† 第陸話 †
薬液に浸された綿棒が、何度も何度も尿道をえぐるたび、サンジが全身を震わせて悲鳴を上げる。
「ヒィッ! ひああっ! ひゃああッ! あひっ!」
ずっ… ずるる… ずっ… ずるる…
オーナーの手が、ずっ、と容赦なく綿棒を突き込み、ずるる、と無造作にそれを引き抜く。
サンジの体は、拘束台に不自由に縫いとめられたまま、何度も跳ねる。
さっきまで堪えていた声も、ゾロの前で排泄してしまったことで、心の中の何かが壊れたのか、もはや抑えようともしていない。
口の端から涎をたらして、身も世もなく喘ぐ姿は、壮絶な色香を放っていた。
尿道を異物で抉られるなんて、苦痛以外のなにものでもないだろうに、それでもサンジのペニスはしっかりと屹立している。
綿棒を抜き差しされるたび、その隙間から、とくりとくりと精液が滴り落ちている。
「感度がいい。」
オーナーはにやりとして呟いた。
「たいしたものだ。初めて尿道を暴かれていると言うのに、もう快感を拾っている。素晴らしい…。」
ごくり、とオーナーの喉が鳴る音が、ゾロの耳に届く。
「そうだろう?」
サンジの横で、陵辱されるサンジをうっとりと眺めていたピアノ弾きが、やけに嬉しそうに言った。
「サンジは特別なんですよ…。だって神に愛されているのですから…。だからほら、どんな事をされてもいつまでもこんなにも美しい…。」
ピアノ弾きはサンジから目を離さない。
心底、サンジに見惚れている様子だ。
「どうしてこんなに美しいのでしょう…サンジは…。汚せば汚すほど美しくなっていく…。」
独り言のように呟いた。
それを、オーナーは、ふん、と鼻先で笑った。
それから、半ば朦朧としかけているサンジの顔を見る。
「なるほど。」
一人ごちてにやりと笑う。
ピアノ弾きはそんなオーナーの様子には気づかないのか、ただひたすらにサンジを見ている。
「あァ…、サンジ…私を見てください…。」
陶然と囁く声に、不意にサンジの混濁した瞳が、束の間、強さを取り戻す。
目の前の陵辱者の姿を認めて、ぎらりと紛れもない殺気が、その瞳に宿る。
ああ…、と、ピアノ弾きが声を漏らした。
「その目ですよ…。」
あなたのその目が、私を狂わせるのです…。サンジ…。
ふふ…ふふふ…と、ピアノ弾きは狂った声で笑った。
そして、サイドテーブルの上から、金色の金属の棒を掴み取ると、それを無造作にオーナーに放った。
寄越されたものを見て、オーナーが、くくく、と笑う。
綿棒よりもずっと太くて長い、金属の棒。
「確かに君は狂っているようだ。」
言いながら、その金属棒をサンジの尿道に、ずっ、と突き刺した。
「あああーーーーーーーッッッ!!!」
また新たな悲鳴が上がる。
尿道を限界まで広げながら、太い金属の棒が、サンジのペニスの中にどんどん飲み込まれていく。
「いっ…、あ、ヒッ…、は、…ァ、やめ、ひ…、うあ…」
サンジの全身は、まるで硬直したかのように動かない。
ただ、全身が細かくかたかたと震えている。
見開いた目が真っ赤に充血している。
哀願されてもオーナーがやめるはずなどなく、却ってその金属棒を、尿道の中でぐりぐりと回す。
「う゛あ゛あ゛あ゛・・・」
「実に甘美な調べだ。君の悲鳴は。」
オーナーが、犯されながらも屹立しているサンジのペニスを、いとおしそうに舐めた。
そして、金属棒がペニスの先端から少し出てるほどに埋めきってしまうと、オーナーは、今度は卵のような形をしたものを二つ取り出して、震えている亀頭を挟んだ。
「さて…。もっと妙なる声で啼ぐがいい、金色のカナリア。」
笑って、オーナーは、卵についたスイッチを、かちり、と入れた。
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
「あひゃあぁぁぁあッッッ!!!」
振動音とともに、サンジのペニスを挟んだ球体が、ぶるぶると震えだした。
金属棒を尿道に埋め込まれ、敏感な亀頭に強い刺激を送られて、サンジは悲鳴を上げて悶絶する。
「ひゃ、や、やめ、や、やあ…、き、き、気が、き、く、狂う、くるっち、まう…ッ!」
「狂いたまえ。」
亀頭を振動球で挟んだまま、埋め込まれた金属棒をぐりぐりと回す。
