† 第漆話 †

 

オーナーが、白濁にまみれた己の陰茎を、サンジの口元にもっていく。

「口を開けたまえ。」

サンジの唇は、力ないながらも開かない。

霞のかかったぼんやりとした瞳のまま、サンジは本能だけで抵抗している。

その意志力の凄まじさに、ゾロは改めて、このコックの矜持を思い知った。

 

ふん、とオーナーが鼻先で軽く笑う。

「少し理性が戻るとすぐに抵抗しようとする。そのイキの良さには感服するがね。」

その手がサンジの大腿部にくくりつけられた黒い箱に伸びた。

「ッッッ!!!!」

次の瞬間、サンジの全身が跳ねた。

「口を開けたまえ。」

サンジが怯えたような瞳で、わななきながら口を開く。

「舐めなさい。」

震える唇から、舌が突き出された。

赤い舌が、汚れた陰茎を舐め清めていく。

くくくっとオーナーが喉の奥で低く笑った。

傍らのピアノ弾きに、顎をしゃくって合図する。

ピアノ弾きが、ぱっと顔を輝かせた。

サンジの股の間に周り、ズボンの前を寛げる。

既に先走りで濡れている剛直を取り出すと、とろとろと白濁を零している後孔に、押し付けた。

濡れた音がして、ピアノ弾きの陰茎がサンジのそこに沈んでいく。

「ン、ん、ん、う、…」

「ああ…、ああ、サンジ…、いい…。すごい…、さっきとぜんぜん違う…!」

ピアノ弾きもまた、夢中になった様子で腰を動かし始めた。

オーナーがまた、クックッと笑う。

 

「初物なのにろくに慣らしもしないで犯したのだろう? もっとも、初物の醍醐味といえばそうだろうがな。」

 

オーナーの口から、“初物”という紛れもない言葉を聞いて、ゾロが目を見開く。

オーナーは己の陰茎をサンジの口に突っ込んだまま、視線をゾロに向けて、ニヤニヤと笑っていた。

「“初物”だろう? この姫君は。」

揶揄するように言われ、ゾロは、目の奥が怒りで赤く染まるのを感じた。

「さっきからおかしいと思っていたのだよ。ピアノ弾き()は恋仲だったようなことを言ってるのに、ここは狭くてかたくなだ。おまけに愛撫の応え方も知らない。」

くくく、とオーナーが笑う。

ピアノ弾きはもうオーナーの言葉は聞こえていないようで、サンジの体を犯す事に夢中になっている。

「狭さもきつさも変わってないのに…、アア…いい…っ…」

憑かれたように腰を動かしている。

サンジの後孔は、ぐちゅ、ぐちゅ、と音を立てながら男の性器を飲み込み、カリでかき出された精液が、白い尻を滴っている。

それを見て、オーナーがまた笑う。

「絶品だよ。この孔は。ほんの少し快感を教え込んだだけでこんなに淫蕩な孔になりはてた。」

それから視線をまた、ゾロに戻す。

「こんな極上品を今まで手付かずで放っておいたなんて信じられんな。麦わらの一味と言うのはインポとガキしかいないのかな? それとも大切にしまっておいたお姫様だったかね?」

胸中を荒れ狂う、怒りと憤りを、ゾロは全身全霊で押し殺す。

けれど全身の筋肉は怒りのあまり緊張し、銃創から新たな鮮血が噴き出し、ゾロの服を染めた。

 

──────せめてこの後ろ手の拘束だけでも外さなければ。

刀はどうしただろう。

まだクロークに預けられたままになっているのだろうか。

 

一本でいい。刀が欲しい。

 

