遠雷 12


(12)

      イヤダ! 気持ち悪い!!
      助けて、誰か!
      お父さん、お母さん……ヤダ、ヤダ!
           

      イヤダ!

脳裏に閃く言葉の数々は、声となることはない。
追い詰められた小動物のように、全身を小刻みに震わせて、必死になって抗うアキラに、芹澤は囁いた。
「このクリームはね、ただの潤滑剤じゃないんだよ。
 君を素直にする、甘い薬が入っているんだ。催淫剤、聞いたことはあるかい?」

アキラは、思わず瞼を開けていた。
驚くほど近くに、芹澤の整った顔があった。
その男らしい美貌に、冷たい笑みがある。
それは、残酷で危険な微笑だった。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル