力入れてるにしても、これはまたずいぶん…。」

オーナーが怪訝そうに言った。

「こんな狭いアナルによく突っ込んだな。本当にロロノア・ゾロの情夫(オンナ)なのかね、コレは? 処女(バージン)同然に固く狭いではないか。」

 

バージンだ、ボケが。とゾロは内心で毒づく。

たぶんサンジもそう思ってることだろう。

 

オーナーが舌なめずりせんばかりの笑みを漏らす。

「これは…拡張のしがいがありそうだな…。」

 

そう言って無造作に、サンジの後孔に、浣腸器のノズルを差し込む。

 

「…ぐ…ッ…!」

 

どこまで入れるんだ、と見ているゾロが心配になるほどずるずると挿入していく。

 

「ぐ……ウッ…ぅ…。」

さすがにサンジが呻いた。

長いノズルの手元の方には、手で握れる大きさのポンプが二つついていて、更にその根元は薬液の入った袋に繋がっている。

 

ぎゅぷ

 

男の手がポンプのひとつを握った。

サンジが、いっぱいに目を見開く。

 

「う、あ…、待っ…!!」

 

ぎゅぷ ぎゅぷ ぎゅぷ

 

サンジの意志など聞き入れられるはずもなく、オーナーは口元に薄笑いを浮かべて、何度もポンプを握りこむ。

 

「ううッ…、あ、…あ…ッ!」

 

ぎゅぷ ぎゅぷ ぎゅぷ

 

ノズルを入れられた瞬間には赤くなったサンジの顔が、みるみる青ざめていく。

男がポンプを握りこむたび、袋の中の薬液が減っていく。

それにつれて、サンジの下腹が丸く膨らんできた。

 

「く…、う、ぁ…、んう…ッ! んんッ…!」

 

蒼白の顔が、苦痛に悶える。

声など上げるまい、と必死で唇を噛み締めているが、苦悶の呻きは食いしばった歯の間からこらえきれずに漏れる。

拘束された足はひっきりなしに痙攣している。

 

その顔を、ピアノ弾きはうっとりと見つめていた。

狂信者のような目で。

「いい顔で苦痛に耐える…。年端も行かぬ子に無体を働いているような悦びを覚えるよ。」

オーナーの目にも、狂気が宿っていた。

口元の薄笑いは、もはや常軌を逸している。

ちらりとゾロを振り向く。

「こっちのポンプは液を送り込むためのものだ。」

ゾロに向かって握ったポンプを指し示す。

薄笑いを浮かべたまま。

「では、こちらのポンプは何の為についているか、わかるかな?」

手に持ったポンプのすぐ隣に、同じようなポンプがぶら下がっている。

もちろんゾロにはそれが何かわかろうはずもなかったが、どうせろくでもない仕掛けなのは言わずもがなだ。

ゾロは、男の言葉には答えず、ただ黙って殺意を込めた目で男を睨みつけた。

「こいつを握るとな。」

オーナーは、ゾロの殺意など意にも介さぬ様子で、もうひとつのポンプを握った。

それを思い切り握りこむ。

 

「うああああああああッッッッッッ!!!」

 

突然サンジが、拘束された不自由な体を弓なりにそらせて絶叫した。

その尋常ではない叫びに、ゾロは思わず立ち上がりそうになった。

「何をした!!!」

我を忘れてオーナーを怒鳴りつけた。

オーナーは嬉しそうににやついている。

「こっちのポンプを握ると、ノズルの先端が風船みたいに中で膨らむのだよ。浣腸されながら直腸を拡張することができるのさ。」

 

サンジは全身を硬直させたまま、かはっ、かはっ、と苦しそうな呼吸を繰り返している。

あっという間に額に脂汗が浮く。

 

「さて、どこまで膨らむかな。」

鼻歌でも歌いだしそうなオーナーに、ゾロの中にどす黒い殺意が湧き上がる。

 

しゅこ しゅこ しゅこ

 

男の手がもうひとつのポンプを握りこむ。

 