サンジの頬を、オーナーが指先で撫ぜた。

その指先が、輪郭をすべり、首筋をなぞって、胸元に落ちる。

「ノース産の金髪、碧眼。そしてこの肌。まったく売るのが惜しくなるほどの逸品だよ。」

陶器のような、なめらかで白い肌の上に、ぽつんと桜色の小さな乳首。

それを、オーナーの指は、いきなり強くひねりあげた。

「んんんッッ!!」

サンジが体を震わせる。

オーナーの指は、すぐにあやすような優しい動きになって、指先でサンジの乳首を摘まんで、軽く引っ張ってはくりくりと揉み始める。

「ん…、ん…っ…、んく…。」

口を塞がれているサンジの喘ぎが鼻から抜ける。

いとおしそうにすら見える視線でそれを見下ろしていたオーナーが、いきなりサンジの頭を鷲掴みにした。

「…出すぞ。飲みなさい。」

言葉と共に、サンジの頭を乱暴に引き寄せる。

「ぐッ!!!」

喉の奥まで性器を突きこまれて、サンジが大きく目を見開いた。

オーナーがぐいぐいと腰を突き出す。

「んぐッ! ぐうううーッッッ!!」

サンジが苦しそうに呻く。

その喉ぼとけが、ごくり、と上下した。

オーナーが、大きく息をついて、サンジの口を塞いでいた陰茎を引きずり出す。

「げほっ、ごほっ、げぶっ、ぐふっ!」

サンジが激しく咳き込み、その口から、飲み干しきれなかった白濁がぼたぼたと垂れた。

「…いい子だ。」

オーナーが猫をあやすようにサンジの喉元を撫ぜた。

すると、驚くことに、サンジは嬉しそうに破顔して見せた。

まるで子供が褒められたときのように邪気のない笑顔を見せたサンジに、ゾロは愕然とする。

ぶわりと、ゾロの頭の芯が熱くなる。

その熱がなんなのか、自分でもわからない。

ただやみくもに、頭の芯が熱かった。

網膜の奥に、脳の中を流れる赤い血管が見えるような気すらした。

怒りなのだろう、と思った。

それほど、ぐらぐらと脳みそが煮えていた。

 

「もっと淫らな体にしてやろう。」

 

オーナーは楽しそうにそう言うと、電伝虫の受話器を取り上げ、誰かを呼び出した。

どうやら手下かなにかの類らしい、と会話の様子から悟って、ゾロは内心舌打ちをした。

これ以上、サンジを嬲りものにするつもりか。

 

かちゃりと鍵が開いて、5〜6人の男達が入ってきた。

皆、ニヤニヤと一様に下卑た笑いを浮かべている。

口の端から白濁を垂らしながら、ぼんやりしているサンジを見て、ひゅうっと口笛を吹く者もいた。

「上玉っすね。」

オーナーに話しかける。

「極上品だ。感度も締まりも一級品だよ。心して扱いたまえ。」

オーナーが答えると、男達がざわめいた。

サンジを見る目に、欲望の色が篭もる。

 

「よいか、肌に傷はつけるな。腸も裂くな。値が下がる。だが存分に犯していい。中出しされて悦ぶ躰にしてやりたまえ。」

 

オーナーの言葉に、男達は歓声を上げた。

 

 

「パーティーの時間だぜぇ、金髪のお嬢ちゃんよぉ?」

クックッと下卑た笑いを漏らしながら、男達がサンジに近づいていく。

天井の辺りにぼうっと視線を彷徨わせているサンジの顔には、何の感情も浮かんでいない。

邪意の篭ったあからさまな視線に晒されても、サンジは何一つ反応しない。

ねじ寄ってきた男達は、じっくりとサンジの体を視姦している。

「エロい格好じゃねェか。お嬢ちゃん。」

ようやく男の一人が、大きく広げられたサンジの足の間に指を差し込んだ。

くちゅ、と淫らな音がする。

そこからどろりと精液が床に滴り落ちた。

「や……ァ………」

ろれつの回っていない微かな声が、弱々しく抗う。

うつろな目はそのままだ。

 

別の男が、サンジの顎を掴んでその顔を覗き込んだ。

「あ〜ァ、だいぶ飛んじまってんなァ、こりゃあ。」

「オーナー達が念入りに可愛がったみたいだぜ?」

ほら、と、サンジの後孔を弄っていた男が、指を引き抜いて見せつける。

その指にはどろどろと精液が絡んでいた。

「とろっとろで柔らけェ。まだ足りねェみてぇで、物欲しそうにひくひくしてやがる。」

「……そいつァ楽しみだ。」

 

まだ、大丈夫なのだろうか、サンジは。

その心にまだ自我は残っているのだろうか。

 

ゾロが奥歯を噛み締めた。

力を入れすぎて、奥歯が嫌な音を立てる。

 

アラバスタで…、あのレインディナーズの地下で、ゾロもルフィも檻の中に捕らえられた時、ルフィは、一人でクロコダイルに立ち向かわなければならなかったビビに、ためらいもなく「勝て!」と言い放った。

