黒の宴 15
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それでもまだその時は強い自制心をアキラは残していた。スッとアキラが体の力を抜いた。
社はそんなアキラに対し、掴んでいたもう片方の手も離して両手でアキラの頬を優しく包もうとした。
その時アキラが渾身の力を込めて社を突き飛ばした。
「うおっ」
後ろによろめいた社の体の脇をすり抜けてアキラは和室から出た。だが何かに躓いて
床に膝まづくように倒れる。社のスポーツバッグだった。
アキラはすぐに立ち上がろうとしたがグッと首に後ろから腕を回され捕らえられてしまう。
そのまま後ろに引き倒され、和室に引きずり込まれて社の大きな体が上にのしかかって来た。
「誘ったのはそっちや…!」
アキラの行動は僅かでも隙を見せればせっかくの獲物を逃してしまうという判断を相手に
させてしまった。社はアキラの体の上に覆いかぶさるように上半身を乗せて押さえ付けると
アキラのズボンのボタンを外しファスナーを下げた。
「あっ…!」
アキラは必死で両手で社の学生服を引っ張ったが抵抗し切れそうになかった。
それでも社の下から逃れようともがき、暫く畳の上で揉み合っていたが、社の体力にはかなわず両膝を
抱えられると一気にブリーフごと引き剥がされ、そのまま両膝の間に社の体を入れられてしまった。
社は剥いだ衣服を部屋の奥の片隅へ投げた。
上は、まだPコートを着たままであるのに下肢は剥き出しの状態で両手を床に押さえ付けられた。
「これでちょっと部屋を飛び出す、というワケにはいかなくなったな。」
そして社は少し上半身を浮かせて自分の体の下にあるアキラの下腹部を見る。
先端がこちらを向いた状態のアキラの薄桃色の先端部分が視線に怯えるようにピクリと震えた。
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