「ひあああッ! やめ、や、あ、…腹…ッ…腹、破れ、る…ッ!」

いまだかつて、ゾロはサンジがこんな風に悲痛な弱音を吐くところなど聞いたことがなくて、それだけにゾロの背中に冷たい汗が伝う。

「やめろ!!!」

くひひひ、とピアノ弾きが、あの耳障りな笑い声を立てる。

「大丈夫ですよ。サンジの体を壊したりはしません。──────“体は”、ね。」

オーナーも愉快そうに笑う。

「心は壊れてしまうかもしれんがな。」

 

二つのポンプをいっぺんに握る。

 

ぎゅぶじゅ、と生々しい音がして、また袋の中の薬液が減った。

 

「あ、あ、あ、あ、…や、や、やめ、や…、あ、くるし…、く、る、し、い…ッ。」

 

サンジの全身が細かい痙攣を始める。

喘ぐような呼吸をするたび、中途半端に勃ち上がったペニスが、ひくり、ひくり、と震えた。

 

「は、な、せ…ッ…、で、る…ッ…!」

「出ないから安心したまえ。」

サンジの訴えを、男は一顧だにもしない。

「腹の中で風船が膨れてるからな。どんなに力んだって出せはしない。」

そう言ってから、サンジの股間でふるふると震えるペニスに気がついた。

「おや。出そうというのは、こっちの事だったのかね? これは失敬。」

敏感になっていたペニスをいきなり掴まれて、サンジが「ひっ!」と悲鳴を上げる。

「浣腸されて勃てるとは…。いやはや浅ましい…。」

ぺろり、と男の舌がそれを舐めた。

途端に、びくびくとサンジの体が震え、ペニスが完全に屹立する。

「ひ、あ…、やめ、ろ、…ッ離せ…ッ…!」

身じろぐと、サンジの腹から、きゅるる…という音が聞こえた。

「うう…ッ、あっ…、…くそっ…!」

もうサンジの顔面は血の気など全く失せている。

額に浮いた脂汗は、こめかみを滴り落ち、顎を伝う。

見開いた目は充血して真っ赤だ。

全身を異常な痙攣が襲っていて、体内の嵐を必死でこらえているのか、腹筋が波打つ。

何かを訴えようとしてか、口を開きかけ、はっとして頭を振る。

水を被ったわけでもないのに、その髪は汗だけでびしょ濡れになっていて、頭を振るたびに金糸から水滴が散った。

「くっ、あ…、あ…、…たの…、ッ…。」

また何かを言いかける。

ゾロにはすぐわかった。

頼むから、と言い掛けたのだ。

凄まじい排泄への欲求に、請う言葉を口にしかけ、気がついて、サンジが慌てて歯を食いしばる。

けれど歯の根は合わずに、カチカチと音を立てた。

あまりにも痛々しいその姿に、ゾロは奥歯を噛み締めた。

だが、苦痛に喘ぐサンジを見ながら、ゾロの下半身がズボンの中でどうしようもないほど猛っていた事には、自分で気づかないふりをした。

認めるわけには、いかなかった。

 