「何とかしろ!俺達をここから出せ!!!」と。

むちゃくちゃを承知で、ルフィは叫んだ。

…もし今、ここに捕えられたのがルフィだったら、同じように奴は言うだろうか。

戦え、サンジ。勝て。と。

こんなサンジの状況を目の当たりにして。

それでもまだ叫んだだろうか。

もう既に正気を失ってるとしか思えないサンジに、それでも尚、「戦え。」と叫ぶだろうか。

叫ぶかもしれない。

ルフィなら。

「戦え。」「勝て。」と。

あの時ゾロは冷静だった。

捕えられていたとはいえ、傍にルフィがいた。

ビビを案ずる声は、自分でなくともたくさんあった。

その後、Mr.プリンスと名乗ったサンジが、敵に“撃たれた”のを電伝虫越しに聞いたときの方が、ゾロはよほど度を失った。

それに、クロコダイルは卑劣ではあったが下劣ではなかった。

ビビを殴りはしたが、性的に嬲ったりはしなかった。

この状況とは違う。

今、サンジは、男としての矜持も、人間としての尊厳も、全て踏みにじられ、弄ばれ、嬲られている。

こんなサンジに、これ以上抵抗しろ、等と、ゾロには言えそうになかった。

それどころか、ゾロ自身が、ともすれば気が触れそうになるのだ。

見ているだけのゾロが。

こんなにも凄絶に、なすすべもなく気力と生命力が削られる。こんなことが今まであっただろうか。

 

なのに。

ゾロはこの上、まだ、己の欲と戦わなければならなかった。

 

こんな状況のサンジに対して、紛れもない欲望を抱いている、という、自分自身と。

 

気が、狂いそうだった。

 

ゾロの中で、途轍もなく凶暴な衝動が、渦巻き始めていた。

麦わらのクルーになってから、ゾロの奥深くに封印されたはずの、どす黒い狂気の炎。

理性を覆い尽くすほどの、殺戮への衝動。

 

 

「ここに乗せられたまんまじゃあ、俺達全員の相手はできねぇやなあ。オーナー、下ろしていいっすか?」

男の一人がオーナーに問う。

「構わんが油断は禁物だよ。その姫君はそれでも海賊なのでね。」

部屋の隅のソファに優雅に腰掛けて傍観と決め込んでいたオーナーが笑って答える。

「へーえ、こんな子供(ガキ)がねぇ。」

男達の言葉を聞いて、オーナーはおかしくてならない、という風にくつくつと笑った。

「お前達でさえそう言うのなら、ますますこれは金の卵だな。」

「オーナー?」

「サンジは19歳ですよ。」

オーナーの傍らでソファの背にもたれていたピアノ弾きが、代わって答える。

ざわ、と男達がざわめいた。

「19?」

サンジを見る男達の目の色が、変わる。

「こんなガキみてぇなツラで19かよ。」

「なぁるほど。“一級品”なわけだ。」

涎を垂らさんばかりの勢いで、男達がサンジの肌をまさぐる。

ふと、一人がゾロを振り向いた。

「で、あいつの情夫(イロ)ってわけですかい?」

全員の視線がゾロを見る。

「あーあーカレシ血まみれじゃねェか。生きてんのかァ?」

「自分のオンナが犯られるところ見ながら死んじまうわけか。かーわいそうにィ。」

「心配すんなよー。てめェのオンナは俺らがおいしくいただくからよォ。」

その場がどっと沸く。

 

ふと、男の一人が気づく。

「こいつ…、“ロロノア・ゾロ”…?」

男達がどよめく。

「ロロノア・ゾロ? 六千万ベリーの賞金首の?」

「へー、こいつが海賊狩りのロロノア・ゾロ。」

「“イーストの魔獣”だっけか?」

「いいねぇ、魔獣! 獣姦プレイか、獣姦プレイ。」

「ロロノアっていやあ、“麦わら”の一味か。」

「“麦わら”! ってぇと、この金髪のお嬢ちゃんも“麦わら”一味ってわけか。」

「一味? 便所なんじゃねェの?」

男達がげらげら笑う。

「さぁっすがー。麦わら海賊団ともなると便所も金ぴかですか。」

「丁重に扱えよ、なにしろ六千万の魔獣様の便所だからなあ。」

「魔獣様のお便所様ってか。」

「麦わら様のお便所様かもしれねぇぞ。」

「そりゃすげぇ、麦わらっていくらだっけ。一億二千万?」

「一億二千万と六千万で、トータル一億八千万のお便所様だ。」

男達がどっと沸く。

それでもゾロは牢の中で座ったまま何の反応もしない。

あまりに何の反応もないのに拍子抜けて、男の一人がゾロに近づいてきた。

「ああん。ほんとーにくたばっちまってんのかあ?」

鉄格子越しにひょいと覗き込んで、─────不意に男が押し黙った。

 