「ヒイイイイッッッ!!!」
あまりにも痛々しい悲鳴に、見ているゾロの顔も歪む。
もうゾロは、極力何も考えないようにしていた。
ゾロが今考えるべきはひとつ。
何が何でもここを脱出する。
メリー号に戻る。
そのための好機を待つ。
それからの事はそれからの事だ。
サンジがもつのかとか、壊れないかとか、今は考えてはいけない。
好機を待つ。
その為の目を、鈍らせてはいけない。
考えてはいけない。
けれどサンジからは目をそらせない。
サンジの受けている何もかも。
目にせずにはいられない。
「ひああッ! ああああッ!」
「イキたいか?」
「イ、かせて…ッ…、イキてぇ…、イかせ…!」
潤んだ瞳が、なりふり構わず射精を請う。
「イキたくてもイけまい。尿道を塞がれているのだから。」
「外せ、外し、て、…。」
「外してほしいかね?」
にやにやしながらオーナーが囁くと、サンジが必死にこくこくと頷いた。
するとオーナーが、ピアノ弾きに目をやり、立ち上がりながら、「代われ。」と言った。
ピアノ弾きがオーナーに代わってサンジの足の間に座り込むと、オーナーは、サンジの脇に回ってズボンの前を広げた。
ぼこぼこと歪な形をした陰茎を、サンジの頬に押し当てる。
「上手におしゃぶりできたら外してあげよう。」
ぬるぬるとオーナーの先走りで頬が汚されても、サンジの目はぼんやりとしている。
「外、し、て…、
と、うわごとのように言う。
「
オーナーがいっそ優しいと言っていいほどの甘い声で囁く。
「これを舐めれば楽になれる。」
ねっとりと囁かれて、サンジがのろのろと口を開ける。
一度堕ちた心は、たやすくまた堕ちていく。
もはやその瞳にサンジ自身の意志はないように思われた。
口に捻じ込まれた陰茎に、サンジは言われるままに舌を這わせる。
サンジの口の動きが緩慢になると、即座にピアノ弾きがサンジの亀頭に振動体を強く押し付け、サンジはそのたびに慌ててオーナーの性器を咥えなおした。
「もっと舌先を出すんだ。…そう、そうだ…。いい子だ…。」
「ん、んん…、う、ン…、ん、んー…。」
まるで子供をあやすような声音で、オーナーはサンジの口淫を楽しんだ。
ときおり頭も撫ぜてやる。
そうすると、サンジは、むしろ嬉しそうにオーナーの性器を舐め、解放をねだるように腰を揺らめかせた。
「可愛らしいな…。まるで母乳に吸い付く赤子だ…。ひたむきで…なのに淫らだ…。とてもいい…。」
オーナーの性器は、何か人工的な加工が施してあるのか、幹にぼこぼこと無数の突起がある。
そんな醜怪な性器が、サンジの小作りで整った唇から、出たり入ったりしている。
かなり根元まで突き込まれているのに、サンジの口腔はそれを全て受け入れている。
まるで慣れた娼婦のように。
心なしか、口姦で快感すら覚えているように見える。
何度も何度も振動体を亀頭に押し付けられていたサンジの体が、細かく震えだした。
陰茎に舌を絡めて舐めていたサンジの動きは、先端を熱心に吸う動きに変わっていた。
己の射精欲求の代替行為に、必死で目の前の陰茎を射精させようとしているのだ。
それに気がついて、オーナーがピアノ弾きに目で合図した。
ピアノ弾きが、ぶるぶる震える卵でサンジの亀頭を挟んだまま、金属棒を抜き始めた。
「んんうッ!!」
サンジが拘束されたままのけぞる。
腹筋が痙攣したように波打つ。
「イキそうですか? サンジ。精液出そうですか?」
ピアノ弾きが嬉しそうに言う。
サンジは、オーナーの性器を咥えたまま、何度も何度も頷く。
その瞳から涙が零れる。
「ではイかせてあげましょうね…。」
ずりずりと何度か金属棒を上下させる。
「ふぅッ、ふんんッ! ンンーッ!」
「
焦らすようにピアノ弾きが、サンジの尿道に埋め込まれた金属棒をゆっくりと引き抜く。
抜くかと思わせて、また沈めていく。
「んんんッ! んんッ! んあ、アアッ!」
サンジの口を犯しているオーナーのペニスは、もう、女の膣を犯すように乱暴に抽迭している。
オーナーも限界が近いらしかった。
「あァ…私もイキそうだ。…受け止めたまえ…っ。」
オーナーが呟いた瞬間、口の中からペニスが引き抜かれた。
