Cast a spell on Wedding Dress 3
「・・・これは?」 そう訊ねる以外にどう訊ねろと言うの? いきなり楽屋に現れた初対面の人から大きな箱を押し付けられたあたしに。 その時、あたしは五つ子でアイドルをやっている弟たちの衣装の繕い物などを弟たちの楽屋でチマチマとやっていた。 今日はWEも出ている歌番組の収録なのに、暴れ回った弟達の尻拭いの為に収録が見られず、楽屋でこんな事をしている。 まるで舞踏会に行けないシンデレラのようだと我が身の不幸に酔いしれながら。 そこへノックの音、はい、と返事をすると見知らぬ外人のオバサンが大きな箱を抱えて入ってきた。 そして、あたしの顔を見るなりホッと安心した顔をした。 「やれやれ・・・やっと見つけたよ〜全く、楽屋ってのは幾つあるんだい?」 疲れた顔で流暢な日本語を話す見知らぬ外人のオバサンは、昔はさぞやと思うくらいの美人だったが、顔に覚えが全くない。 「どちら様で?」 と恐る恐る訊ねても 「あたしの名前なんてどうでもいい事さ!それよりコレ!」 あたしの質問には答えずに、あたしに持っていた大きな箱を差し出す。 あたしは素直に受け取る事も出来ずに最初の問いを発した。 だって怖いじゃないの! 見知らぬ外人のオバサンがテロリストだとは言わないけど、その箱の中身が何だか解らないなんて! 箱を受け取らないあたしに業を煮やしたのか、見知らぬ外人のオバサンは自分で箱を開けて中身をあたしに見せた。 「わぁ・・・」 思わずあたしは感嘆の声を漏らしてしまった。 だって、それは純白のドレス、しかもどう見てもウエディングドレスにしか見えない。 新品ではなかったけど、時代を超えた素晴らしさがそのドレスにはあった。 女の子なら誰でも一度は憧れる、ウエディングドレスの王道を行くようなドレスだ。 だから見知らぬ外人のオバサンからこう言われた時は驚いた。 「これはアンタのものだよ」 え?ウソ? 「ど、どうして?」 あたしはもう一度記憶を辿ってみたけれど、このオバサンには見覚えがない。 こんな人、会ったら忘れないと思うんだけどな。 「・・・信じられないかもしれないけど、信じて欲しいんだよ。あたしはアンタがこのドレスを着て祭壇に上がるのを見たのさ。だから、本当はどうしようかと散々悩んだんだけど、持ってくる事にしたのさ。これを受け取って次に会う人と結ばれる運命にあるんだよ、アンタは」 ちょっと躊躇ってから見知らぬ外人のオバサンが説明した話はこうだった。 信じて欲しいと言われても・・・やっぱり信じられない。 あたしがこれを着て祭壇に上がるのを見たって・・・いつ? それに次に会う人と結ばれる運命だと言われても・・・瑞希さんならともかく・・・困る。 「その・・・」 あたしが大量の疑問を消化しようと口を開きかけると、見知らぬ外人のオバサンが持っていた時計のアラームが鳴った。 「ああ、ゴメン!この楽屋を探すのに思っていたより時間が掛かったから・・・あたしはもう行かなくちゃ。じゃそのドレスで幸せになるんだよ?そうそう、返却は効かないからね」 そう言って慌しく見知らぬ外人のオバサンは出て行った。 このドレスをあたしにどうしろと? あたしはまだ高校生なんですけど・・・結婚なんて! 瑞希さんとなら考えないでもないけど・・・縁遠いシロモノだわ。 あたしは箱の蓋を閉めて楽屋の隅に追いやり、繕い物を続けた。 チクチクチクチク・・・肩をトントン、チクチクチクチクチクチクチクチク・・・静かだけど疲れる。 さて、もう一息! そこへまたノック! あたしはまたあの見知らぬ外人のオバサンかと思って、思わずドアを凝視して身構えた。 「あれ?はじめちゃんいるじゃない。返事がないから居ないのかと思った」 なんだ、江藤さんか。 「すみません、返事をしなくて。さっき変な人が入ってきたモンですから・・・どんな御用ですか?」 あたしは少しホッとして謝った。 ドアのノックに返事をしなかったくらいで咎められても困るけど、江藤さんは弟達の事務所の先輩だし、愛しい瑞希さんの相棒だし、ここはあまり悪い印象を与えないようにしとかなきゃ。 