「ハロー、あなたが、綾波レイね、零号機のパイロットの。あたし、惣流・アスカ・ラングレー。エヴァ弐号機パイロットよ。仲良くやりましょう。」
「どうして?」
「あのな、綾波、”こちらこそよろしく”とか、”わかったわ”とか何か返事くらいしろよ。(シンスケ)」
「そう、わかったわ。よろしく。」
「・・・変な子ね」
(そういや、俺がシンジだったときは、綾波のやつ「命令があれば、そうするわ。」とか言ってたな。そんな返事しか返せないなんて、父さん達がひどい環境で生活させた証拠だよな。まったく。)
「でも本当退屈ね。日本の学校って。それにあの先生バカじゃない?政府の流した情報うのみにして、長々としゃべっちゃってさ。(アスカ)」
「え?(シンジ)」
「どう言うことだ?(シンスケ)」
「あんた達な〜んも知らないのね。チルドレンのくせに。本当おバカさんの集まりねここは。仕方ない教えてあげるわ。」
「・・・15年前人類は最初の使徒と呼ばれる、人型の物体を南極で発見したのよ。でも、その調査中、原因不明の大爆発が起きたのよ。それが本当のセカンドインパクトの正体よ。」
「・・・私達チルドレンの任務は、サードインパクトを未然に阻止することなのよ。もう、あんた達こんなことも知らずにEVAに乗ってたわけ。信じら〜んない。」
(まったく、アスカはそれだけが真実だと思いこんでるな。まあ、仕方ないけどね。本当は原因不明でもないし、俺達がEVAに乗っているのはサードインパクトを防ぐためではなく、起こすためだなんてことを知ってるのは、俺以外にはゼーレとNERV上層部の三人だけだからねぇ。)
同日15:32分に発見された、第7使徒の戦闘は歴史とまったく同じ。結局使徒は分裂し、N2爆弾の影響で動かなくなっている隙に、ユニゾン訓練をし、使徒を倒すこととなった。
翌日の朝、ミサトの家には、ミサト・アスカ・シンスケ・シンジ・レイ・の5人で作戦会議が開かれ、ユニゾンするのはシンジとアスカに決定したことを通告された。
「おっス。勝手にお邪魔させてもらったよ。どうだ、シンスケ君、あの二人の様子は?(加持)」
「ご覧の通りですよ。」
「・・・想像を絶するひどさだな。」
「アスカはうまいんだけど、シンジがな。アスカもシンジに合わせようって気がないですしね。」
「・・・確かにその通りね。(レイ)」
その後も、2人はまったく上達せず、作戦はまったくうまく行っていなかった。次の日の午後、学校にこないシンジ達を心配してトウジ・ケンスケ・ヒカリの三人もミサトの家に訪問してきた。
「で、ユニゾンはうまく行ってるんですか?(ヒカリ)」
ヒカリの言葉の十数秒後、シンジとアスカが踊り始める。
「正直、ひどいわね。(ヒカリ)」
「ハ〜、仕方ない、レイ、アスカとシンジに見本みせてやるぞ。(シンスケ)」
「なんですって、ばかハチマキ。」←<シンスケのことです。>
「文句は踊ってから好きなだけ言ってちょうだい、 ・・・レイ準備いいな。」
「ええ。」
踊り始める二人。信じがたいことに、完璧な踊りをみせる二人。トウジ達に「おお〜」という感嘆の声が聞こえる。
「すごいわ。二人とも。」
「ホンマやな。」
「なによ。なによ。悪いのは私にあわせられない、シンジじゃない。も〜う、やってらんないわっ!」
泣きながら、部屋の外に逃げてくアスカ。呆然とそれを見るシンジ達。シンスケがなぜか大阪弁を交えながらしゃべった。
「しゃあね、やっちゃな。追うぞ、シンジ。」
「う、うん。兄さん。」
アスカを追う、シンスケとシンジ。実は、この世界に来てから、自主的に体力トレーニングをけっこうやっているシンスケ。そのため、シンジはシンスケの走るスピードと体力について行けない。
「ちょっと待ってよ兄さん。」