同時にサンジの尿道の中の金属棒も勢いよく引き抜かれる。
「あああッ! あーーッ!!」
どぷっ、と、オーナーがサンジの顔面に射精する。
サンジも勃ち上がったピンク色のペニスから、精液を迸らせていた。
男の精液をべっとりと顔面に浴びたまま、サンジはぐったりと弛緩している。
そのペニスは、ひくん、ひくん、と何度も痙攣しながら、ちょろちょろと尿まで漏らしている。
普段のサンジなら、そんな姿を誰かに見せるくらいなら自殺した方がましだとすら言うだろう。
けれど今のサンジは、男たちの前で拘束され、体毛を全て剃られ、足を大きくM字に開かれて、露になったペニスから失禁しているのを見られていても、もはや、その瞳には何の感情も映っていない。
ただ力尽きたように、拘束台にその身を預けている。
執拗に腸を洗浄しておきながら、オーナーはまだその体を犯してはいない。
つまり、陵辱はまだまだ続くのだ。
ゾロは血の出るほど強く、唇を噛み締めた。
予想に違わず、男たちは、黙々と壁に作り付けの戸棚を空けて器具や薬品を取り出して、サイドテーブルの上の物と入れ替えをしている。
黙々と、というより、二人とも鼻歌を歌いだしそうですらある。
戸棚の中に、おぞましい形をした性具がずらりと並んでいるのが見えた。
ピアノ弾きが、そのひとつを掴んで、サンジの傍に近寄る。
何か細めのチューブのようなものを湾曲させたもの。
形状だけ見れば、それはペニスに被せるもののように見える。
だが、湾曲したチューブの中ほどからまっすぐなチューブが伸びていて、そのチューブを亀頭にかぶせたら、間違いなくそのまっすぐに伸びたチューブはまたしても尿道を貫くだろう。
そして、チューブのところどころには、思わせぶりな金属玉がいくつもついていて、チューブの根元にはリード線がついていて、黒い箱につながっている。
それがいったいどんな働きをするのか、ゾロには全く見当もつかなかった。
ピアノ弾きがサンジの前に屈み込んだ。
「あァ…可哀想なサンジ…。辛かったですか…? すぐに全て快楽へと変わりますよ…。」
ピアノ弾きは、萎えたサンジのペニスを手に取ると、舌をサンジの尿道に捻じ込むようにして、いとおしげに、べろべろと舐め回した。
さんざん犯された尿道は、恐らく痛みを持っているのだろう。サンジが小さく呻いて顔を顰めた。
「痛いですか…? あァ…可哀想に。可哀想に、サンジ…。」
────でもまだ終わりじゃありませんよ…。
ほとんど聞こえないような声で、ピアノ弾きが呟いた。
口元には笑みが浮かんでいる。
そして、一番初めにサンジを犯すときに使った化粧水のような瓶────潤滑用のオイルだろう────それを再び手に取った。
とろとろとした、気泡の入った透明の半液体を、サンジの萎えたペニスに大量に塗りたくる。
「…………ぅ………。」
くちゅくちゅと扱いてやれば、男の生理は持ち主の意志などあっさり裏切って緩く勃ち上がってくる。
ペニスが硬度を持ったところで、ピアノ弾きはチューブにも潤滑剤を塗って、それを被せ始めた。
やはり、再び尿道が犯されていく。
「う、あ、あ…。」
突き出た長いチューブが尿道に沈んでしまうと、その外側は、ぐるりとペニスを覆っている。
リング状のチューブがカリの下をぐるっと回ってしっかりと固定され、鈴口に沿ってもチューブが這っている。
チューブのところどころについた金属の玉が、亀頭の上、尿道口、裏筋を押さえつけるようにくるように、それは装着された。
そしてもうひとつ同じようなチューブの性具を持ってくる。
8の字のような形をしたそれを、ピアノ弾きはサンジの陰嚢の根元にむりやりくくりつけた。
8の穴の部分からそれぞれ陰嚢が出るようにくくられる。
更に新たなリング状のチューブで、サンジのペニスの根元をしっかりと固定した。
そのどれもにリード線がついていて、黒い箱に繋がっている。
箱には、スイッチとボタンがいくつもついている。
異様なチューブで、サンジのペニスの先端、根元、陰嚢をぐるぐる巻きにしてしまうと、ピアノ弾きは黙って立ちあがり、オーナーと入れ替わった。
「どれ、ちゃんと電流は流れるのかな。」