「ヒ…!!」

 

引きつった悲鳴を上げて大仰に後ずさる。

「どうした?」

その異様な様子に、男達が一斉にゾロを振り向いた。

 

そして全員が息を呑む。

 

 

瀕死かと思われたゾロは、座ったまま凄まじい目でこちらを見据えていた。

鮮血にまみれながら、呼吸一つ乱さず。

狂気すら孕んだ、鋭く獰猛な肉食獣の目で。

 

 

それはもはや人ならざるものの瞳としか思えなかった。

邪悪なほど爛々と光を放つ金の瞳。

 

まさしく魔物の逆鱗に触れたかと見まごうほど凶暴な瞳。

 

 

男達を恐怖が鷲掴みにする。

 

それは無用の恐怖だった。

ゾロがどれだけ男達を睨もうとも、その体は拘束され、檻の中にあるのだから。

ましてや武器一つ持っていない。

けれど男達は、ゾロの目に、その瞬間命の危険すら感じた。

 

恐怖は人を過剰に攻撃的にする。

 

「うわあああッッッッ!!!」

 

男の一人がいきなり銃を抜いた。

「あ、おい、よせ!」

隣の男が気づくがもう遅い。

 

がぅん! がぅん! がぅん! がぅん!

 

男が銃を盲撃ちする。

一発がゾロの右太腿を貫通した。

血飛沫とともにゾロの体躯が横転する。

 

「おい、殺すな!!」

慌ててオーナーが怒鳴った。

 

「何でですか、オーナー! こいつぁ、殺しちまった方がいい! 死体だって六千万は手に入るんですよ!」

「死体になっては六千万に"しか"ならん! 撃つな!」

オーナーの怒号に、別の男が撃った男から銃を取り上げた。

「…魔獣もマーケットに出すつもりなんですかい?」

また別の男がオーナーに問いかける。

「まあな。」

オーナーが、やれやれ、といった調子で座りなおした。

 

さっきまでサンジの後孔を弄っていた男が、ゾロを撃った男の頭を拳骨で殴った。

「馬鹿野郎。魔獣様も商品だとよ。獣に睨まれたくらいでおたつくな、みっともねぇ。獣は檻ン中だろうが。鍵を開けねェ限りは能力者だって出れねェ檻なんだぞ。」

撃った男は気まずそうにオーナーに頭を下げた。

また別の男が、

「ち、興が削がれたな。」

と言った。

それに応答して、また別の男が

「お嬢ちゃんをおろせ。ハラワタん中にぶちこんでやらなきゃ気が治まんねェ。」

と舌なめずりしながら言う。

「大丈夫かよ、“麦わら”の一味だぞ?」

「こんだけ飛んじまってりゃ意識なんかねェよ。」

男達の手が急いたようにサンジを拘束台から引き摺り下ろす。

 

その時だった。

 

ひゅっ、と風を切るような音がしたかと思った瞬間、男の一人が体ごと吹っ飛んだ。

 

ハッとゾロが顔を上げる。

凄まじい勢いで、男の体が壁に叩きつけられる。

美しい弧を描いて蹴り上げられたサンジの足を、信じられないように見つめる男達。

「てめェッ!!??」

色めき立つ男達の前で、けれどサンジの体は力なくぺたん、とその場にへたり込む。

虚ろな目には意識のかけらも見当たらない。

かっとした別の一人が、サンジの腕を乱暴に掴んでも、サンジはなすがままだ。

そのまま殴られようとするのを、

「待て。」

また別の一人が止めた。

その男が、サンジの顎を掴んで強引に上を向かせる。

霞のかかった焦点を結ばない虚ろな目。

「やっぱりな。無意識ってわけか。」

「なんだと?」

「意識なんざねェよ、コイツ。」

ちっ、とまた別の誰かが舌打ちする。

「無意識でこんだけの蹴りかよ。」

「“麦わら”は伊達じゃねェってこったろ。」

憎々しげに吐き捨てる男達の目には、明らかな狂気が宿っている。

 