「ひ、…ッは…!」

金の髪を振り乱しながら、サンジがついに叫んだ。

「も、もぉ、で…、る、出し、て、え…ッ…ッッッ!!」

途端にオーナーが狂ったように笑い出した。

「出したい? 出したいかね? ではそれなりのおねだりをしてもらおうか。」

慈悲のかけらも無いその言葉に、サンジが、蒼白の顔の下から、射殺しそうな視線でオーナーを見る。

「…ほぉ? まだそんな目ができるのか。いやたいしたものだ。」

オーナーの目に、サディスティックな光が走る。

サイドテーブルを引き寄せ、上に置かれたトレイの中から長い包みを取り出す。

包装を破ると、細長い管のようなものが現れた。

「出したければ出させてやろう。」

そう言うと、オーナーは、サンジの屹立したペニスをつまみ、鈴口を指で広げ、尿道にその管を差し込んだ。

「あーーーーーーーーーーッッッッッ!!!」

全身に恐ろしいほどの力が入ったのだろう、手首にものけぞった首筋にも、びしっと血管が浮く。

ぼこっと肛門が盛り上がり、横にいたピアノ弾きが、素早く指先でそこを強く押さえた。

「いけません、サンジ。中で膨らんでいるのですから、無理に力を入れたら腸ごと出てきてしまいますよ…? もっともあなたの腸なら…きっと美しいのでしょうけど。」

呑気に囁くピアノ弾きの声も、サンジの耳にはろくに届いていないに違いない。

「ひっ…、ひぃ…、ぅ、…ぁ…。」

眼球がぐるりと裏返り、失神寸前のようにも見える。

全身の痙攣はもう、がくがくという感じに近い。

滴る汗が、床に落ちる。

オーナーは、慣れた手付きで、ずっ、ずっ、とサンジの尿道に管をどんどん入れていく。

「あひ、あ、ひゃ、あ、やめ、や、や、やめ…。」

もうサンジの言葉は言葉をなさない。

見ているゾロは、サンジの精神が崩壊してしまったのではないかと気が気ではない。

ずるずると管がサンジの尿道に飲み込まれ、やがて、管の先からちょろちょろと尿が漏れ始めた。

「ひ…。」

「どうかね。出させてやったろう? 私は優しい男なのだよ。」

オーナーが笑う。

「ち、ちが…、こっちじゃ…、なく、なくて、違…。」

見開いた瞳から涙が伝う。

その瞳は虚ろで、何も見えていないようだ。

やむことの無い全身の痙攣は、もはや明らかに病的で、見ているこちらが恐ろしくなるほどだ。

ぜぇぜぇと喘鳴する呼吸に合わせて、しなやかな腹筋が異常な速さで上下する。

その下の腹は、ぽこっと異様に丸く盛り上がっている。

そのくせ性器は勃ち上がっていて、尿道に差し込まれた管からは、ひっきりなしに尿が漏れ続ける。

人は苦痛が限界に来ると、本能的に舌を外へ突き出す。

サンジの舌も外へと突き出されて、必死に生に縋り付こうとしているのがわかった。

「どうしました? サンジ。そのかわいらしい舌で、私を舐めてくれるのですか?」

ピアノ弾きが、サンジの突き出された舌に気がついて、笑いながらズボンをずりさげた。

一度吐精したというのに、勃起しているそれの先をサンジの舌に擦り付ける。

「えう…っ…。」

「あァ…、あたたかいですねぇ…あなたの舌は…。」

「やめたまえ。そろそろ正気が飛ぶ頃だ。噛み切られても知らんぞ。」

オーナーにそう言われてピアノ弾きは、しぶしぶ陰茎をサンジの舌から離した。

けれどサンジの頬や髪に陰茎をなすり付けることはやめない。

サンジは弱々しく頭を振ってそれを避けようとしている。

「も、ぉ、も…、許し、ゆ…、助、けて…。」

ついにサンジの口から哀願が飛び出す。

「“お願いだから出させてください”だ。できるかね? ん?」

オーナーが、反吐が出そうなほどの猫なで声で囁く。

「おね、おね、がい、だ、からっ…、抜いてっ…、出させ、て、くださ…ッ!」

なりふり構わずに哀願するサンジを見て、オーナーは腹を抱えて笑い出した。

「お願いされたら叶えてあげねばな。」

オーナーが、ちらりとゾロを見る。

「さぁ、抜いてやろう。彼氏に君の恥ずかしい姿を見せてあげなさい。」

囁かれて、朦朧としていたサンジの瞳に、光が戻る。

「かれ、し…?」

蒼い瞳がゾロの姿を捉える。

「え? あ、ぞ、ゾロっ…?」

オーナーの手が浣腸器のポンプの空気抜きを摘む。

「ちょ、ちょっと、待っ…、や、あ、ゾロ、だめだっ…!」

しゅう、とポンプから空気が抜けた。

「待っ、あ、み、見んな、ゾロっ…!」

「ほら、何もかも解放するがいい。」

オーナーが乱暴に浣腸器と尿道の管をいっぺんに引き抜いた。

抜かれた瞬間、ピンク色の後孔がひくひくと蠢くのが見えた。

「見んな、ゾロぉッッッ! 見んなあッッッッ!!!!」

 

