I Wish

「お先に〜」
「お疲れ〜」

 これで最後の一人が帰った。
 実験室にはオレと彼女の二人っきり♪

「クラリス、まだ掛かるのか?」
 そっと後ろから近寄って肩を抱くと、クラリスの身体がビクッと震える。
 これから起こる事に気づいているのかいないのか、振り返った顔は少し赤くて怒ってる。

「もう少しで終わります・・・ですからマリウスさん・・・やぁっ、ダメです!」
 肩に置いた手を脇の下に潜らせて胸を持ち上げて揺らす。
 相変わらずデッカイ胸♪

「だぁって随分ご無沙汰なんだぜぇ」
 そうなのだ、クラリスと同じマイスター・ランクに入れたのはいいけど、アカデミーの寮じゃ狭いし壁が薄くて音が筒抜けだ。
 声は抑えることが出来てもベッドがギシギシいっちゃぁね、バレバレだろ?
 だから一緒に居る時間が増えたってのに出来る時が少ない。

「クラリスはしたくないの?」
 そう尋ねながらも歯でドレスのファスナーを挟んで擦り下ろし始める。
 胸を玩んでいた片手もスカートをたくし上げ始めて。

「ん・・・ここはアカデミーの実験室ですよ!場所を弁えて下さい」
 お固いなぁ・・・んでもね。

「どうして他の皆がこんなに早く帰ったか知ってるか?」
 窓の外を見ればまだ日も暮れ始めても居ないのが判る筈だぜ、いつもならこの時期は真っ暗になっても残っている奴が居るってのにさ。
 そりゃもちろん、実験室は他にもあるし、一人で籠る方が好きな奴も多いけど、ここは一番広くて大きくて機材が揃っている実験室だから自然と使う人数が多い。

「・・・まさか!マリウスさん他の人に何か言ったんですか?」
 クラリスちゃんは頭がいいから察しもいいみたいだね?

「ピンポ〜ン!みんなには事情を話してちょ〜っとばっかし協力してもらったんだぁ〜いや〜みんな喜んで協力してくれたよ〜友達甲斐のある奴らばっかり!」
 もちろん、タダじゃなかったけどね。
 俺の図鑑を貸し出したり色々と要求を呑まされたさ。

「そんな・・・あ・・・ん」
 クラリスはあまりの事に絶句してたけど、もうドレスのファスナーは下ろしちゃったし、スカートも腰まで捲り上げて俺の指は下着の中に潜り込んでる。
 へへへっ、もう濡れ始めてるじゃあないかぁ。

「折角の皆のご好意を無駄にしちゃいけないな、クラリス」
 露になった首筋にキスを落として服の上からではなく直に胸を揉み上げる。
 う〜ん、この触り心地、柔らかくってたっぷりしててサイコー!

「駄目です、そんな・・・いやあっ」
 クラリスは激しく抵抗し始めた。
 諦めが悪い奴だな、それなら・・・

「クラリス、大きな声を出すとギャラリーを煽るだけだぜ?」
「ギャラリー?」

 怪訝なクラリスに俺は小さな声で説明してやる。
「どうして皆が簡単に協力してくれたと思う?本当に皆が素直にここから出ていなくなったと思う?もしかしたら1人か2人外で聞き耳を立てているかもしれないぜ?」
 多分そんな事をする物好きはいないだろうけど、娯楽の少ないこのアカデミーで出歯亀がいないとは言い切れないよなぁ。

 俺の言葉にクラリスは恐る恐る俺を振り仰いで
「まさか・・・そんな」
 と呟いた。

「大声を上げて激しく抵抗してギャラリーの期待に応えるのもいいな。どう?」
 下着の中に潜り込んだ指でツンツンと敏感な蕾を突付きながら聞いてみる。
 クラリスは気丈にも身体を震わせながら声を上げまいと唇を噛み締めてる。
 虐めすぎたかな?