「オーナー…。コイツに立場わからせてやっていいっすか。」

 

その声はもう笑っていない。

オーナーが、ふん、と鼻を鳴らした。

「言っただろう? 腸を裂いたり肌に傷をつけなければ何をやるもよし。肛門だろうが尿道だろうが、好きなだけ拡張してかまわんよ。」

オーナーの言葉に、男達の目は改めてサンジの性器に取り付けられた器具を見る。

「あァ…。そうか。こんなイイもん付けてたんだもんなァ。」

サンジの太腿にテープで固定された黒い箱に、男の手が伸びる。

 

かちり、とスイッチが入れられた途端、

 

「ギャアアッッ!!」

 

獣のような悲鳴を上げて、サンジの体がひっくり返った。

病的に痙攣しながら床をのた打ち回る。

「うぎっ! があああっっ! あがァッッ!!!」

全身をわななかせながら、サンジの手がそれを外そうと必死で股間の性具に伸びる。

それを男達の靴が踏みつけて遮る。

「ひぐぅッ! おごおおっっ!!」

あれほど大事にしていた手を踏みつけられているというのに、サンジの意識はそれに向かない。

ただひたすら苦痛から逃れようとのたうち続ける。

 

男の手がスイッチを戻す。

 

サンジの悲鳴がやんだ。

だがその体はがくがくと震えたまま、ひぃひぃと喉を鳴らしている。

男の一人がサンジの髪を鷲掴みにして顔を引き上げる。

 

「おいたはいけないってわかったかな? お嬢ちゃん。」

男に顔を覗き込まれて、サンジはなりふり構わず男に縋り付いた。

「助け…助けて…、殺さないで…、助けて…、死にたくねぇ…っ…。」

とてもあの誇り高いコックの口から漏れたとは思えないほど弱々しい、哀願の言葉。

見開いた蒼い瞳から、ぼろぼろと涙があふれる。

誰かが口笛を吹いた。

「死ぬほど痛かったかい? かーわいそうになーあ。」

「もうちょっと長かったら尿道が完全にイカれたほどの電流だもんなあー。」

「うっわー誰だよ、そんなキチクな事したやつーぅ。」

げらげらと男達が笑う。

「……助けて………なんでもするから………殺さないで………」

まるで幼な子のように繰り返すサンジに、

「お嬢ちゃんがいい子にすれば助けてやるよ。」

と、男が囁く。

「それどころか、すげぇ気持ちよくしてやろうじゃねぇか。なァ?」

くっくっと男達が笑う。

「する………いい子にする…………するから………」

サンジは必死で縋り付いている。

それは儚げでいかにも可愛らしい。

ふてぶてしい海賊の風情など微塵も感じられない。

完全に心が砕けてしまって、幼児退行しているようにも見える。

敵を油断させるための演技のようにも見える。

 

演技ならいい、とゾロは思った。

 

こんなサンジなど見たくない。

敵に命乞いをして、泣き付くサンジなど。

あれほどプライドの高い男の、こんなにも惨めな姿など。

 

けれど、そのプライドの高いがゆえに、折れる時は脆い事も、ゾロはよく知っていた。

あれは、もはやサンジの姿をしているだけで、サンジではないのかもしれない。

 

