「僕は、ここで失礼します」
あなたが言うと立野は、
「エッ? 行かないの?」
残念だな・・・・・立野が、上体を揺らしながら言った。
立野さん・・・・・やっぱり酔ってるよ・・・・・あなたは苦笑いしてしまったが、
「それじゃあ・・・・・お疲れ様!」
立野が言うと、皆が「お疲れ様」、「また明日ね!」と、あなたに言った。
「お疲れ様でした!」
あなたは、立野を中心に歩いて行く同僚たちの後ろ姿を見送った。
皆を見送ったあなたは、改札口を通って電車に乗った。
車内は、会社や学校帰りの人達で混みあっていた。
あなたは、吊革に掴まりながら隣の車両を見た。
この車両に比べると、はるかに空いている。
連絡部分の扉のガラスには「女性専用車」のステッカーが貼られている。
いくら空いていても、隣の車両に行く勇気はない・・・・・車両に乗っている女性たちから、いったいどんな目で見られることか・・・・・。
電車が駅に停まるたびに、車内の乗客が少なくなっていく。
40分ほど電車に乗った後、あなたは郊外の駅で電車を降りた。
駅の改札口を出ると乗客達は、バス停に向かう人、迎えの車に乗る人、歩いて家に向かう人と分かれていく。
あなたは家に向かおうと歩きだしたが、駅前のコンビニエンスストアーの前で足を止めた。
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