次の瞬間、拘束台ががたつくほどに大きく、サンジの体が跳ねた。

 

「ああああああああああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!」

 

まさに断末魔の絶叫とも等しいそれが、室内に反響した。

強制された凄まじい排泄に、サンジの体は、拘束されたままで何度も何度もバウンドする。

激しく痙攣するサンジの体から、何もかもが迸っていく。

屹立した性器からも勢いよく射精している。

なすすべもない、壮絶な解放感と絶頂に、サンジは白目を剥いている。

 

それを、ゾロは呆然として凝視していた。

見るな、とあれだけはっきり言われたのに、目をそらせなかった。

 

こんなにも痛々しく、無残な光景なのに、ゾロはその瞬間、サンジと共に射精していた。

自分の性器になど触れもしなかったのに、ゾロの性器は、サンジの痴態だけであっけなく暴発した。

 

まるで自分がこの手でサンジを陵辱しているような気がした。

 

全てを出しきって、サンジはぐったりと弛緩している。

その目は完全に放心して、正気を失っているように見える。

口の端から、泡の混じった涎が垂れていた。

涙だけが、壊れてしまったように流れ続ける。

 

サンジの顔の横で熱心に自慰をしていたピアノ弾きがサンジの顔に精液をぶちまけても、オーナーが再びサンジの後孔に浣腸器を突っ込んでも、サンジはもうピクりとも反応しなくなっていた。

オーナーがぬるま湯のようなものを、何度もサンジの腸に注いで、中を洗浄している。

ついに中から出てくる水が、ほとんど透明を保ったままになっても、サンジは無反応だった。

 

死んじまったんじゃねぇだろうな。

 

明確な恐怖がゾロを突き上げる。

 

売る算段までしていたのだ、サンジを殺すことはあるまい、と思っていたのだが、甘かったかもしれない。

こんな事を続けられたら、命を落とさないまでも、サンジは完全に壊れてしまうかもしれない。

メリー号に帰っても、サンジはもう、元のサンジではないかもしれない。

 

そんなことはない。この男は強い。大丈夫だ。

 

何かに縋るように、ゾロは何度も何度も心の中で呟いた。

 

焦りに突き動かされて、ゾロは後ろ手の拘束をめくらめっぽうに壁に叩きつける。

 

「ロロノア・ゾロ。」

名を呼ばれて顔を上げると、オーナーがサンジの後孔に銃口を突っ込みながらこちらを見ていた。

「やめろ…!」

ゾロの喉から、獣のような唸り声が漏れる。

「その手錠は海軍も御用達のやつでね。能力者にだって外せないシロモノなのだよ。君がいるその檻もな。」

だから諦めてこのショーを楽しみたまえ。そう笑って言ったオーナーを、ゾロは黙って睨みつけた。

オーナーは銃でサンジの後孔を犯し続けている。

くちゅ、くちゅ、と、まるで女陰を犯しているようなぬかるんだ音がする。

「…反応がいいな。」

オーナーが、小さく驚く。

銃を置いて、その指を代わりに突っ込む。

「…ほう。」

感心したような呟き。

「弛緩して尚この狭さ、か。あれだけ拡張してやったのに。足腰の筋力が並みじゃないと見える。」

「それはそうですよ。サンジは赫足のゼフの息子ですからね。」

ピアノ弾きが答える。

ゼフの名前が出た瞬間、サンジが僅かにピクりと反応したが、その瞳はまだ混濁している。

 

息子だったか? と、ゾロはちらりと思った。

確か養い子だったと聞いたような気がしたが。

 

「赫足? クック海賊団の?」

「ご存知ですか?」

「…飲食店をやっていて、赫足を知らぬ者はいなかろう。」

オーナーの言葉に、ピアノ弾きは、それはそれは奇妙な顔をした。

「………………へぇ…それはそれは…。」

 