「変な人が入ってきた?ってどんな人?」 オイ!注目するべき点はソコじゃないだろう? 聞かれた事に答えろよ! とは思っていても言えず。 「えっと・・・見た事がない外人のような・・・あ、でも日本語が流暢でした。40代か50代ぐらいの女の人でしたよ」 それでもキチンと答えるあたしって偉いわ。 忍耐力が身についてきたのかしら? 「???見た事がない外人の日本語が流暢なオバサン???何しに来たの?」 それがあたしにも疑問なんですよ。 「何だか訳の解らない事を言ってあの箱を置いていったんです」 と、あたしはご丁寧に見知らぬ外人のオバサンが置いていった箱を指差した。 「何が入ってるの?アレには」 しつこく聞いて来るわね。 あたしは段々と説明するのが恥ずかしくなってきた。 だってこうして話していると、いかにも嘘のような気がしてくるんだもの。 「それがその・・・ウエディングドレスが・・・」 そう言えばあのオバサン、変な事言ってなかった? このドレスを受け取ってから初めて会う人と結ばれるとか何とか・・・ 初めて会った人って・・・まさか、この人になんの? イ・ヤ・ダ〜〜〜! 「ふうん・・・」 興味があるのかないのか、相変わらず江藤亮の表情は読めない。 「それより、江藤さん、どんな御用ですか?」 あたしは箱から興味を逸らすようにもう一度尋ね返した。 「あ、そうそう。はじめちゃん、五つ子達が衣装はまだか?って、もうすぐ本番だから」 「そーゆー事は早く言ってくださいよ〜」 それに、どうしてそんなADかマネージャーがするような使い走りをするんですか? アンタは仮にもアイドルでしょうが! あたしは心の中で叫びながら、出来上がった衣装を抱えてスタジオへと走った。 アイツらにはスタジオの隅で着替えさせればいい! その日はその後もバタバタと慌しく、箱の事はすっかりキレイに忘れてしまっていた。 「あれ?これは?」 M2の事務所にある衣装室であたしは見覚えのある箱を見つけた。 「ああ、それ?この間TV局から送られて来たんだよ。A・A・Oの楽屋にあった忘れ物だってさ。はじめちゃん知らないの?」 マネージャーの志賀さんの言葉にあたしは引き攣った顔で頷いた。 「え、ええ、知りませんねぇ・・・誰の忘れ物でしょう?」 ここで白を切り通せば、このドレスから解放される、と思って。 でも、甘かった・・・ 「あれ?この間、はじめちゃんが貰ったって言ってた箱じゃないの?ソレ」 どこから涌いて出たんだ江藤亮! 余計な事を! 「あ、そうでした!そうそう。すっかり忘れちゃって・・・すみません」 これ以上バラされないうちに引き上げよう。 忘れていたかったのに・・・シクシク。 「貰い物?プレゼントなの?はじめちゃん。隅に置けないねぇ」 志賀さん・・・オヤジ入り過ぎですよ〜これ以上突っ込まないで欲しいのに。 「貰ったのは女の人からですよ、志賀さん。そんなんじゃありませんから」 苦しい笑顔でオヤジな追及を交す。 フー、ヤレヤレ。 「でも、ソレ、ウエディングドレスだって言ってたじゃない?」 江藤亮〜〜〜!少しは口を噤んでいてくれ!! 「ええ、そうですけど、でも・・・」 「え?ウエディングドレス?どうして?」 志賀さんが興味津々で聞いてくる。 江藤亮も答えを促すようにじっと視線を送っている、様に見える。 勘弁してよ! 「きっと人違いですよ。見た事がない初対面の人でしたし、名前も名乗らなかったんですから。古いドレスを処分するのを任せられたんじゃないかな?と思うんですけど」 そうでも思わなきゃ信じられる訳ないじゃないの。 このあたしがコレを着て結婚する運命だなんてね。 「へぇ、面白いね。見てもいい?」 志賀さん、暇なんですか? あたしは渋々、箱からドレスを取り出して見せた。 「綺麗だね〜確かに新品じゃないけど、処分するほど古くもダメにもなってないみたいじゃない?」 ま、まあ確かにあたしもそうは思うけど・・・ 「コレをくれた人は他に何か言ってなかったの?」 ああ・・・一番聞かれたくない事を・・・だからアンタなんてキライよ江藤亮! 「ええっと・・・その・・・ヒ・ミ・ツ!って事じゃダメですか?」 ホントの事を言ったって信じてもらえる訳がないんだから。 第一、あたしが信じてないし。 ちょっと可愛い子ぶって誤魔化してみたりして。 「ええ〜聞かせてよ〜」 志賀さんが可愛い子ぶっても可愛くないですよ。 「いいじゃないですか!これはあたしが貰ったものですから。ハイ!お終い!」 あたしはドレスを箱に仕舞って片付けた。 3段ベッドの下に永久保存しておこう。 弟たちには見つからないようにしなくちゃ! それにしても、あの見知らぬ外人のオバサンは何処の誰なんだろう? 身元が判れば返すのに。 返却は効かないって言ってたけど、あたしが持ってても仕方がないし。 「あ♪おはようございます♪瑞希さん♪」 弟たちと楽屋入りをすると、同じ楽屋のWEが先に来ていた。 あたしは笑顔全開で愛しの瑞希さんに挨拶をする。 「江藤さんも、おはようございます」 ま、トーンが少し下がるのは致し方ないわよね。 「おはよう、はじめちゃん。お前らもな」 優しい瑞希さんはあたしだけじゃなく、弟たちにも声を掛けてくれる。 「「「「「おはようございま〜す!和田さん江藤さん!」」」」」 五人が一斉に喋ると五月蝿い! 弟たちは瑞希さんや江藤さんに突進するようにじゃれついていく。 羨ましい奴ら。 あたしは騒ぐ弟達の傍らで出演の準備を始める。 「こら!あつき!妙な踊りを踊って服を破かない!」 「かずや!いい加減、雑誌を手放して!」 「さとしもさっさと着替える!」 「ちょっと、たくみ!靴下に穴開いてるわよ!」 「あ〜あ〜もう!メイクで遊ばないの!なおと!」 合間に檄を飛ばしながら。 どうして弟たちは少しでも大人しくしてくれないんだろう? あたしは疲れた溜息を吐きながら、鏡台の前を片付けていた。 雑誌を出しっ放しにして!まったく! その時、ある週刊誌に載っていた記事の写真があたしの目に止まった。 この人・・・あの見知らぬ外人のオバサン! あたしはそれに飛びつくように記事を読み始めた。 えっと、なになに・・・『大臣の御宅訪問』? えっ?あの人、大臣の奥さんなの?あれで? しかも、これって・・・ 「はじめちゃん、はじめちゃん」 肩をトントンと叩かれて、あたしは凝視するようにその週刊誌に見入っていた事に気付く。 「はい!なんでしょう?江藤さん」 「その本、俺のなんだけど・・・欲しいの?」 え?いらないわ。 「す、すみませんでした。結構です!ありがとうございました!」 読むべきところは読んだから返します。 リハーサルが始まって慌しい一日が過ぎていく。 時折、考え込んでボーッとする事もあったけど、大きな失敗はせずに済んだ。 まさか、そんな・・・ あの人はてっきり頭のおかしな人だと思っていたのに。 でも、TV局の楽屋に入るにはそれなりのツテとコネがなきゃダメだし、勿論信用も。 もし、アレが本当なら、あの人が言っていた事は全て真実で・・・ いやいや、まさか・・・そんな筈はない・・・と思いたい。 「はじめちゃん、どうしたの?」 「どこか身体の具合でも?」 「お腹が空いたの?」 「それとも食べ過ぎ?」 「え?俺たちに黙っていつ食ったんだよ!」 五月蝿いわね! 「バカな事言ってないで、収録が済んだなら帰るわよ!」 全く!食べ物の事しか頭にないんだから! 「はじめちゃん」 弟たちを引き連れて帰ろうとしていた所を江藤さんに呼び止められる。 「はい?何ですか?」 「はじめちゃんが言ってた『見知らぬ外人のオバサン』ってこの人の事なの?」 江藤さんはさっき、あたしが見ていた記事のページを開いて差し出してきた。 「違いますよ〜すごい豪邸だなぁって見入っちゃったんですよ〜」 本当の事なんか言える訳がない、特にアンタには。 「はじめちゃん、豪邸好きだよね〜」 「御宅訪問とかよく見てるし」 「いつか僕たちも住みたいよねぇ・・・大きいお家に」 「はじめちゃんが好きってゆーか、目指してんのは玉の輿だろ?」 