そう言って、オーナーが、かちり、と黒い箱のスイッチをひとつ入れた。
「ギャッ!」
悲鳴とともにサンジの体が跳ねる。
オーナーはすぐにスイッチを戻してニヤニヤと笑った。
「良好良好。」
サンジはあまりのショックに目を見開き、ぜひっぜひっと苦しげな呼吸をついている。
たった一瞬、スイッチを入れられただけで、こんなにもダメージを受けているなんて、と、ゾロは愕然とする。
「…何を…した。」
感情を押し殺してゾロが聞く。
オーナーが楽しそうな笑みをゾロに向けた。
「このスイッチを入れると電流が流れる仕組みになっている。尿道と陰茎と睾丸に電流を流されれば、大概の男は失禁しながら泣き叫ぶ。」
そう言って、くけけけけ、と笑い出した。
「もっとも、この姫君は既に盛大にお漏らししているがね。」
笑いながら、オーナーは黒い箱をテープでサンジの太ももに固定した。
「意識失いそうになったらこれでお目覚めになっていただくんだよ。まだまだ楽しませていただくのでね。」
そして、今度は、潤滑剤を手にたっぷりと付け、サンジの後孔に触れた。
「さて。お待ちかねの薔薇の蕾だ。」
ぐちゅり。
さっき散々、拡張され、洗浄されたにもかかわらず、もう慎ましやかに口を閉ざしていたそこに、オーナーの指が沈んでいく。
「素晴らしいな。この姫君のここは。」
一人ごちて、ぐちゅぐちゅと指で孔の中を探る。
「っ…あっ…?」
びくり、とサンジの体が震えた。
何か信じられないものを見たように、目を見開く。
「な、なに…?」
オーナーが嬉しそうに笑った。
「前立腺だ。初めてかな?」
「う、あッ! なに、や、やめろっ…! やめ、」
「まったく、たいした淫乱な体だ。」
くくく、とオーナーが笑う。
その横で、ピアノ弾きが、ふふふふ、と狂った笑い声を立てる。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ
「あ、ああッ! やめ、ああああッッッ、やああッ!」
ぐちゅ、ぐりっ、ぐりりっ
「やあっ! やめ、や、あああっ、て、めぇっ! や、んあああっ!」
ぐじゅ、ぐじゅ、ぐじゅ、
悲鳴、というにはあまりにも淫らで艶やかな、痛々しい声でサンジが啼く。
のけぞるたびに、白い肌が艶を帯びて、薄く染まっていくのがわかる。
──────なんで…ッ…そんなに…。
ゾロが奥歯を噛み締めた。
目の前のサンジの狂態に、頭がどうにかなりそうだ。
「んああっ、ああ、あぅ…、ん、あああ…。」
──────なんでそんなにエロいんだよ…っ…!
まっさらだったサンジからどんどん引きずり出されていく、淫らでいやらしいサンジ。
それは容赦なくゾロの脳髄を焼いていく。
しっかりしろ。
こいつはコックだ。
あのメロリンしてるいけすかねぇコックなんだ。
反応なんかするな。
そう思うのに。
蹂躙されているサンジを痛々しく思うのに。
陵辱者たちに殺意と憎悪を感じるのに。
なのに。
ゾロの中に、プライドも尊厳も粉々にされて、強制された快楽に喘ぐサンジを、美しいと思ってしまっている自分が、確かにいる。
「ひああああああんッッッ!!」
オーナーに後孔を執拗に刺激され、サンジが激しくのけぞりながら、絶頂に達する。
けれど塞がれた尿道から、射精することは出来ない。
もどかしげに腰がくねる。
臍下の腹筋が、ひくひくと痙攣して波打っているのが見える。
汗ばんだ肌。
潤んだ瞳。
零れていく涙。
痛々しく哀れなのに。
美しいと、思ってしまう。
どうしようもなく、心惹かれてしまう。
目が奪われる。
自分が、信じられなかった。
ゾロの中に、陵辱者たちと同じ嗜虐心が、確かにある。
自分も。
自分もあんなふうに。
サンジを組み敷いて。
その体を開かせて。
なめらかな肌をしゃぶって。
羞恥に身悶えするのを楽しんで。
快感の中にのた打ち回らせて。
猛り狂った己の性器を淫らな孔に沈めて。
自分も、あんな風に、サンジを犯してみたい。
いや、自分こそが、誰よりも一番そうしたかったのではないのか。
目の前の男たちは、現実のものではなく、ただ自分の欲望が具現化しただけではないのか。
自分こそがあの体を犯しているのではないのか。
──────違う……………!