「いい子にするんならご褒美をやるよ。」

男が笑いながら言うと、サンジは嬉しそうに微笑んだ。

あまつさえ、媚びるように男の体に頭を擦り付ける。

「いい子にする……、なんでもする……」

娼婦のような、媚態。

そしてサンジは、自分から目の前の男のズボンの前を寛げて、男の性器を引っ張り出した。

「……だから……殺さないで…………、な? いい子にするから……。なぁ…」

あまりの事に目を剥くゾロの前で、サンジはためらいもなく男の性器を咥え込む。

無心に男の性器をしゃぶる。

どこかうっとりしたような目をしながら。

ぴちゃ…ちゅく…と淫猥な音を立てながら、サンジは男の性器を舐め続けた。

男が低く笑う。

「たまんねぇな、こりゃあ…。」

隣に立っている男に、目で合図する。

すると隣の男は、サンジの傍に屈みこんで、

「いい子にはご褒美をあげなくちゃなぁ。今度はココでイかせてやるよ。」

と囁いて、サンジの太腿にくくりつけられた黒い箱の目盛りを操作した。

囁くついでに、サンジの頬をべろりと舐める。

サンジは嫌がる様子も見せない。

かちり、と黒い箱のスイッチが入れられた。

「ひ…っ…。」

一瞬怯える様子を見せたサンジだったが、すぐにその背がぐうっとのけぞった。

「あ、あっ…、あん…っ!」

そのまま後ろに倒れそうになるのを、性器を舐められていた男が支える。

「気持ちイイだろう? これはこういう使い方も出来るんだぜぇ?」

「あ、ああっ…! あひィッ…!」

「気持ちイイか?」

「あっ…あっ…、キモチイイっ…、イイっ…!」

先ほどとは打って変わって、サンジは恍惚とした表情を浮かべて腰をくねらせている。

恐ろしく淫らだ。

「どこが気持ちイイ? 言ってみろよ、お嬢ちゃん。」

「ちんこ…ちんこキモチイイ…、ちんこの中っ…! はひっ…、はああっ…。」

サンジの性器はすっかり勃ちあがって筒口を上に向けている。

サンジが身悶えるたび、それはふるふるとせつなそうに揺れた。

「“ちんこ”はねぇなぁ。“おちんぽ”つってみな。“おちんぽキモチイイ”ってな。」

その男が言うと、周りの男達が呼応してにやにやと笑い出す。

「おちんぽキモチイイ………あはぁ…っ…」

何の疑問も持たず、サンジは言われるままに繰り返す。

「ああ…、キモチイイ…おちんぽ…キモチイイ…、おちんぽの、中ぁっ…!」

本能のままに自らの性器に触れようとしたサンジの手は、目の前の男によってまたも遮られた。

けれど今度は、踏みつけるなどという乱暴な真似ではなく、やんわりと掴まれて、両手を頭上に引き上げられる。

「やああっ! こすりてぇっ…こすらせて…、おちんぽイきてぇっ、おちんぽイきてぇよぉっ…!」

サンジが泣き声を上げる。

「おちんぽからミルク出してぇか?」

「ミルクぅぅぅっっ! ミルク出してぇよぉぉぉっっっ!! おちんぽからミルクぅぅぅッッ!」

聞くに堪えないあられもない言葉をサンジは絶叫する。

その痴態に、男達が煽られる。

誰かの手が伸びて、サンジの太腿の黒い箱のスイッチを弄った。

「ひゃあああああッッッ!」

サンジが甘ったるい悲鳴を上げる。

「やああっ、やーーっっ!! 出る、出るぅっ! ミルク出るぅっっっ!」

全身をがくがくさせてねだる。

出る、とどれだけ叫んでも、尿道を深く塞がれているため、射精は出来ない。

焦れて、サンジの腰がくねくねと動く。

「これ、抜いてっ、抜けよぉっ…! なあ、いい子に、いい子にした、じゃねぇかっ…、ちんこ、おちんぽ、イかせてっ…、ミルク出させて…、ミルク射精させてえぇぇっっ!!!」

目の前の男に、必死で請う。

蒼い瞳から大粒の涙を流しながら。

凄絶なほどの色香に、男達は完全に飲み込まれている。

どの男達の股間も、すっかり猛っているのが服の上からでも見て取れた。

中には耐えられずに早々と自分の陰茎を擦りだしている者もいる。

「くそ、先にちんぽでイかせるつもりだったんだが…っ!」

サンジの両腕を掴んでいた男が、いきなりサンジの体を突き倒した。

サンジの体をうつぶせに押さえ込んで、尻だけを高く抱え上げる。

焦ったような手つきで、自分の剛直をサンジの尻にあてがった。

力任せに突き入れる。

 

「んああ゛あ゛あ゛ッッッ!!」

 

挿れられた瞬間、サンジの体が大きく反り返り、びくっびくっと激しく痙攣した。

 

2005/11/11
改定 2008/12/23

 


サンジ、みさくら化。
サンジのちんぽハーネス、電流電流言ってますが、実際は低周波みたいなもんじゃないのかなあと思います。
実際に存在する性具です。前に書いたアナルバルーンも実在のものです。


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