「おいおい、エヴァ初号機の正パイロットはお前で、予備が俺だろ。なんでシンジのほうが体力ないんだ。」
「そんなこと言ったて・・・。」
それから数分後、アスカを発見した二人。アスカは公園のブランコに乗っていた。シンスケが怒った顔でアスカにキツイ口調で話し掛ける。
「けっ、自分のほうから合わせなかったくせに。泣きながら逃げてくなんて、ずるすぎるぜ。」
「・・・悪かったわね。」
「とにかく、エヴァはチーム戦になることもある。その時、必要になるのは協調性だ。それがなければ、どんなに個人能力が優れていてもダメだ。」
「・・・多分エヴァからも、下りるように上から言われるだろう。もし、お前が、エヴァを下りたいなら好き勝手にやれば言いけどな。」
「あとシンジ、ちっとも上達しないお前にも問題はある。今日から4日間は俺が専属コーチとしてみっちり鍛えてやるからな。とにかく、俺が言いたいのはそれだけだ。気持ちの整理がついてきたら戻ってこい。わかったな、アスカ。」
「偉そうに、そんなことシンスケに言われなくてもわかってるわよ。」
「そんだけ元気がありゃ、大丈夫だな。シンジ、すぐ帰ってさっそく特訓やるぞ。」
「あ、はい兄さん。」
「1.2.1.2 まだまだキレがないぞシンジ。」
「はあ、はあ、もうだめだ、疲れた。」
「俺って、昔コイツ以上に、情けなかったんだよな。」
「えっ、なんか言った兄さん?」
「あ、いやなんでもない。そんなことより、シンジ少しはふんばってやれ。ほれ1.2. 1.2」
(危ない、危ない、シンジに思わず秘密を話しちまうところだったな。加持さんあたりが聞きとれてないと、いいんだけど。)
そのとき、幸い加持はよそ事を考えて、聞いていなかった様子だ。他のメンバーも同様である。。
「なかなかシンジも大変そやな。(トウジ。)」
「そうだな。シンスケって意外と厳しいとこあるんだな。(ケンスケ)」
(しかし、なぜシンスケ君とレイちゃんは、いきなり、あんな見事に踊れたんだ?いきなりじゃ、一人でも難しいのに、二人でぴったし合っていた。碇シンスケ、今まで彼について、俺が入手できた情報は、第3使徒襲来の日、始めてシンジ君と会ったこと。そしてその後の碇指令との密談で、自分がシンジのクローンだと名乗ったこと・・・だけ。一度、彼と二人で話しがしてみたいものだな。)
「あれ、シンジ、ミサトは?」
「今日は徹夜だって電話あったよ。」
「ええ〜、じゃあ、今日はこのバカ兄弟と私の三人で寝るの。あんた達、男と女で2対1だからって、私を襲ったらどうなるかわかってるわね。」
「そんなことしないよ。」
「安心しろ。お前の強暴さじゃ、俺とシンジの二人ががりで襲っても、全然かなわないよ。」
「何ですって。」
「あっ、そういや今日は俺も仕事だったわ。俺がEVA初号機に乗って、修復具合のチェックをするんだったな。じゃ、二人で新婚初夜の記念すべき夜をお楽しみ下さい。」
「ちょっと、なんで私がシンジなんかと。」
「待ってよ、兄さん。」
と言うわけで、二人の新婚初夜(?)の始まり、始まり。
後書き
実はシンスケ君、ある某サイトのエヴァ小説を参考にしています。最近、性格が似すぎてきて、ヤバイかも。まあ二次創作ですので、笑って許してください。今回、ミサトがぜんぜん登場しませんでした。名前がちょっろと最後に出てきただけ。ユニゾン訓練の時になぜ登場しなかったかは、作者にも謎です。
次回予告
「シンスケは食堂でマヤとレイに会う。なかなかはずむ三人の話し。マヤは自分がNERVに来ることにした理由をシンスケ達に語る。マヤの過去とは?また、アスカと新婚初夜(?)を過ごすことになってしまったシンジはどうなるのか?エヴァ2回目、第10話「思わぬ敵」ぜひ見てちょうだいね。」