「パターン青、使徒発見。目標、NERV本部に向かっています。」
実質EVAで戦う最後の使徒の登場だ。しかし、シンスケ達は何も作戦を立てられずにいた。
「あの形、固形状態じゃないわね。(リツコ)」
(シンスケ君はそんなこと話してなかったわね。)
実はシンスケはこの事は知らなかった。ただレイが自爆した事以外、そんなに詳しくは覚えていないのだ。まさか時をさかのぼるなど想像もしていなかったから・・・。
「レイ、アスカ、攻撃開始して。」
とりあえずシンジは様子見で、後の二人で攻撃するが・・・、突然使徒の体が水溜りのように変化して零号機を侵食して行く。
「零号機、侵食されています。このままでは融合されるのも時間の問題です。」
零号機を助けようと、アスカとシンジは使徒に近づくと、なんと彼らまで侵食されて行き身動きできない状態になって行く。
「ダメです。このままでは3機とも使徒に融合されてしまいます。」
エヴァが3体も使徒に乗っ取られてしまっては、人類滅亡は決まったようなものである。NERVの全職員の顔は真っ青だった。
「A.Tフィールド、もっと強くしろ。(シンスケ)」
なんとか3機とも離れる事ができた。乗っ取られる事は避けられたもののもはや、エヴァ3機の機体はボロボロだ。
「四号機出す?(リツコ)」
「起動するかどうかも怪しいのよ。トウジ君には悪いけど、仮に起動したとこで足手まといになるのは目に見えてるわ。(ミサト)」
(・・・ダメ元であの策で行くか。)
「シンジ、お前だけ一旦退却してくれ。俺に策がある。戻ってきたらすぐ出撃だからな。」
「シンスケ君、勝手に・・・(リツコ)」
「シンジ君一旦退却して下さい。」
「ミサト!本気なの?」
シンジが素早く本部に戻ってくると、シンスケがすぐにエントリープラグに乗りこんだ。
(ダブルエントリー、これは、昨夜とっさに思いついた事だ。まだ、一度の練習すらしたこともない。でも、ぶっつけ本番やるしかない!)
「ミサトさん。初号機、すぐに出撃してくれ!」
「わかったわ。いくわよ〜、エヴァ初号機再発進。」
「零号機、弐号機、再び侵食されていきます。」
(やばい。急ぐぞシンジ・・・。)
「エヴァ初号機シンクロ率急上昇・・・90.100.110.120.130.140.150.160・・・」
初号機は固体でない使徒にATフィールド全開でただがむしゃらに突っ込んで行く。すると零号機と弐号機の侵食が止まった。
「使徒、パワーが弱まっていきます。あっ、パターン青完全に消え去りました。使徒殲滅完了です。」
「パイロットの状態、確認して。」
「大丈夫だわよ、ミサト。(アスカ)」
「俺とシンジも問題ない。(シンスケ)」
「私もほとんど無傷だわ。・・・でも、EVAはボロボロだわ。(レイ)」
まだ一体使徒は残っているが・・・、シンスケ達にとって事実上使徒戦は終わった。これからは人間と人間の戦いである。あの最後の日を思い出すとシンスケはまだまだ気が重かった。
(わしも早く実戦に出れるようになりたいわ。)
数週間後、ダブリス・・・いや、渚カオルがアスカに変わるエヴァ弐号機パイロットとしてNERVに来た。アスカは予備のパイロットと言う扱いになってしまった。
(アスカの奴・・・プライドがどうなるかと思ったが心配は無用だったみたいだな。)
「はじめまして、渚カオルです。シンジ君、君のことは有名になってるね。シンジ君、これからよろしく頼むよ。」
(これが碇シンスケ君か…彼は何者だ!?ゼーレも結局何も解明できなかったしな。)
「ああ、長い付き合いにしたいもんだよ。」
そう、前のような短い付き合いはゴメンだった。カオルのシンクロ率を自由にコントロール。200%とか300%とかケタ外れの数字をどの機体でも出していた。
(あれが、ゼーレの切り札。きっと最後の使徒ね・・・。)