「ウソだよ、そんな事あるわけ無いだろ?」
 クラリスの頬にキスしてもうビンビンの息子を入れ込んだ。
 ウソだと言ったのに、クラリスは外が気に掛かるらしく声を押さえてる。

「ん・・・んんっ・・・ふっ・・・ぐっ」
 クラリスは実験台に手を付いて腰だけを突き出して白い背中を見せている。

 大丈夫だよ、俺のマントで君の身体は見えないようにしているんだから。
 ホラ、こうして片脚を上げたって隠れちゃうんだぜ。
 俺が君の身体を他の奴に見せる訳が無いだろう?
 他人に見られてるって緊張感でいつもより君の締め付けが強くったってそんな事知らせる事もしないしさ。
 こうした事が出来なくなっちゃったから俺だって楽しみたいんだよ。

「ああ・・・クラリス・・・」
 もうダメだぁ・・・
「マリウス・・・」

 ちょっぴりスリルを楽しんだ俺はクラリスから強烈な平手打ちを食らった。
 酷いなぁ・・・クラリスだって楽しんだくせに・・・

 しかし、本当に今の状況は酷くなる一方だ。
 今回のような手は二度と使えないだろう。
 クラリスも絶対嫌がるだろうし。
 やっぱりあの計画を早く進めなきゃ!



「マリウスさん!どうして最近マイスター・ランクへ顔を出さないんですか?」
 開口一番、クラリスのお言葉。
 心配してくれたんだ・・・ゴメンね。

「後で説明するから・・・それより一緒に来てくれよ」
 百聞は一見にしかず、俺はクラリスの腕を引っ張ってとある場所に連れて来た。

「ここは?」
 街中の職人通りの外れの一軒家を見上げてクラリスは不思議そうに尋ねる。

「まぁ、いいから中に入って見てくれよ」
 クラリスを促して中に入れると、そこには幾つかの花束と綺麗に並べられた薬品と本。

「この工房はアカデミーに返したのではありませんか?」
 クラリスは訳が判らない、といった顔をしている。
 そーだろそーだろ、今まで内緒にしていたもんな〜

「勿論、一旦は返したんだけど、その後ここを使う奴もいなくってさ。ま、あんな追試を受けたのは前代未聞だったし、無理も無いけど。そこであのままになってたここを俺が借りる事にしたんだ。アカデミーの研究発表の場として製品を売り出す、売店とは別に」
 俺の答えにクラリスはまだ腑に落ちないらしい。

「あなたはマイスター・ランクを辞めるおつもりなんですか?」
「そうじゃないよ、研究は続けるさ。でもここで市井の人達からの依頼も受ける。そのほうが新しい薬の開発にも繋がるしね」
 クラリスの言葉を否定して理解して貰おうと説明する。
 彼女だって見てきた筈だ、俺が力をつけた要因には色々な依頼を受けた事が大きいって。
 それをアカデミーも認めてくれたんだぜ。

「ここで街の皆からの依頼を受けながら錬金術の研究を続けるんだ、俺達で」
「俺たち?」

「そうだよ、俺とクラリスで」
「私も?ですか?」

「イヤか?」
 突然だったからな、怒ってるかな?勝手に決めた事。
 驚かそうと思って黙ってたんだけど・・・やっぱり拙かったかな?

「イ、イヤじゃありませんけど・・・驚きました突然で」
 クラリスは少し赤い顔をして俯いた。

「そっか!それなら良かった♪今日からここが俺達の家になるんだから」
 ホッとした俺の言葉にクラリスは「え?」と声を上げる。

「私達の家?」
「そーだよ〜言っただろう?俺達でここを取り仕切っていくんだって。二階が住居になってるから当然住み込みだよ」
 何を聞いてたんだよ〜

「で、でも・・・私達って・・・」
 クラリスはまだ判ってないのかな?

「一緒に住むんだよ、ここに。指輪を受け取ってくれただろ?式はまだここを借りた所為でお金が足りないから直ぐには無理だけどいずれきちんと挙げるからさ、まずは新居だけでも決めちゃったんだ〜」
 寮住まいじゃ新婚生活なんて出来やしないからなぁ。

「式って・・・新居って・・・それじゃあ」
 漸く判ってくれたみたいだな。

「でも・・・そんな急に・・・」
 急じゃないぞ、指輪を貰ってからもう1年経つし、稼げるようになってきたんだから当然じゃないか。
 それに・・・

「今日は誕生日だろう?クラリスの」
 お祝いだよ♪
 間に合わせたかったんだ〜

「私・・・」
 クラリスは俯いてしまった。
 急すぎて嫌だったのかな?
 でも、さっきはイイって言ったよな?