「夢をみる権利は誰にでもあるからなぁ」 悪かったわね、玉の輿が夢で。 いいじゃないの、女の子の究極の結婚よ!お金持ちとの結婚は! もちろん、愛があるに越した事はないけど。 何だか、今日は疲れて弟たちに檄を飛ばす気力もない。 「そう?ここに書いてある『縁結びの魔法のウエディングドレス』ってアレの事じゃないの?」 ああ・・・アンタって人は・・・どうして余計な事ばかり喋んのよ! 「はじめちゃん、アレって?」 「ウエディングドレスってなに?」 「縁結び?」 「魔法ってどんな?」 「はじめちゃん!結婚すんの?」 コイツらの前でそんな事言えば収拾がつかなくなるでしょうがぁ〜! 「五月蝿い!五月蝿い!五月蝿〜い!」 あたしの血圧はレッドゾーンを超えて振り切れた。 足元が崩れるように倒れ込む。 「「「「「はじめちゃん!はじめちゃん!」」」」」 ああ・・・こんなことなら局入りする前に、献血車で献血してくればよかった。 そうすれば鼻血も出ずに済んだだろうに。 あ、冷たい・・・気持ちいい〜 やだ、もっと!もう少しだけ置いといてよ、このアイスノン! そう思いながら目を覚ますと、アイスノンだと思っていたのは江藤さんの手だった。 勿論、さっさと手放す。 「すみません・・・江藤さん」 あたしはどうやらあのまま気を失ってしまったらしい。 「寝不足じゃないの?顔色悪いよ」 最近、夢見が悪くって・・・よく眠れない。 ベッドの下に置いてある、あのドレスの所為かしら? 「弟たちは?」 楽屋は静かだった。 江藤さんとあたしの二人だけしかいない。 「騒いで落ち着かないからって先に帰したよ。瑞希が送ってった」 チェッ!逆なら良かったのに。 「はじめちゃん、ちゃんと正直に答えてよ。あのドレス、この記事のなんだろ?」 しつこいわね。 「江藤さんには関係ないです」 そうよ!アンタにどんな関係があるって言うのよ! 「関係はあるんじゃないの?この記事を読むとさ、ドレスを受け取って初めて会った人と、ってあるけどそれって・・・」 「違います!こんなの嘘っぱちです!『見知らぬ外人のオバサン』はこの人じゃないって言ったじゃないですか!あれはただ、あのドレスは処分する為だけにあたしが預かったものなんです!絶対にそんな『魔法のウエディングドレス』なんかじゃありません!」 あたしは江藤さんの言葉を遮るように強く否定した。 違う!違う!絶対に違う! あれは違う筈よ! あたしは零れてきた涙を隠す為に両手に顔を埋めて首を激しく振った。 「はじめちゃん・・・そんなに俺、嫌われてたのか」 そうよ! 「あ、あたしは・・・瑞希さんが好きなんです!」 ずっとずっと!好きだったんです! 「それは知ってるけど」 そうでしょ? 誰でもみんなが知っている事よ! あたしが瑞希さんの事を好きな事は! ただのファンなんかじゃなくて、ホントに本当に好きなんだから! 「でも運命ならしょうがないんじゃないの?」 呑気な顔してよくもそんな・・・ティッシュの箱を手渡しながら気楽に言うな! 「へえ・・・そう?アンタは運命ならなんにでも従うって言うの?運命だったら今死んでも構わないって?冗談じゃないわ!『運命』の一言で済ませらちゃたまらないわ!一度っきりの人生なのに!アンタがよくてもあたしは嫌よ!ご免被るわ!あたしは断固!戦って見せるんだから!」 あたしはティッシュの箱を奪い取るようにして取り上げ、盛大に鼻をかんで涙と鼻水を吹き飛ばしてから捲し立てた。 「ふ〜ん、やっぱりそうだったんだね」 うっ!間接的にではあるけど、江藤さんの推測を認めた事になるのかしら? 「ち、違うんです!」 必死で否定しようとしたけれど。 「はじめちゃんって、嘘がヘタだよね」 もはや江藤さんには通用しないみたいだ・・・ 「・・・江藤さんはホントにあの話を信じるんですか?」 魔法のウエディングドレスだなんて・・・受け取った後に出会った相手と結婚する運命だなんて、本当に信じてるの? 「さあ?どうだろう?」 はっきりしない男ね! 「でも、俺。はじめちゃんのこと好きだよ」 フン! 「瑞希さんの次に、でしょ?」 