遠雷 18


(18)
「芹澤…様……」
「私はなにが見えるか、訊いたはずだ。犬の分際で、人間さまに感想をいえるとでも思っているのか」
「し…失礼いたしました!」
男は慌てて、床に額を擦りつけた。
芹澤は、忌々しそうに舌打ちの音を聞かせた後で言った。
「もういい、顔を上げろ。続けるんだ」
「はい」
男は急いでもとの姿勢に戻った。
わずかな時間にも、アキラの体は顕著な変化を見せている。
「……全身が……ピンクに染まって、苦しそうに喘いでいます」
「それから?」
「菊門が、ひくひくしています。ひくつくたびに、奥から液が溢れています」
「クリームが溶けてきたのだろう。たっぷり塗りこんだからな」
男の体の奥がざわりと疼いた。
記憶がよみがえり、感覚が再現されたのだ。
薄緑のチューブから搾り出されるクリームは、何度か味わったことがある。
体の奥が燃えるように熱くなり、耐えられないむず痒さに襲われる。
台湾だか香港で手に入る媚薬で、精液を注がれてはじめて中和できる厄介な代物だ。
「腰が左右に動いています」
クリームに練りこまれた薬が浸透してきたのだろうと、男には理解できた。
痛みなら、歯を食い縛って我慢もできるだろう。だが、痒みは……。
男の欲望に火がつく。
自分はただ見ているだけなのに、自分もまた薬を施されたように錯覚する。
萎びた芋のような陰茎に芯が通った。
男は、アキラのその部分に視線をやった。
ひくつく後孔の上で、勃ち上がり震えているそれ。
淡く色づくアキラの陰茎の先は、てらてらと光っていた。
湧きあがる透明な雫に濡れそぼり、男を誘うように光っていた。



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