ゾロの見間違いで無ければ、その顔に浮かんだ感情は、“嫉妬”だった。

 

オーナーは面白そうな顔をして、サンジを見下ろしている。

「赫足の息子で、海賊狩りの情夫(オンナ)、か。結構な肩書きのお姫様だ。」

「…サンジを連れ出したのは“麦わら”ですよ…。」

「モンキー・D・ルフィか。一億の男と六千万の男を手玉に取ったというわけだな。尚いい。その煽り文句だけで客がつく。」

オーナーは、サンジの後孔から指を抜くと、サイドテーブルに向かった。

何かを用意しながら、ピアノ弾きに、サンジを綺麗にするように言う。

ピアノ弾きが、壁に取り付けてあるシャワーを引っ張ってきた。

湯を出して、サンジの体を流す。

汚れた体が、清められていく。

 

その排水の流れる先を、ゾロは見ていた。

 

一室の中に、鉄格子の檻と、拘束台。

浴室でもないのに、壁に唐突に脈絡もなく取り付けられたシャワー。

流れた水は、床にしみを作ることなく、一定の流れを作り、排水口に流れていく。

 

この部屋は、最初から、こういう事を目的に作られた部屋なのだ。

 

捕らえた者を檻に入れ、或いは拘束し、陵辱するための、部屋。

 

だとすると、さっきのサンジの絶叫も、部屋の外には聞こえていないのだろう。

そういえば、このオーナーは、この部屋に入る際に、部屋の外からわざわざ電伝虫で連絡を入れてきた。

部屋を開けろ、とピアノ弾きに指示していた。

ということは、内鍵か?

 

ゾロはドアを凝視する。

ドアには鍵が二つついている。

それぞれ、鍵の向きが違う。

 

内鍵と、外鍵がついている。

 

つまり、中に入った人間が中から鍵をかければ外からは開けられない。

外から誰かが鍵をかければ、中の人間は外には出られない。

そういうことか。

 

「ではそろそろ姫君にはお目覚め頂こうか。」

そう言って振り向いたオーナーの手には、小瓶と、小瓶に入れられた、やけに長い綿棒のようなもの。

未だ茫洋と視線を彷徨わせているサンジのペニスを掴む。

ぬちゅ…

オイルかジェルのようなものを塗られて、くちゅくちゅと擦られると、サンジのペニスはゆっくりと勃ちあがってくる。

「…ッ…。」

開いた唇から、微かに声が漏れた。

けれどまだ瞳は虚ろで霞がかかっている。

オーナーは、サンジの鈴口に指を添えて、くぱっと開いた。

鮮やかな色の粘膜が覗く。

そこに、小瓶の液体に浸した長い綿棒をあてがう。

 

ずる、と尿道が綿棒で犯された。

 

「ひああああッッッ!!!」

一瞬でサンジの瞳に意志が戻る。

「ヒッ、熱っ…! なにっ…?」

「熱いのはアルコールだ。後はまァいろいろだな。」

ずるる、と引き抜いて、ずっ、と尿道を貫く。

「ひいぃッッ!」

容赦なく尿道がえぐられるたび、サンジが悲鳴を上げる。

綿棒は通常のものよりずっと長く、その分深くサンジの尿道を犯す。

「ぬ、抜けっ! やめ、やああっ!」

「実にいい声で啼く。」

深く突き刺したまま、くりくりと回す。

「あひぃぃっ!」

びくん、びくん、と勃ち上がったペニスが上下した。

ずるり、と男が綿棒を引き抜くと、どろりと精液が漏れてきた。

「ここも指が入るくらいまで拡張してあげよう。」

オーナーがニヤニヤと笑いながら言う。

「や、めろ…変態…っ…。」

「その変態に足を開いてねだるようになる。“犯してください”とね。」

 

そう言うと、オーナーは楽しそうに楽しそうに笑い出した。

 

2005/06/07
改定 2008/12/22

 


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