「クラリス?」
 俯いた彼女の顔を覗き込むと、クラリスは目に涙を浮かべていた。
「私、嬉しいです。マリウスさん」
 そう言って俺に抱きついて来てくれた。

 わぉ、こんな事、初めてじゃないか? 恥ずかしがり屋のクラリスが、ベッドの中では大胆で積極的だけど、服を着ている時はこんな事してくれた事は無い。
 それだけ喜んでくれてるのかな?

 そんな訳だから、当然キスは長〜くヒートアップしていって・・・でも寝室まで我慢したんだぜ俺。
 よく辛抱したよな、俺。
 だってやっぱり初夜は花嫁を抱き上げてきちんとベッドで抱かなきゃ、可哀想だろ?

 式はまだだけど、コレって立派な初夜だよな?
 二人の新居で初めての・・・この場所で初めてな訳じゃないけど、要は気分の問題だ。
 もちろん、式を挙げたらその日もやっぱり初夜になる訳さ。

「クラリス・・・これからここでずっと一緒に暮らしていこうな?」
 ベッドに下ろしたクラリスが頷く。

 そうだよ、ここなら寮と違って薄い壁に気を使う事無く思う存分・・・じゃなくて!
 彼女と二人で一緒に暮らしてそしていつか・・・子供も生まれて家族を増やすんだ。
 その為にも!

 俺がマントを外してローブを脱ぎ始めるとクラリスもドレスのファスナーに手を掛ける。
 ここを引き払ってからまだ半年も経っていないのに、なんだか懐かしい。
 ここでこうして何度も愛し合った事。

 クラリスが服を脱いで髪飾りを外して眼鏡を外す。
 それにちょっと見惚れてしまった俺がまだ脱ぎ終わらないとクラリスが手伝ってくれる。
 柔らかい胸が肌蹴た俺の胸に摺り寄せるように当てられて、彼女の手が俺のモノの硬さを確かめるように触れる。

 まだ少し柔らかいソレをクラリスが胸に挟んで舌でチョロチョと煽るように弄る。
 早く咥えてくれよ!その可愛い口で!
 少し焦らされて、俺が彼女の胸の尖端を摘んで引っ張ると、一瞬怒った様な顔をしたクラリスに睨まれるけど、彼女の腰を抱えてこちらに向けさせて濡れそぼっている場所を指で突付く。

「どっちがいい?」
 指と舌と?
 俺のを咥えてるクラリスには答える事が出来ないけど、答えは決まってる。
 両方だろ?

 指で広げてまだ奥深くに隠れている敏感な蕾を曝け出す。
 そして指と舌とで交互に弄る。
 溢れ出てくる蜜とビクンビクンと跳ねる彼女の身体がその快感を俺に伝えてくる。

「クラリス・・・」
 もうダメだ!出ちゃいそう!

 彼女を促すと、身体の向きを変えてくれる。
「マリウス・・・ああっ」
 横たえたクラリスの脚を広げて入り込めば、小さな彼女の身体が撓って銀色の髪がベッドに広がる。

 今日からここでこうしてずっと一緒に暮らしていくんだ。
 今迄みたいに逢えない日を悔やんだり、焦れて機会を待つ事も無い。
 今度こそ、俺だけのものになったんだ。

「愛してるよクラリス」
 もう放さない、ずっと一緒だ。
 ぎゅっと抱きしめて囁く。

「ええ・・・私もです。マリウス」
 ずっとずっと・・・これからも一緒に年を取っていこうな?
 ハッピー・バース・ディ!クラリス♪


「あなたの望むもの」へ戻る    オマケの逆転・また逆転へ続く


Postscript

お待たせしました(誰も持っていなかったりして・笑)
クライスのお誕生日記念創作で「Your wish」の続きになります。

それにしても・・・マリウス親父臭い・・・すっかりスケベ親父に成り下がりました。
マリウスがバイトに精を出していたのは、アトリエを借りるためと新居の家具を揃える為でした。
一人暮らしじゃなくて二人だもんね♪
ベッドは一つでいいかもしれないけど!
家具となるとそうはいかないでしょう。
ま、尤も使い回した物も多いはずですが。

この二人はケントニウスにも行かずにザールブルグでずっとつましく暮らしていくことになるのでしょう。
お幸せに♪

誕生日のお祝いが新居、というのも夢があるんだかないんだか判りませんが、二人っきりで思う存分イチャイチャして下さいな!

2003.11.27 UP

 

 

 

 

 

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