何を考えている、俺は。
そんなはずなどない。
そんなことなど思っていない。
オーナーがゆっくりと立ち上がり、サンジの体に覆いかぶさるのが見えた。
「私のこれにはね。」
突起のついたペニスを見せびらかすように扱いている。
「海楼石が埋め込んである。能力者の女でも犯せるのだよ。」
くくく、と下卑た笑いを漏らす。
「おまけにこれで男を犯すとな。」
ぐ、とサンジのひくつく後孔にそれをあてがう。
「このごろごろしたところが」
ぐぷ…、と亀頭が沈んでいく。
「さっきの前立腺を、直接擦り上げるわけだ。」
ずりゅ、と音を立てて、オーナーのペニスが根元まで埋まった。
「ああああーーッッッ!!」
サンジが声を上げた。
それはもはや悲鳴ではなかった。
快楽に悦ぶ、紛れもない嬌声だった。
「あ、ヒ、ッ、あああーーッ!!!」
サンジが悲鳴と言うにはあまりにも甘やかな嬌声をあげる。
何度目かの絶頂に、全身を細かく痙攣させながら、白い背がのけぞる。
けれど、解放をねだって揺れるペニスは、しっかりと拘束され、尿道を根元まで犯され、塞がれている。
もどかしそうに、男を咥えこんだままの腰が、いやらしくくねる。
「ふ、…ァ…っ…。」
快楽に朦朧とした瞳が、潤んでいる。
あまりに扇情的なその姿から、ゾロは目を離すことが出来ない。
押し広げられた白い足の間、小さな窄まりに、ごつごつした醜怪な陰茎がじゅぶじゅぶとぬかるんだ音を立てながら出たり入ったりするのが、はっきりと見えた。
ピンク色の小さな蕾が、充血して、めくれあがっていく。
「んく…あ…、ひゃ…、ん、は…。」
サンジを犯していたオーナーが、感じ入ったようなため息を漏らした。
「これは想像以上の上物だな…。」
呟くその声には余裕がないのがたやすく見て取れる。
「この孔は絶品だ…。芸術的と言っていい。」
ぐちゅ、ぐちゅ、とサンジの後孔を犯しながら言う。
「狭いのに柔らかく吸い付いてきて、奥の方までやわやわと締めつけてくる…。」
オーナーのその言葉に、横で聞いていたピアノ弾きが、まるで自分が褒められでもしたかのような顔をして笑った。
「だってサンジは特別ですから…。」
ふうっとサンジの頬に息を吹きかける。
「……………こ…の、…クソ…が。…死にさらせ…ッ……………」
朦朧とした目のまま、うわごとのように不明瞭に、サンジが毒づいた。
オーナーが楽しそうに、くっくっと笑う。
「なんとまあ。イキのいい…。」
黙れといわんばかりに、ぐぶっと勢いよく欲望を捻じ込まれる。
「ヒあああッッ!!」
金糸が汗の水滴を振りまきながら乱れた。
とたんに、
「くう…っ…!」
オーナーがサンジの腰を強くつかんで、大きく胴震いをした。
「なんて締め付けだ。私としたことが出てしまったよ、勿体ないな。」
息を荒くしながらオーナーが、ずるりとサンジから陰茎を引き抜いた。
男を受け入れていた後孔は、泡立った白濁液をこぷこぷと漏らしながら、ひくひくとまだ蠢いている。
その光景に、ゾロは、瞬間覚えた脳が焼け付くような欲望を、必死で押さえつけた。
サンジの瞳は、見る影もないほど濁って、虚ろになっている。
何度も緩慢にまばたきをする。
時折、頭を振るような仕草も見せる。
なんとか正気を保とうとしているようだったが、ゾロの見る限り、それはほとんど本能的なもので、サンジの意識はもう、ほぼ混濁していると言っていい状態のように思えた。
強い快楽と、苦痛が、サンジを壊していく。
正気と混濁の間を行ったりきたりしていたサンジの意識は、次第に混濁の中に沈みこんでいっているように見えた。
2005/07/31
改定 2008/12/22