遠雷 33


(33)
「そんな声を出されてもね。一応人間の体の一部なんだから、それなりにいたわって欲しいね」
アキラはぶるぶると全身を震わせながら、芹沢の昂ぶりを掴んだ。
しっかりと固定し、みたび腰を下ろす。
ぬぷっという音を体の中で聞く。
肉がこじ開けられる感覚に、ぞくりと嫌悪が肌を這う。
「はぁ、ぁ、ぁ、ぁ…………」
自ら体を開く恐怖に、アキラの喉は振り絞るような悲鳴をあげた。
一番太い亀頭がずるりと飲みこまれる。
一度、そこで動きを止め、限界まで開かれる感覚をやり過ごす。
「よくできました。塔矢君」
芹澤の言葉は、いまのアキラの耳に、言葉として届かなかった。
「また少し手伝ってあげようね」
言葉が終わるやいなや、芹澤は下からきつく突き上げた。
「ヤっ―――――!!」
否も応もない。
ズンと体の奥に響く衝撃に、辛うじて体重を支えていた下肢が頽れる。
自重でいままでにない深みにまで、芹沢の陰茎は達していた。
アキラの全身を電流が走り抜ける。
そのとき脳裏に閃いたのは、鋭いピンで刺し止められる、蝶の標本だった。



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