知ってるんだから! 「今はそうだけど、この先どうなるかわからないなぁ・・・今回、慌てたり、脅えたりしているはじめちゃんって可愛いかったからね」 ちょっと!今のは不意打ちよ!卑怯だわ! コラッ!あたしの顔!赤くなるんじゃない! 「それに、やっぱり五つ子が弟になるのっていいよね」 あたしはあの子達のオマケなの? ふざけるんじゃないわよ!! 「アンタなんて大っキライよ!江藤亮!!」 「いい?解ってんの?あたしが好きなのは瑞希さんなんだからね?」 「うん」 「アンタなんて瑞希さんの足元にも及ばないんだから!」 「うん」 「アンタは鈍いし、場の雰囲気を読まないし、気が利かないし、いいトコなんて一つもないんだから!」 「解ってるよ」 あたしは純白のウエディングドレスを着て左手を腰に当て、右手の指を突き立てて振り回していた。 目の前の男に向かって文句を並べ立てながら。 今更、こんな事を言うのはバカげているかもしれないけど、ちゃんと言い聞かせておかなきゃ。 ただ、目の前にタキシード姿で立っている男はニコニコと笑っているから、どこまで理解出来ているのか解んないんだけどね。 「ま、それでも、結婚しようという気になったのはアンタの方だったんだから・・・しっかりしてよね!」 グッと睨みを利かせようとしたけど・・・ダメだった、笑っちゃったのよ。 「そのドレス、ぴったりだね?似合ってるよ、はじめちゃん」 そりゃそうよ、着る人にサイズを合わせてくれるそうなんだから。 「ブッブー!35点!」 花嫁へ掛ける言葉としては落第点だわ。 「う〜ん、『今日の君は世界で一番綺麗だ!僕は世界で一番の幸せ者だ!』」 「芝居がかってる!50点!」 「じゃあ・・・」 江藤さんはあたしを抱き寄せて唇を掠めるようなキスをしてから耳元でこう囁いた。 「はじめちゃんが世界で一番好きだよ」 合格! |
Postscript
企画ネタ第三弾は亮Xはじめ、このカップリングで最初に思いついたんですが、前振りに2つも作るもんじゃありませんね、お待たせいたしました。 これもお久し振りのはじめちゃん、オリジナル(原作ベースの)ネタです。 が、今までのシリーズとはちょっと経由地点が違うので、オリジナルシリーズと銘打っているものからは少し外れたものだとご理解ください(ややこしいな) この企画を最初から読んでくださっている方にはお解りでしょうが、冒頭に出てくる『見知らぬ外人で日本語が流暢なオバサン』とは「遥かなる時空の中で」のシリンです。 シリンが主役の話は企画のページ、もしくは「遥か・・・」のページから行けます。 読まなくても解るようにしたつもりですが、気になる方はご一読下さいませ。 ちなみにシリンがオバサンなのは彼女が既に50に手が届くような年だから(苦笑) 立派なオバサンです。 ま、彼女の事はともかく・・・これも間をスッ飛ばしてしまいましたねぇ。 楽屋の二人だけのシーンから式の直前まで、かなりの時間が掛かったのか?それとも割かしすぐだったのか?どっちかな?どっちもありそうです(優柔不断) はじめちゃんはいつになく亮クンを嫌ってますし、亮クンも今まで(の私の創作)とは違って押せ押せでもラブラブでもありません(のように書いたつもりなんですが) ちょっと補足が足りなかったかもしれませんが、気になる女の子が不安そうにしていたら気になりますよね? 知りたい気持ち、好奇心が強くなる事は好意の増長傾向にある途中だと思います。 そんな亮クンを出してみたかったんですが・・・失敗ですかね?(言い訳している段階で失敗) このジャンルは作品数が少ないのに、お客様が多い様なので、増やしたいんですが、中々難しい。 妙に原作に拘っているからだと思いますし、芸能界を描く事が難しいと思っているからだと思います(そんなに芸能界を出していないのに) パラレルに逃げてもニーズと違うんだろうな、と考えると出すのが躊躇われるし・・・ 書きたいものを書く、と言っておきながら所詮は人の目を気にする小心者です、私は。 2004.11.18 up |