赤木リツコの勘は当たっていた。
いつもの秘密を知る6人で、葛城家で恒例の秘密会議を開いていた時、トウジが訪ねてきた。
「その・・・妹の事なんですが、わしがパイロットになったらNERVが大きい病院に行って、高い手術もしてくれることになってんですけど・・・、どこの病院に転院したのかわからんのです。
「他のNERVの人に聞いても秘密事項の一点張り電話で連絡すらとれんのです。なんとかミサトさん教えてくれないでしょうか。」
(・・・NERV、正義の組織には程遠いわね。)
もはや、トウジの妹は四号機にインストールされこの世にはいないのだ。この事は加持の調査でも確認済みである。
「明日、学校で話そう。(シンスケ)」
「兄さん!」
「加持さん、アレ、明日学校で、お願いします。」
「わかった。覚悟しとけよ、アレをすればどうなるかわからん。」
「・・・ようわからんのですが、ようするに明日学校でシンスケが教えてくれるんやな。でもシンスケなんで今日教えてくれんのや。今日でも明日でも一緒やろ。
「ま、明日になればわかるさ。」
ピーンポーン、ピンポーン、渚カオルが葛城家に入って来る。
「あっ、こちらが今日付けで、エヴァのパイロットになった渚カオル君よ。ここの隣に住む事になったのよ。それと明日からあなた達の学校に転校する事になったわ。(ミサト)」
…これは、すべてシンスケがNERVとカオルに強引に頼みこんだのだ。
「よろしゅう。(トウジ)」
「じゃ、カオル君のエヴァパイロット就任、お祝いパーティって事で一杯やりますか。(ミサト)」
「ミサトが飲みたいだけでしょ。(アスカ)」
「うっ。」
「まぁ、今日だけは多めに見てやるぜ葛城。それ、もうシンスケ君が準備してくれてるぞ・・・、カンパイ。」
ごくごくごく、ビールが一本、二本、三本、四本、五本、六本、やっぱりミサトは飲みたいだけだった。
(やっぱりこうなるのか・・・。明日からはビール禁止だな。)
そんな運命も知らずビールを七本、八本、九本、十本のんで、酔いつぶれグーカ、グーカ寝るミサトだった。
翌日、シンジ達はいつも通り学校に行った。
「ええ、今日はまず始めに、転校生が来たので紹介します。」
「渚カオルです。趣味は歌です。これからよろしく。」
…カオルの自己紹介・・・授業はいつもどおり進んで行く。
「まったく、またセカンドインパクトの話しか。やってらんないわねシンジ。」
「うん、綾波もそう思うでしょう。」
「ええ・・・。しかもセカンドインパクトの原因本当は違うし・・・。」
シンジ達はいつもの担任の話しに呆れ果て、チャットで遊んでいる。
給食、掃除も終わった。本当にいつも通りだった。そう帰りのSTが始まるまでは。
「あれは、ミサトさん、マヤさん、青葉さん、日向さん、加持さん、リツコさん、JAの時田さん。(シンジ)」
「どうしてアンタ達こんなところにいるの?仕事はどうしたのよ。(アスカ)」
「シンスケ君に呼ばれたのよ。・・・どうしても来てくれってね。」
「シンスケ、どういう事よ!(アスカ)」
教室中も突然の訪問客にざわざわになる。どこの誰だと大騒ぎだ。
「えーっ、皆さんお静かに・・・」
後書き
エヴァ二回目もいよいよ使徒戦が終わり、次回最終回です。でも、なんか止めるのもったいないな。とりあえず第一部完ってことにして、続編やるか?ダブルエントリー・・・レイが自爆しそうになって、シンスケが止めるって展開はどこにいったんだろう。あと、誰か感想メールください(泣)…ホント,最近全然来てないの…。
次回予告
「学校の教室にNERVのメンバーを集めてシンスケ。そこで彼は大事話しをする・・・。そして、この話しは人類の歴史を変えて行くのであった。エヴァ二回目、最終話<スピーチ>最後まで見てくれたら、大人のキスをプレゼントよ。」