<Books Nigeuma TOPページへ>
12月
街にはクリスマスソングが流れ、夜になるとイルミネーションの光が美しく輝いている。
そう、もうすぐ楽しいクリスマス。
しかし学生には、その前に『定期試験』という大きな山が待っているのだ・・・・・。
選択
作 逃げ馬
「はい、時間です!」
鉛筆を置いて・・・・・教卓に立つ先生の声が聞こえると、教室の中には多くのため息が聞こえてきた。
ある者は、思い通りの解答ができたという充実感のため息。
また、ある者は力を出しきれなかったという悔しさのため息・・・・・生徒たちそれぞれの思いがこもったため息だ。
「はい、後ろから答案を集めて!」
教卓に立つ男性教員に言われて、一番後ろに座る生徒が、皆の答案を集めていく。
望月一平は、この中学校の三年生。
そして彼は今、二学期の期末試験を終えたところだ。
男性教員が答案を生徒達から受け取っていると、教室のドアが開き、女性教員が入ってきた。
このクラスの担任の川口亜由美だ。
彼女はこの学校に赴任して二年目の24歳。
テレビドラマで主役をしている人気女優よりも美人だと、男子生徒たちの憧れの的だ。
そうなると女子生徒たちには不人気になりそうなものだが、男性教員達と対等に仕事をしていて『かっこいい』と、これまた憧れの対象になっているようだ・・・・・。
男性教員が集めた答案を手に教室のドアに向かう。
川口が男性教員に「お疲れ様でした」と一礼すると、教卓の前に立った。
<感想やカキコはこちらへ>
<作者【管理人】へメール>
<短編小説のページへ>
<Books Nigeuma TOPページへ>